井枝尼 理出亜 子供食堂にて

井枝尼 理出亜 子供食堂にて

 民泊と子供食堂を併設する
古民家に立ち寄る

地域の親子が、大人が、手をかけた食事を楽しむ

 私は孤児院に育ちいわゆる家庭料理を味わったことがない、

 荒野を歩くことは造作もない、私は剣をもって最後の日日まで歩いて見せる

 きっとこの魚や味噌汁の味はそうなのかもしれない

 この世は地獄、奪われ、
不安と不条理ばかり、この空間もかりそめのオアシス

地獄が見えない人は信じない
神を信じない私が言うのもへんな話しだが、

 ここに来る親子は、見えない地獄を見ているのだろうか

 この建物のまわりに灯る家々から叫びと涙が私には聞こえる

 その叫びと涙はここでは、
笑顔の下に押さえ込まれる

 だけど灯火がない多くの建物から私は叫びを聞く

 だから、地域でも企業でもネットゲームの上で、地球のあらゆる場所、下層くうかんに現れる、私は闘う

 流される血をワインに変えて飲み干し、地獄をつくった存在を切り捨てて見せる

 叫んでいい、泣いていい、血を流していい、

私はそこに現れる

 私のかわりに多くの井枝尼 理出亜が現れる

私が倒されてもかわりの井枝尼 理出亜が現れる

 サバとご飯が染みる

 

 

 

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