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添乗事前打ち合わせ攻略法*学校訪問編 Ver.1

最終更新 2022年3月3日

この記事の読者対象 基本的のどなたでも
・ツアーに興味のあるナース〜初心者さん
・事前打ち合わせで何すりゃいいのかわからない
・ナースの視点を知りたい、団体サイドの方々

攻略法とは謳いつつ、相変わらず「そんなのあったら私が教えて欲しいわ。」という“こういう記事欲しいけれど、ないから作った”精神で書いています。

経験10年の脳筋ゴリゴリで書いているため、足したり引いたり各自いい感じで抽出して実務でご活用ください。

え?あんたより長く経験しているけれど、こんな事例ないわよ!とモヤッと思う方。
でっすよねー。どうぞ同じテーマと労力でnote等を書いて頂けたら幸い。

私について

事前打ち合わせとは?

その名の通り、安心・安全な旅行を行うため、事前に団体さんと旅程の確認・それぞれの業務、役割の確認、参加者の情報共有などを行うこと。
電話か対面で行います。

電話か対面かは、先方で指定

ざっくり分けると

小学生
学校へ訪問し、先生方と対面でお話
中高生
添乗員さんへ電話で確認・挨拶後、団長(校長など)・旅行担当教員・養護教諭それぞれと電話。

中学生でも、公立の修学旅行だと対面打ち合わせを必須としている自治体。高校生でも、学校によっては対面打ち合わせを求められることもあり、様々。
急募のツアーで、対面する時間的余裕がなく電話で済ますこともあります。

首都圏を拠点とするナースの場合
メディカルコンシェルジュ案件で、公立の小中学生に同行専門でツアーに乗っている方々が、ほぼ100%対面での打ち合わせかと思います。

毎年同行している公立小さん3校以外は、
電話打ち合わせ

どちらの方法にもメリット・デメリットがあり。
対面だと、団体(学校)サイドで事前にどんなナースが来るのか?安心できて良いんでしょうか。先方のメリットの方が大きいのかなという印象。

対面打ち合わせ形式も色々

①主要メンバーとのみ
 ・旅行担当教員、養護教諭それぞれとお話
 ・上記お二方と一緒にお話 など

②全員で会議形式
 ・補助員さん含め、
 引率全員で顔合わせも込みで全員で集まる
 →仲介会社のコーディネーターも参加することあり。

これ以外にも、事前検診同伴も。

診察同伴はレアなケースですが、貴重なチャンス
学校医の診察に同伴し、子どもたちと顔合わせしつつ健康状態も確認できる超最高な自治体も。私が長年同行させてもらっている学区はまさにこれ。

特に持病のある子は
「 明日の朝集まったら、吸入のお薬持ってきているか見せてね。看護師さんの顔覚えておいてね(ニッコリ) 」や
「エピペンの入っているリュック、明日見せてね!」などなど
事前に声かけできたり、診察への態度や先生方の指導や関わりの様子で、ツアーの未来を占うこともできるので、とても助かっています。

言葉を選ばず言うと、
事前の段階でこのクラスと教員ヤベェ!と察するとツアーも大体トラブル続きになるのは、経験上それはもう多々。
先々予測して、不安の目を潰したり脳内フル回転で対策します。具体的には、いずれ機会と気力があったら書きます(大体書かないパターン)。

そもそも引率メンバーって?

教員の方々
小中学生は、校長先生が団長として引率することが多いですね。
団長=団体責任者、動く本部としてツアナスと密に関わる事となります。縁遠いと思われていた校長先生という存在が、まさかこんな身近になるとは。ツアナスならではの状況だと思います。

ー養護教諭さん
そもそも、保健室を空けないために代行で看護師が同行するという位置付けでもあるので、養護教諭さんが同行する場合は少なく。
ただし、複数名体制や夏休み期間などで同行する団体もある他、副担や補助教員として等で鼻っから傷病対応は行わない枠でいらっしゃることも。

補助員さん
学区によっては、同伴しません。
大体、教育学部とかの大学生バイト。ものすごくやる気があり気配りの出来る子から、遊び半分で残念な奴まで振り幅広し。
補助員=学生とも限らず、地域のおば様が補助員常連となって局になっている学校もあり。
別noteでも書いていますが、ツアーナースでなくあえて補助員として同行したことがあります私。

カメラマンさん
毎年同行・運動会など他行事でも同じ方で、学校とすでに馴染んでいる方から、そうでもない初見でアウェイ感全開の方など。
外部の人間って立場で、ツアナスと愚痴ったり協力したり。意外と身近な存在です。

添乗員さん
都内、公立小学校だと同校は稀ですね。八王子とか。
契約の違いとか細かい話もありますが(省略)、ひとまず高校修学旅行ほどには看護師と密に関わらないという認識でOK

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さて、前置きとしての予備知識が長くなりました。
これまで書いてきた通り、対面打ち合わせは小学校の自然教室で行われることが多く、他の添乗はほぼ電話。

対面での内容を、電話で全て網羅することは難しく。対面での内容をピックアップしたものが電話打ち合わせ内容になるかと思いますので、打ち合わせ大枠という意味で、対面打ち合わせについて書いていきます

1 準備と服装

服装

フォーマル、もしくは華美でない服装が一般的かと思います。
やべ私、慣れた学校さんだとフォーマルにも満たない舐めたヒラヒラして私服でお伺いしていました。改めよう。

仲介会社から事前に渡されている書類

業務開始時間、食事代金など事前に指示されている内容との整合性を確認する意味でも、持参必須。
は?これ自腹?聞いてないんすけど!とかあるかもしれませんし。

ー食事代金、自己負担の有無
同じ自治体の案件でも、仲介会社によっては自己負担となることもあります。
特にもお金絡みの事は、業務指示書の内容に基づき要チェック。

[例]反省会費用
毎日、消灯後に行われる職員ミーティング。学校によっては、その時の飲食代を看護師も負担する場合があります。念の為、事前打ち合わせで確認しておいた方がいいですよ。

私は負担したことが、ツアー人生10年でこの理不尽な1回↓しかないのですが、大体負担しているよーというツアナスさんの話も聞きます。

そもそも、ミーティングは最小限で情報共有すればすぐ終わるわけで。その後の宴会的なものに付き合う義務は私たちにはありません。
消灯後に、児童・生徒対応もあるかもしれませんし、終わったら速やかに看護師の部屋(あるいは兼保健室)へ戻ってOK
*ただし私は、毎年同行している学校に限っては率先して参加していました。

コロナ禍で、そもそも密になるミーティングも簡略化されて飲食しないでしょ?と思っていましたが、うーーーん。学校によりけり。

今ならそもそも参加しない。当時は初心者で気が弱く。

[例]食費類、看護師の自己負担は仲介会社次第

全然違うのよ

2012年から同行している学区の例です。
中抜き業社でこんなに変わるので、毎年2月の入札時期になると、今年はどこが落札するのかソワソワ。結果がわかると、学校の先生から「今年は○社よ〜!」とお知らせがきたり。
こういうこともあるので、必然的に長年ツアナスで生きるためには、複数社登録が必須となるんですよね。

ー各種入館料
経費削減のため、看護師は外待機という場合も。
そもそも私、自己負担したことはほぼ無いんですけれど。みなさんどうなんでしょうか。業務上、入館する必要がある場合は、請求かけてもいいんじゃね?

筆記用具類

しおりや資料に書き込み用。付箋と蛍光ペンは便利です。
バラバラとまとまりなく資料を渡される場合もあるので、ノート型のクリアファイルや、クリップ、スティック糊があっても便利。

※折りたたみスリッパ
学校の来賓用のものをお借りしても良いので、全くもって必須ではないです。むしろいらないかも。と言いつつ、私はなるべく持って行きたい派ですが、高確率で持参忘れてしまい結局お借りする流れ。

2 打ち合わせの流れ

①旅程と看護師の動き・配置を確認

旅程だけ写真に撮らせてもらって、
栞類は学校に置かせてもらい当日受け取ります。
持ち帰り厳禁。

旅のしおりを見ながら、流れを確認してきます。
看護師さんは、こうして下さいって細かく指示されるところ、そうでないところ様々なので、旅程を聞きつつ己の動きを脳内シミュレーション。

旅程全体の一例

私が適当に作った、仮の学校旅程表です。
よくあるコースREMIX版なので、これに近い旅程は実在するかと思いますが、あくまで私の妄想ツアーです。

児童用とは別に、詳細な動きを記載した教員用のしおりも存在。
どの先生がトイレ誘導や弁当配る、風呂の見守りはなど、細かい動きと役割分担が書かれています。
一方で、先生方や補助員の動きは詳細に書いてあるのに、まるで存在を消されたかのようにツアナスに一切触れられていなかったり、看護師さんは臨機応変にとザックリ扱いされいることも多々。

実際、立ち位置的にも‘臨機応変‘が正解。
そこでの立ち振る舞いが、ツアナス個々の手腕が問われるところでもあり。基本的に、見守り・声掛け時々傷病の早期発見と予防に勤めつつ、先生方のサポートベースで、有事に動けるよう備えておくという感じで良いと思います。

その上で、各見学先での動きを深堀りしていくと

↑ぽんぽこ小 例えば私だったら…
日光東照宮
クラスごとにガイド付き見学ですが、バスと一緒で2組と一緒に動くという認識で良いです?

いろは坂前
磐梯の食事会場で、バス乗車30分前の◯時頃に酔い止め飲むよう私も声かけしますが、先生もご協力してもらえますか?薬忘れてきた子が、勝手に友達同士でシェアする場合があるので、事前に注意喚起お願いします。

入浴時間
補助員さんにお風呂中の見守りお願いして、ロビーか保健室待機していて良いでしょうか?アトピーの○○ちゃん、入浴後の背中の軟膏を保健室で塗るので忘れないよう声かけてもらっていいですか? 
などなど

ちなみに、日光の場合は
別記事で注意点など解説しています。この事前打ち合わせの記事と、もう一個くらい書いたら、ぽん小同伴バーチャルツアーの巻を書きたいと思っています。ツアーに出られないいま(2022冬)だからこそ、シミュレーションでしっかり備えていきたい。

ハイキング、登山は配列を要確認

だいたい最後尾

配置の他にも、確認ポイントはたくさん。
参加児童・生徒の健康情報関連は、後述する別枠でまとめて。

例えば、私だったら確認すること
脱落者、途中下山者のフォロー
・誰が、どのように連れて戻るのか?
・どこで待機して、どこで本体と合流?
・コース上、最終脱落ポイントは?
 (これ以上進んだら、もう頂上目指すしかない地点)
トイレの場所 
 →少ないorない場合、携帯トイレを引率で持っておいた方がいいっすよ。
水分補給
 →休憩のたびに声かけを。山でトイレ行きたくないから控える子もいます。水分も飲みきっちゃう子がいるので、引率各自で予備として1L分くらいは持ちませんか?などなど

大体の団体で、問答無用で看護師が持たされるらしいAED
でかい、重い。ただでさえ業務上、救急バッグも含めて大荷物で登るりつつ傷病対応しなきゃない私たち。

携帯することが決まっているのならば、打ち合わせの段階で男性教員や補助員さんにお願いする手もあります。
いざ使う事態になったら、看護師だけでなく引率みんなで連携して対応しますし。そもそも、対応する際に一番近くに看護師がいるとも限らない。更にいうならば、AEDは看護師だけが使える機器ではないですので。

もちろん、どうしても看護師が持つべき!という方もあると思いますので、それぞれの考え方と団体の意向に合わせて。

乗り物(バス)座席確認

よくある配置

当日確認でも良いのですが、稀に看護師バスの座席を忘れ去られていることもあるので、確認しておいた方が良いかも。

大体、健康上の配慮が必要な児童がいたり、とにかく酔いやすい子、看護師対応がありそうな号車に配置されることが多いですが、適当に配置される場合もあります。他、具合悪い子が出たらそのバスへ移動することも多いです。

明らかにバス移動中は看護師が同じ号車にいた方が良い心配な児童がいるにもかかわらず、そうなっていない場合。
座席の都合でやむおえずや、先生のお考えもあるかもしれませんが、一応助言・提案はしておいた方が良いかも。それで怒る先生はいないと思うし。

受け身ではなく提案を
座席に関わらず言えることですね。その場の空気を読みつつ、参加者と何よりツアナス自身の身を守るためにも曖昧なこと、おかしなことは確認・提案を。

看護師部屋・保健室

私の主戦場、私立高校の修学旅行ですと
看護師の部屋と保健室は分かれており、保健室も男女複数室体制で安心なのですが、小学生の場合は看護師・保健室の部屋が一緒。プライベートもクソもないです。予算や、部屋数、体制上仕方ないので、そんなもんだと受け入れています。

耐えられない方は、鼻っからその手の同行は避けた方が無難ですよ。現状、代わりは誰でもいる、嫌ならやるなの世界だと思うので。

私は、保健室一緒はまぁ耐えられるとして、他の女性教員と同室もしくは養護教諭さんと2人部屋の方がキツイです。オナラとかできないし。ブーとかうっかり出たら一生言われちゃう。屁女とか。就寝・起床のタイミングも合わせなきゃないし。

[経験談]一般団体・低年齢層の保健室は託児所状態

阿鼻叫喚

コロナ流行で中止になる前まで、6〜7年連続で同行していたちびっ子雪遊び教室の添乗。4〜8歳くらいの子ども達100名ほどと過ごしますが、初日の夕方からホームシック祭りが始まるのが定番。
他の引率に協力してもらいつつも、保健室に続々連れてこられるギャン泣きキッズたち。託児所状態で面倒を見ていました。
こうなると、看護師部屋・保健室わけてとも言えませんし思いません。

インフルエンザで、翌朝にママがお迎えに来るまで一晩隔離せねばならん5歳っ子。夜中ヨシヨシして、鼻水涙など体から放たれる液体に触れながら介抱も多々ありました。不顕性だったとは思いますが、インフル罹患しなかった私。ピンシャカ生きていましいた。

②児童・生徒の健康情報

 配慮が必要な子 状態・必要な対応の確認

喘息、食物アレルギー、ADHDなど配慮すべき主な疾患・症状について見ていきます。

心疾患とか他にもありますが、ひとまず多いのだけピックアップ

共通の確認事項

ー学校での状況と、対応

普段どんな感じですかー、どんな頻度で発作起きてどう対応していますー?

安易に信じちゃいけない言葉

私はバルスに聞こえる破壊の呪文

普段何もなく、しっかりしているのは事実でしょう。
しかし、旅行は非日常。そんなお墨付きの団体さんが、思わぬアクシデントで怪我や、普段ならやらなそうな忘れ物などで、イレギュラー発生祭り。もう数え切れないほどの団体で思わぬ事態に遭遇してきました。過信しすぎず冷静に対応します

ー活動制限など〜各種管理指導表の確認

細かいところだと、登山は○○池まで行って後の登りは引き返すとか
この時点で疲れていたら車でピックアップなど、強度や状況に応じて個別に対応することも多いですね。
毎年同行している高校さんの8時間トレッキングは、看護師と校長先生が小型バスに乗って適宜対応してピックアップしています。

そもそも各種制限のある子に対しては、各主治医に記載してもらう学校管理指導表のコピーを一緒に用意してくださる場合が多いです。実際の旅程とリンクしているか、看護師の目でも一応確認。

運動制限は、学校生活管理指導表に基づいているはず。
普通に看護師していたら馴染みのない表なのですが、たまに「この子はCでうんちゃら」とかわかっている前提で話す先生もいて動揺。

リンクは後述

アレルギー疾患用

引用:教職員用活用のしおり
クリックでリンク飛びます

参考
日本学校保健会/学校生活管理指導表

ー持参薬の当日所持確認

鞄に入っていると思ったら、なかったので保護者へ滞在先まで持ってきてもらった、持参はしたが宿泊途中で数が足りなくなったなど、特に小学生は薬に関するトラブルはあるある。
出発前にチェックすることで防げるのは言うまでも無いので、打ち合わせの時点で依頼しておきます。

当日朝、担任は点呼や準備諸々で忙しいので
補助の先生などに依頼するなど、看護師・児童生徒とのマンツーマンではなく三者確認をした方が安心。たかだか、旅行持参の薬?で三者て思うかもしれませんが、何をするにもマンツーは避けたほうがいいです。

なぜそこまでして必要か?多くを語るより、経験事例の中から2つピックアップ。

事例1 [食物アレルギー]中身まできちんと確認しよう

個人情報保護のため、軽く脚色

頑なに中身を見せたがらない子。
校長先生にお願いして、一緒に中身を見せてもらったら、まさかの歯磨きセット。保護者に持ってきてもらうのを待ったら、出発が遅れるため学校保存用(有事に備えて本人処方用を預けていた)を代替えで持っていけました。

事例2 [喘息]断固拒否の末、最悪の事態

個人・団体情報保護のため、かなりマシな展開で脚色

そもそも、担任含めて大人の関わりを拒否する子。
当然、新参の看護師なんぞガン無視です。都度、合間に入ってもらうよう先生方に協力を依頼・相談するも本人は言うこと聞かず。
喘息持ちなので最後尾でゆっくり看護師と移動、キャンプファイヤーも見学とされていたのに、本人それもスルー。結果、各所で軽い発作。その電話連絡も、担任から保護者へされておらず。
大事には至らなかったものの、終了後「看護師なのに何をやっているですか?」と親から直接お叱りを。私自身の落ち度も認めつつ、学校の校長先生が学校責任として、保護者へ事情を説明してくれましたが、担任は私に責任転嫁して逃げ続けました。

ーご要望を伺う

学校、保護者それぞれで。
学校によっては、事前打ち合わせの時に保護者希望があれば看護師と面談・相談。当日にも、同様に保護者とお話しする場合もあります。
某区では、保護者・養護教諭・担任・看護師の4者面談をしてから、全体の打ち合わせをしたので、トータル3時間くらいは事前打ち合わせで拘束されました。
要望内容としては、こういうときは休ませてとか、こまめに気にかけて声かけてあげてとかが多かった気が。

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では、主な病気・症状別にみていきます。

【   喘息   】

先ほどもご紹介した、生活管理指導表に即して確認すると漏れがないと思います。
大体の学校さんで、各児童分のコピーも一緒にくれる。

引用:日本学校保健会HPより 
クリックでリンク飛びます

普段発作を起こしていないからと、発作時吸入薬を持参しない子やそれを良しとする学校も多い印象です。
下記通り、非日常の旅行。誘発因子も多く、活動内容。強度に応じては念押しで確認しても良いかも。個人的には、喘息の診断がついている子は発作時吸入薬は必須で持参して欲しいんですけれど、そんな権限もなく。

ー旅行中発作が誘発されやすい4因子

全てで、発作の前兆〜発作。あと、布団関係はアレルギー症状誘発の対応経験があります。先生、補助員の方々に協力を仰ぎながらも
見回りやこまめな観察で、悪化を防げるように気を配り声かけをしていきます。

特に、キャンプファイヤーなんて
楽しさが勝って、ゲホゲホ言いながらも炎の前でマイムマイムを舞う少年とかいますし。暗くてみんな盛り上がっちゃうから、テンション上がって気づかない場合も。盛り上がりイベントほど、俯瞰で冷静に観察・介入しています。

ー覚えておきたい、よく持参する薬

これは最低限、
薬効など覚えておくべしな内容

アドエア+シングレアorオノンorキプレスという組み合わせが多いので、上記薬は把握しておいた方が。ってか、経験科にもよりけりですがこの辺りの薬は看護師にとってお馴染みですよね。

参考:小児に用いられる主な喘息薬/環境再生保全機構
プリントアウトもしくは、PDFでタブレットですぐ見れるようにしてツアーに持参するレベルの資料。

クリックでリンク飛びます
ツアーやってりゃお馴染み薬すぎるラインナップ

ーよくある持ち込み吸入器

「保健室で、吸入の機械を使わせてもらいます」対応
幼児〜小学生の添乗では、高確率で持参あり。

ご家庭用だし、使用方法・組み立ては難しくありません。
しかし「看護師さんなら当然使えるよね」とポーンと渡されたりすると初見だとビビっちゃう。
事前に公式サイトで使い方学習しておいた方が、安心です。

ー念の為、持参しているもの

パルスオキシメーターと、ステートは救急バッグにも入っていないので有事に備えて私物を常時携帯しています。仲介会社によっては、ステートの使用を禁止しているところもあるとの事。意味わからん。

私は常備ですが、各自お好みで。

【   食物アレルギー   】

ー除去食対応 誰が?どんな方法で?

中高生の旅行会社案件だと、添乗員さんがアレルギー食チェックをしてくれますのでツアナスはあくまで有事の対応に備える立場。
当たり前ですが、除去食の確認って看護師資格一切関係ないですし。看護師でなければ見抜けない成分とか存在しません。成分表みて確認するし。

しかし、小学生の添乗は暗黙のルール的に看護師が行うことになっているところが多ので、指示に従って対応します。
実際、保健室で具合悪い子対応と重なってしまい、結局は補助の先生が行う流れになることが多いんですよね。

ーアナフィラキシー対応

食物アレルギー・アナフィラキシーの資料は別noteで。
下記引用資料のリンクも、ご参照下さい↓

エピペン確認はもちろんですが、エピペンの使用=記録に残すことになりますので、セットで緊急時対応記録表の用意が必要。

緊急時対応記録表
実際、看護師が対応し他教員へ記録をお願いすることになるでしょう。そういった時に、フォーマットに沿って重要な情報が漏れなく記載できているようにしておくと安心だと思います。
昨年同行した中学校さんは、団体にエピペン持参3人おりました。しっかり養護教諭さんの方で、全員分の緊急時対応記録がセット。ありがたい。
厚労省から各自治体まで、各所からフォーマットは無料DLできます。

アクションカード
必要だなと思いつつ、今まで準備して添乗したことはありませんでした。学校用意を依頼するのが正規ルートですが、面倒臭がられる可能性もなきにしもあらず。
現実的なところで考えると、いざとなったら使えるようにひっそりツアナスで準備でしょうか。

もちろん、事前のシミュレーションありきのカードかとは思います。でもさ、アナフィラキシーに備えて引率全員動きの予習と、アクションカード準備を!なんて言えませんよ実際。クレーム来ちゃうよ。
ちょいと春以降の添乗に備え、ツアー用の作ってひっそり持参しようかなと思います。だって、有事に役割分担を的確に支持し、現場をまとめる自信ないわ私。

リンクは別note参照
ツアー仕様でアレンジ版を
各自で作ってみてもいいですね。

2022年5月追記
というわけで作りました

[看護師としての事前準備] シミュレーション学習の重要性

石川県公式で、各場面ごとのシミュレーション学習資料が公開されています。私も、AHAのインストラクターさん主催のエピペン&シミュレーション講習を受けて、実際の動きを想定しツアナスとしてどう動くか?身になりました。そこまで行かなくとも、最低限実際のエピペンってどんな?と練習用のものを触ってみておいた方が良いと思います。

一般的な講習だと、サクッと打って救急車呼んではい終わりですが。実際そんなにスムーズに行くとは限りません。

想定されるイレギュラー
エピペン痛い嫌だと暴れないか?
1本しかないエピペン、足を動かされてはずれ注射できなかったら?
打ったのに、救急車がまだ着かずそのうちに効果が切れてグッタリしたら?
周囲の先生がテンパって、看護師丸投げで何も動いてくれなかったら?
他の児童たちが動揺して泣き出してしまったら?
屋外で、一般の観光客がワーワー口出してきてじゃまだったら?

様々なイレギュラーが想定される中、即席かつ自分以外は非医療者の状況でどうする?など、ありとあらゆる想定をしないまま、なんの準備もなく添乗するなんて恐ろしく。ツアーナースってそういう仕事。日々是勉強。

引用 石川県教育委員会/学校における食物アレルギー対応校内研修事例集

【   糖尿病   】

日本学校保健会の“糖尿病患児の治療・緊急連絡法等の連絡表“の項目と合わせて確認していくと、ポイントは抑えられると思います。

ー基本的な管理、看護師がどこまで介入するか?

旅行中の、体調チェックなどはもちろんとして
インスリン注射やポンプ交換時、夜間の捕食時に保健室でコッソリの場を提供などもあります。
あまり、友達に見られたくない&看護師が介入している姿を見られたくない子も少なくないようですので、本人・保護者・学校の要望に応じて臨機応変に対応。

ーインスリンポンプ対応も少なくない

ほぼ、メドトロニック製のポンプとなります。
初めて対応した時は、正直現物を見たことなかったので正直に「事前に資料で勉強してきたけれど、現物は対応したことないから、◯さんの見せてもらってもらっていいかしら?」と伝えて取り扱いとか見せてもらいました。
児童・生徒自身が取り扱いは慣れているので、サクサク交換したり。状況などによっては保護者も同伴しているケースもあります。

参考:インスリンポンプ療法/メドトロニック社

ー何よりも、低血糖時の対応の確認を

看護師が提案するまでもなく、それぞれ携帯で備える事がほぼデフォルトとなっていません?と思いますがいかがでしょ。

他、糖尿病の子に限らずですが
緊急対応の可能性のある児童・生徒に関しては、移動・食事場所などの座席や配置、各ホテルの部屋番号などはチェックして、すぐダッシュできるよう常々位置は意識しています。

【   てんかん 】

参考:てんかんinfo /ユーシービージャパン
イーケプラ(抗てんかん薬)の会社がまとめているサイト。無償でいいの?というくらいわかりやすくまとまっています!

[事例]高校生でも、内服確認は必要

中高校生でも確認します。ただし私の場合、目の前で飲んでもらうまではせず、担任が消灯前点呼に回るので、その際に声かけてもらうようお願いします。

個人情報保護のため、多少脚色しております

【   発達障害  】

こちらも、アナフィラキシー並みに別枠でnote作りたいほどに、事前学習必須項目だと思います。

参考:知って向き合うADHD教育関係者向け/シオノギ製薬

ほか、本だとこの辺り。

たくさん読み込んで選んでいるわけではないので、おすすめとも明言できず。逆に、なんかオススメあったら教えて欲しいくらい。

ー最低ラインとして、刺激を与えない・地雷を踏まないよう基本的な対応を心得ておく

個別性に合わせた対応も大切。
しかし、そもそも発達障害それぞれの特性・個別性を把握して対応しないと、看護師の安易な言動がその子に悪影響を及ぼすことも。

その子が大暴れするスイッチを押したのは実はツアナスとか、洒落になりません。実際、ドヤドヤ系のおばちゃんナースが怒らせちゃっていた事や、見学先の指導のおっちゃんがドストレートな発言をし、ブチギレさせて感情コントロール困難になってえらいことになったことも。

学校によっては、そんな無知を恐れてか逆に看護師に隠して「こちらで対応・内服管理しますから」とノータッチ令が出ることもあります。

ー服薬管理

各団体には数名は内服中の子がいると思うので、大まかな薬効と注意点は把握しておくに越したことはないと思います。

日本で認可されている4つのADHD治療薬(2022年現在)

特にも、各薬効をみてもらえば分かる通り、コンサータ・ビバンセを内服し忘れた時や効果が切れた夜の活動中の対応など、配慮すべき事項もあるのですけれど。
うーん、そもそも学校がそこまで求めていない場合もあるので、どこまで介入するかってすごく微妙。

発達障害の対応に力を入れている養護教諭さんの元だと、そこまで深い話も詰められて助かるのですが、その辺りは個々で異なるのでなんとも。

[参考・引用]ADHD治療薬について

【  片頭痛 】

小中学生と言えども、アセトアミノフェンやロキソニン程度の鎮痛剤で済まされない、ガチな薬(=トリプタン製剤)や、予防薬として抗てんかん薬を使用している子もちょいちょい。

学校・保護者からも、無理をさせずに前兆があった時点で休ませてあげてくださいと要望がある場合も多く、看護師的にも当然同意見。

痛みの尺度は人それぞれなので、一概にラベルを貼るつもりはないですが、トリプタン持参系の子は特にも気にかけて適宜声をかけています。

細かい薬効は、各自調べてね。

参考 トリプタン製剤

【 起立性調節障害 】

中学生がメイン層として多いOD
小・高校生でもあり、添乗中に対応することも多いです。と言っても病気の特性柄、積極的な働きかけはせずに本人・学校と各アクティビティ参加の可否や、休んでもらうタイミングなどを相談し、できる範囲で活動できるよう支援することが役割でしょうか。いつでも休めるよう、各場所で休養場所の確保ができるよう各所へ依頼し準備を整えておいたり(バスガイドさんや、食事会場の担当者など)。

事例① 起きられない無理させない

学校の理解と、事前準備があってこその事例。

事例②   無理していたけれど、途中でダウン

本人さえ良ければ、なるべく参加して欲しいもんね。
友人の協力も得ながら、先生と連携してサポートします。

学校も許可した上での、予定外の参加であれば問題ないですよね。ただ、ここの責任所在を明確にしておかないと、神経質な親御さんだった場合「なんで参加させたの?」から、看護師責任を問われる可能性もあり。

命に関わる状況ではないですが、こういった細かい現場判断で責任を問われることもあるので、看護記録だいじ。

参考①起立性調節障害とは/おおえ整形外科病院小児科
こちらの解説・図表、関わり方がとてもわかりやすい。

参考② 起立性調節障害サポートグループ

【 乗り物酔いしやすい 】

こちらは、私としては積極的に聴取する内容では無いと思っていますが、学校サイドから提示される場合が多いです。
どの子が酔いやすくて、酔い止め持ってきているか?など。正直、ノーマークの子ほど酔いド派手に吐くので、事前情報もあんまり深く聞く必要ないなと、個人的には思っているのですが。

ひとまず、乗り物酔いについては
こちらで、私なりにまとめましたのでご参考までに。

普段から保健室利用が多い子

人間関係、メンタル要因など様々な理由で普段から保健室利用の多い子と、看護師に望む対応について可能な限り聴取しておきます。

③業務内容の確認

5つの基本業務

ー薬の声かけ・見守り

幼児〜小学生の添乗だと、看護師が服薬確認するケースが多いです。

確認方法色々
①目の前で服薬してもらう
②内服前に「今から飲みまーす」という申告のみ
③内服後に「飲みましたー!」という事後報告

高学年は教育的側面も兼ねて自己管理。
①〜③すらもしなくてOKと先生から指示されることも。
仰る通りなんですが、特にもてんかん・喘息・ADHDなどの薬は確実に内服しておかないと困りますし、旅という非日常は普段通りにはいきません。

ー補助業務

人員が足りない時や手が空いている時、臨機応変に対応します。

よくあるお助け
・道路横断などの誘導
・点呼
・弁当配り、準備、片付け、ゴミ捨て
・アクティビティの準備
・荷物運び、積み下ろし など

看護業務優先はもちろん。
でも、結構手が空いている事も多いし、特にも50人以下とか小規模団体だと、引率数も少なく先生方がいっぱいいっぱいになっている事も。

逆に、抱え込まないよう線引きを

補助業務も行う一方で、明らかに看護師で無くても良い業務を依頼される場合も。
小学生あるあるの2強はこちら。

次に同行するナースのことも考えて行動
夜尿の対応くらいしてあげなさいな、などご意見はあると思います。
実際私も初心者の頃、先生方に依頼されるがままに業務を行なっていました。ご存じの方もいると思いますが、夜尿・添い寝問題は、ツアーナース研修(2019年まで定期開催)でも毎回取り上げられていた内容。

24時間対応と謳っていたとしても、それは夜間緊急時・オンコール体制という意味。私たち自身の休息も確保するため、業務によっては丁重にお断りして良いと思います。実際、研修では「断ってOK」と講師がキッパリ宣言。

仮に、良かれと思って行なっても次年度以降「前の看護師さんはやってくれた」と言われてしまっては、断りにくくなるかもしれません。
その場しのぎで請け負ったことが、次の看護師の業務に影響が出るかも…と少し視野を広げていくことも、一人職だからこそ大事にしたいところ。
良かれと思ってが次への皺寄せになり、ただのスタンドプレイになってしまわないよう考えながら勤務していきたいですね。
自戒を込めて。

④受診対応

小学生の場合は、費用は学校予備費建て替えが多く
中学生以上で、お小遣い持参の修学旅行等ですと、生徒自身に出してもらう場合が多いとは思います。

お金関連で、下手に看護師が建て替えたり、学校からお預かりしたお金の返金類でトラブルに巻き込まれないよう気をつけて下さい…。私は濡れ衣を着せられた一件から、一時期↓このセットを自作して持参していました。
今はそもそも、建て替えになるような添乗には同行しません。

[参考]初心者向け、受診チェックリスト
5〜6年前に作成したものです。
ツアー中の受診のポイントが、チェックリスト形式でまとまっておりますので、よかったらどうぞ。慣れないうちは、これ見ながらやっても良いかもね。

個人作成にて、有事の責任は負い兼ねます

⑤救急バッグ

内容を確認させてもらえます。
独断と偏見ですが、こちらで必要と思われるものはほぼ網羅していますので、ご参考まで。
最後のカテゴリーを残していて未完成ですまぬ。ひとまずどうぞ。
*2022年2月現在 現在執筆中

先生によって色々なので、残念な事態もあります。
これを読んで、耐性を付け現場でビックリしないようイメトレを。

[経験談]実際にあった、ざんねんバッグ集
薬しか入っていない

本気で意味がわからない

②消毒液まつり
子ども100人、屋内ダンスに対してそんないらない。そもそも、いらない。

逆に狂気を感じました

③救急バッグの準備なし、要望も逆ギレ
友人ナースの経験談です。事前電話打ち合わせで要望出したら逆ギレされ、現地でも酷い目にあったと。以来、恐ろしくて救急バッグは無いと言われても要望しないことにしたそうです。

なんでやねん

親切で優しい先生が大半
しかし稀に「前世で私なにかしました?」というくらい、初対面から一方的にゴング鳴らしてきて看護師に敵意むき出しの養護教諭さんもいることは、批判を恐れず明記しておきます。
よって、救急バッグの内容に注文を付ける際は、空気を読みつつ慎重に。ガツガツ上から目線なんてご法度。

ほんと稀だけれどね。
万が一、そんな人にエンカウントしちまって、周囲に相談するツアナス仲間がいない初心者さんが不用意に悩まないように。ツアーに限らず、看護師ってだけで攻撃してくる他職種人は一定数いますから。淡々と接しよう。気にしない気にしない。

学校の、対応方針の確認を

保健室休養、受診の基準はあるか?

ここは必須事項かと思います。
医療者と非医療者との見解って、違うから。は?嘘やん?!というめちゃくちゃな基準でも、とりあえず団体指示に従いますが、その辺りは各ツアナスに委ねられるのかな。私はとにかく波風立てずに揉めたくない派なので。

傷の処置

傷は消毒しなくていいですか?と聞くのもアホだと思われそうなので、あえて聞かなくて良いかと思いますが。

また基本的に、参加者に直接使うものは持参禁止が暗黙ルールです。
勝手に、リンデロン持参して塗ったりロキソニン飲ませたりしちゃうツアナスさん実在します。気をつけて。

[参考]使い慣れたもの、身を守るものは持参している私

体温計:へっぽこなのが入っている場合もあるので
爪切り:子ども相手なのに、カバの爪でも切るんかいな?という馬鹿でかいものが入っていることもあるので、小さいの持参。
刺抜き:外科医でも使いこなせんわこんなもん!という、トゲ抜けないものが入っていることが多いので。

絆創膏や、ガーゼなど肌に触れるものや
薬類などは持参しませんし使いません。ただ、自分自身が怪我したり具合悪くなる可能性もあるので、自分用としては持って行くかしら。

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以上、長くなりました。
てんかんなど、傷病によっては内容が薄いものがあるので、今後加筆して行きます。誰かのお役に立てたら幸い。