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一家に三人、優三さん

すぐに消した記事の中で、モテ・非モテについて書きました。
朝ドラ『虎に翼』の優三さんがすごく素敵。でも、恐らく彼はモテるタイプではない。要するに、モテる男=いい男ではない、のだと。

まあそんなふうに書き出したから、モテ・非モテについての私自身の嫌な記憶が次から次へと噴き出してしまい、うわあああっとなって消したわけですが。

夫は 「頭がいい、悪い」という言葉が大嫌い。なぜなら、おっとりしていて動作が鈍く、受け答えも1テンポ遅れるような夫に対して、小学生の頃は「白痴」だの「知恵遅れ」だの、友達にさんざん失礼なことを言われて揶揄われたのそうだ。それが、中学に入り、テストの成績が張り出されるようになると、夫が学年トップなことに驚いた子たちが、「おまえ、頭よかったんだな」と急に言い始めた。以来、誰に対しても、安易に「頭がいい、悪い」と勝手に判断してかかることを嫌う。「頭いいね」と言われることも嫌なのだそうだ。そもそも、「頭がいい、悪い」という価値基準のあり方を毛嫌いしている。

経緯は異なるが、私は、「モテる、モテない」という言葉が大嫌い。
モテていいことなんてないからだ。席をぐるりと取り囲まれて身動き取れない窮屈さ。同性の嫉妬、嫌がらせ、つまはじき。告白されて、なんて断ろう?と頭を悩ませる時間のムダ。その連続。時には警察相談事案まで。どんなに鬱陶しかったか、イライラしていたか、怖かったかなんて、当事者にしかわからない。そしてそれを言っても理解されない。自慢とすら取られることがある。冗談じゃない。心底、「嫌だった」と言っているのだ。それを信じてくれる人にだけ語りかけたい。

さてさて、本題は朝ドラ『虎に翼』の優三。
あんな人がそばにいたら、すぐさま娘に送り付けたい(横暴)。
優しくて、謙虚で、思慮深く、自分の愛する人を尊敬し、尊重する。
そんな素敵な伴侶がいますか?

トラちゃんができるのは、トラちゃんの好きに生きることです。
また弁護士をしてもいい、別の仕事を始めてもいい。
優未のいいお母さんでいてもいい。
僕の大好きなあの 
何かに無我夢中になっている時のトラちゃんの顔をして
何かを頑張ってくれること。
いや やっぱり 頑張んなくてもいい。
トラちゃんが後悔せず心から人生をやりきってくれること。
それが僕の望みです。

『虎に翼』佐田雄三

働いてもいいし、働かなくてもいい。
何でもいいからakarikoの好きなことをすればいい。
かつて夫もそう言った。
「よく覚えてるね」と言うので、「事あるごとにそう言われたもん。本心じゃなかったの?」と聞くと、「いや、本当にそう思ってるよ」

ここに一人はいるので、あと二人、「娘たちにとっての優三さん」が欲しいのです。ただ、娘たちが優三さんをいい人だと思ってくれるかどうかは未知ですが。

今週、ついに優三の戦病死が明らかになった。
あんなにいい人がいなくなるなんて。理不尽な亡くなり方をするなんて。

今まで、朝ドラでは何度となく戦争の描写が放映されてきたが、これほどまでに強く心に響いてくる訴えかけがあったろうか。
戦争、絶対だめ。
脚本家、役者、全てのスタッフに敬意を表したい。

どんなにつらくても、生きていかなければならない。

P.S.
お父さんの死の描写も見事だった。
切実な場面なのに、呆れたり、笑いを噛み殺しそうになったり。
ほんわかとあたたかく、悲しいけれど、受け止められる。
脚本家さんの力量に感服するばかり。

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