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ブランドを作るのは人。ブランドプラス、ブランドマイナス。

先日、秋田市にあるとあるお店に行きました。誰もが知る有名なブランドでファンもたくさんいます。私も昔から好きなブランドですが、横手にはないので最近は購入機会が減っていました。前から欲しかったものを購入しようと秋田市での仕事帰りに立ち寄ってみたところ、思いもよらぬ出来事に遭遇しました。今回は実際に体験した「ブランドマイナス体験」です。


思いもよらぬ接遇

お店に入った私はお目当てのものだけでなく、なにかいいものはないか探してみました。いろいろな物があるので見ていて楽しいですし、アイデア商品なんかがあると、デザイナーとしてちょっと気になります。

一通り見たところで、レディスアパレルのコーナーにあったシャツに目がいきました。私はスタンドカラーのシャツが好きなのですが、なかなか細かいところが気になって「これだ」というものが見つかっていません。現在持っているシャツは1枚。そろそろ新しいスタンドカラーシャツを調達したいなと思っていたところ現れたそのレディスのシャツは私の求めるポイントを押さえており、ビビビッときました。しかしレディス。「同じものがメンズにもあればいいなぁ。さっきメンズのところを見たけど、同じのあったかなぁ」と思いました。

すると、目の前に女性のスタッフがいたので、聞いてみることにしました。

宮 「すみません。このシャツなんですけど・・・」
店 「はい・・・(ため息)

え、ため息?めっちゃ気だるそうなんだけど、どういうこと?

宮 「このシャツ、メンズにもありますか?」
店 「は?これですか?」
宮 「はい・・・このマネキン着てるシャツ・・・」
店 「はぁ・・・私、レディス担当なので知りません!(キレ気味)」
宮 「あ、はぁ。そうですか。」

私、本来買おうと思っていたものも買わずにそそくさと帰ってしまいました。

こんな感じで私は非常に残念な体験をしたのですが、イチ店員の雑な接客に対する憤りだけではない感情が自分の中に溢れていました。いてもたってもいられずカスタマーセンターへことの経緯を連絡しました。何回かやり取りをして、秋田店の店長さんから電話が来て、

「スミマセンでした。本人に話を聞いたところ、その時の気分であのような接客をしてしまったそうで。本人から謝らせますので、電話代わります。」

と言われました。気分で・・・。気持ちはけ口に使われたわけですね。泣きながら「ごめんなさい」と言われるのもこちらの気分も悪いので、本人からの謝罪は断りました。結局、後味の悪い終わり方になりました。

「もし、よろしければ、またご来店ください。」と店長さんに言われましたが、もう二度といくことはないでしょう。

これまで抱いていたブランドイメージとの乖離

このブランドは清潔感があってフレンドリーなイメージです。私は(おそらく他のみなさんも)このイメージが好きで、ブランドを気に入っていました。しかし、私が受けた接遇はこのブランドイメージの真逆の「ノットフレンドリー」でした。私の中で出来上がっていたステキなブランドイメージはガラガラと崩れ去り「はぁ・・・(ため息)」に塗り替えられてしまったのです。

私の中では裏切られた感情が芽生えてきたんです。いい商品があって、ステキなデザインで、楽しませてくれるこのブランドイメージを無視して、よくもひどい接客をしたな、と。私の、私たちのこのブランドをよくも貶めてくれたな、と。

もし、そこらへんの個人商店やコンビニで同様の接客態度を取られてもそんなに落ち込みはしなかったと思います(嫌な思いはすると思いますが)。今回の場合は落差が大きかったのです。もともとのいいイメージから、奈落の底へストーンと落とされた感じ。だからこそ、今回の出来事は私の中で大きなショックだったんです。

ブランドプラス、ブランドマイナス

ブランドにおいて、印象やイメージが良い状態を「ブランドプラス」といいます。逆に悪いイメージを持っている場合は「ブランドマイナス」といいます。これはイチ顧客とブランドとの間にできる関係性で、Aさんにとってはブランドプラスだけど、Bさんにとってはブランドマイナスだ、という状況にもなりえます。

私にとってこのブランドはとてもとてもブランドプラスな状態でした。ネットでも「○○○のおすすめ商品3選」なんて記事があれば、じっくり読んで、今度行く機会があれば買ってこようなんて想像をしたりしてたんです。でも今回の出来事で一気にブランドマイナスです。それもちょっとやそっとじゃ挽回なんてできないぐらいの。

結局、人が大事。インナーブランディングよ。

このブランドの製品は雑誌やネット、テレビでも特集が組まれるぐらい、とてもいいのもばかりです。こうした良質な製品によってブランドの一部は形作られていることは確かですが、最終的にタッチポイントとなる「人」がブランドのアイデンティティを理解していないとこのようなことが起きてしまいます。つまりはインナーブランディングがしっかり行われているか、ということです。

製品を作るのも、売るのも、情報を伝えるのも、すべて人を介して行われます。ブランド内部でブランドに対する理解が浸透しているか、それによってブランドのイメージは大きく変わってきますね。この体験を通して実感しました。

インナーブランディング大事。

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