読書メモ1012:トランジション

タイトル:トランジション
著者:ウィリアム・ブリッジズ
倉光修、小林哲郎(訳)
読み終えた日付:2023/10/12
感想:
人間性心理学会の会長やコンサルタント会社経営の経歴がある著者によるトランジションの話。
就職、結婚、転職、離婚、引っ越し、留学、親との死別など人生には重要な局面がある。
ただ、ここでいうトランザクションとは「自己変容」を伴う心境の変化であり、外部ではなく内部の変化を指しているようだ。
外部要因によって変わらざるを得ない状況に追い込まれることはある。
たとえ恵まれた仕事に就き、出世して、結婚して家族を持ち、何不自由なく生活していてもどこか満たされない気持ち、
言葉で言い表せない焦燥感や空虚感を感じるときはトランジションの時期なのかもしれない。
脱サラして退職金をつぎ込み個人経営のお店を始めてみたり、仕事を辞めて海外ボランティアへ参加したり、
俗世間を離れて出家してみたり、人生のある時期に急な方向転換をする人はトランザクションの必要性を感じて行動に移した人達なのかもしれない。
「われわれは人生の半分、あるいは4分の3を超えてはじめて、自分自身を持てる」
「新しい何かになるためには、現在の自分であることをやめなければならない」
「目標を達成するまでにプロセスに目を向けていく」
「すべてのエネルギーを使い果たしてはじめて、新しくおもいがけない力が出現する」
など頭に入れておくとトランジションの時期が来た時に役立ちそう。
日頃から内省することが多く、思い立ったら行動するタイプなので今まで何度もトランジションの時期を通過している気がする。
改めて人生は不思議で示唆に富むものだと思う。もがき苦しみ、逃げたくなるときもあるが、変化を慎重に受け入れる姿勢が大切なようだ。

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