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【投機の流儀 セレクション】後年「コロナバブル相場」と呼ばれるであろう今の相場はいつ迄もつか?

バイデンが提唱してきた企業と富裕層への増税がトリプル・ブルーで成立しやすくなった、こういうネガティブな面は見て見ぬふりをして「いいとこ取り」して株価はここまで進んできた。「需給に勝る材料なし」だ。
コロナ関連融資はコロナの収束の見通しが始まると同時に融資縮小の見通しが始まる→コロナバブルの株式相場の潮流に変化が起こる可能性がある。
コロナ収束の見通しが広がれば過度な財政・金融の支援が正当化されなくなる。

現に、現在は法定準備率の34倍の現金が銀行にあるという(日銀の発表だから間違いないだろう)。
M2の前年比増加率を見ると平成バブルの頃が約14%増→三重野元総裁の過剰なバブル潰しで2年後に前年比マイナスのレベル→97年の日本の金融危機(二大証券・一大都銀・数行の地銀が一気に破綻した年)に前年比5%増にまで膨らみ→2003年に不良政権処理の一応の収束を見て2%前後まで縮小し→2009年にリーマンショックの手当てのために約4%増にまで膨らんだ。→現在はコロナ不況の手当てのために前年比9%増にまで膨らんだ。

海外でも日本でも突発的危機が起きるとそれを救済するために財政・金融が共演で膨大な流動性を放出する、そこで流動性相場が演ぜられる、常にそういうプロセスをたどってきた。
71年ニクソンによる円高ショックを収めるための史上初で史上最大のドル買い円売りが翌72年に過剰流動性相場を引き起こし、この1年は1月~12月まで日経平均が92%上昇した。
円高ショックが一服すると同時に→過剰流動性の出口戦略をとり→株は暴落した→その9ヶ月後に第1次オイルショックでとどめを刺された。

このプロセスはニクソンによる円高という「突発的危機」を救うための過剰流動性が大相場をつくり、バブルの出口戦略という「構造的危機」によって暴落した。同じ経路は97年の日本国内金融危機の際にも暴騰・暴落は起きている。また、2008年9月突発のリーマンショックという「突発的危機」の救済のために財政・金融支援共演の流動性を放出した。

コロナ相場は永続するわけではない。宴はいつかは終わる。
コロナ収束の兆しと同時に過剰流動性が正当化されなくなり、その出口戦略が登場する→宴は一旦は調整に入る→その後は日本経済・日本企業の回復次第で本稿で言うところの「壮年期相場」(今までの「理想買い」から「現実買い・実勢買い」への移行)があり得るが、これは日本のGDPの復活と22年企業業績の50%以上の伸びが前提である。22年3月の企業業績の50%以上の増益が前提である。


【今週号の目次】
第1部 当面の市況

(1)特別の過熱感はない。在るのは高所恐怖症である
(2)五輪中止――或る政治通の話しから
(3)五輪中止は「32年に延期」へ持って行き、投資も無駄にならず人気も保てる
(4)海外投資家の眼がドル換算で見たら今は20世紀の史上最高値に並ぶ。Wトップか、または史上最高値更新かの瀬戸際である
(5)当面の市況:
(6)中長期の見方;後年「コロナバブル相場」と呼ばれるであろう今の相場はいつ迄もつか?
(7)日本の重大なコロナ対応策の誤り
(8)コロナ収束はいつ見通せるか
第2部 中長期の見方
(1)コロナショックをリーマンショックから考える――コロナショックは債券のレバレッジが効いているわけではなくバランスシートも傷んでない、よってリーマンショックより早く立ち直れる
(2)リスクとは違う「危機」について
(3)長期金利上昇に勢いがついていることに要注意
(4)グロース株投資とバリュー株投資
(5)景気実勢の悪化は続いている
(6)株価波乱要因は徐々に育ちつつある=米長期金利の上昇傾向
(7)空前の金余りはどんな材料でも強気材料とする
(8)一株当たり純利益(EPS)とPERと22年3月期の増益率を先取りすれば今年の高値はこうなる
(9)真実は一つではないが、事実は一つだ
(10)青春期相場(観念相場、理想買い)・壮年期相場(実勢買い、現実買い)・老年期相場(夢よ、もう一度)というストーリーで大局を見れば大きくはずすことはない
(11)①米上下両院は民主党が多数派を確保→②対コロナの大規模財政出動の可能性が高まった→③米景気回復期待→④ドル高→⑤円安、ここまでの読みは現実の株価として新春第1週に日米ともに現れた
(12)今年は予測不可能なことが最も大きな結果をもたらす
(13)筆者の友人;ジャーなリスト嶌信彦の便り


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
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『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』(電子書籍)
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『会社員から大学教授に転身する方法』(電子書籍)
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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