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【投機の流儀】NYダウの長期の見方──10万ドルに達するのは、あながち荒唐無稽な話しではない

第1部;当面の市況

(1)先週末の様相が語ること

週明けは、安く始まろう。
先週はイベントがいくつか重なり、また14日(金)の3ヶ月に1回のメジャーSQを控えていたので、動きが取れず25日線の攻防となって終わった。SQ値は38535円であり、一応はクリアした(SQ値をクリアできない場合は市場が荒れるというジンクスがあった)。

週末は日銀の金融政策決定会合があった。
1. 追加利上げを見送った。
2. 国債買い入れの減額を決めた。
3. その減額幅については、公表せずに先送りした。

これが思惑を呼んで、一時、円ドル相場は1ヶ月半ぶりの安値を付けた。
初めての学者出身の日銀総裁は手堅いし、シタタカだ。異常緩和からの脱出を睨んで着実に手は打ってはいるが、黒田元総裁のような「何でもやる」「躊躇なくやる」という歯切れの良さはない。しかし、一方では市場を無為に混乱させることを避けて、用心深く出口戦略を逐次進めていることになっている。
買い一巡後は上値の重さが目立ち、25日移動平均からわずかに上ではあるが、この近辺での攻防がしばらくは続くであろう。

一方、米FRBは利下げを睨んでいる。FRBは一年半で5%余の「故・三重野総裁の暴挙」を上回るような利上げを、市場をさほど混乱させることなくやってのけた後、今は日本と反対に利下げを睨んでいる。米の利下げは悪質インフレを確実に収め得たということであり、これは歓迎すべきことだ。今年は3回利下げするだろう。9月と12月の2回だろうと市場では見ているようだ。
日銀の米とは逆の「利上げ」で、これは「30年間のデフレを脱した吉兆」であるが、株式市場はそうは採らないで「利上げ=株安」と採る可能性がある。

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