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【投機の流儀 セレクション】日銀は、利上げ・利下げの判断ミスを繰り返してきた歴史がある

FRBが利下げを反復して施行することが確実であり、時間の問題である。当然、米ドル高を招く。それに対して、日銀が利上げをすれば円高を招く。当然、大幅なドル安円高になるという経路をたどることになる。ところが、日銀は今まで時々、利上げの判断ミスを繰り返してきた。

まずは、1990年の三重野康の破壊的行為だ。次に2000年のITバブルの時の利上げで、半年後にはそれを訂正して利下げせざるを得なくなった。通常の引き締めは景気過熱やインフレ加熱の時に実施される。植田総裁は「追加利上げはあり得る」とした。そうすると、景気過熱やインフレ加速が今後も続くということの言い換えになる。

日銀は利上げ・利下げの判断ミスを繰り返してきた歴史があるので、植田総裁の能力を筆者は信用してはいるが、やはり日銀が過去に判断ミスを繰り返してきたことを思えば、注意が必要であろう。

【今週号の目次】
第1部;当面の市況
(1)週末の様相
(2)「護送船団方式の市場」から「正常な市場」へ移行、ここでの銘柄選び
(3)「令和のブラックマンデー」(平成をトバシて、昭和62年の)
(4)ブラックマンデーではなく「バーナンキショック」
(5)米金利は23年ぶりの高さだが、中立の水準まで引き下げることも求められる。その水準を、市場では3〜4%と見積もっているようだ。米長期国債の動きがそれである
(6)8月5日の暴落のきっかけは0.25%の利上げ発表ではない。「今後もどんどん利上げを続けるつもりか?」という質問に対して「そうだ」という意味の回答をしたことによる。
(7)「植田ショック」は言い過ぎだが・・・
(8)二番底があるとしても、三角保合の中で行われることであろう。日本株は海外に大きく窓口を開けて、売買代金の7割をも呼びよせるようになって、言わば国際的に開かれた市場になっている。大変結構なことではないか。

第2部;中長期の見方
(1)海外投資家から日本を見れば・・・
(2)円ドル為替相場─7月・8月の161円〜141円の数年ぶりの大きな振れは140円台のゾーンが普通になってくる?
(3)コメ価格、20年ぶりの伸び
(4)海外筋から見た日経平均株価─ドル建てで見た日経平均は5ヶ月ぶりの高水準で推移している。
(5)物価目標を「2%」と決めずに「幅を持たせて金融正常化プロセス」を、多少なりとも円滑にする方が良い。
(6)あまり成長性がない株でも、異常に割安ならば買ってみようということになる。
(7)全快には半年以上かかると見ていた方が良いだろうが、リーマンショック当時とは比較対象が全く異なる。
(8)金融正常化はメガトレンドの変化を裏付けるものであるから良いことであるが、「利上げ=株安」というデフレ時代の思考方法が未だ浸透している以上、波乱の種になりかねないことは事実だ。
(9)日銀は、利上げ・利下げの判断ミスを繰り返してきた歴史がある。
(10)世界最大の年金ファンドGPIFの動き

第3部;自民党総裁選
(1)票田をマーケットに例えれば、政治家の商品価値はその政策論とその遂行能力にある。
(2)総裁選について─石破茂氏・小泉進次郎氏・河野太郎氏 
(3)表向きは中立を標榜している新聞が自社の新聞の読者だけの人気でもって、とんでないことを言い出すのはよろしくない─日経における小泉進次郎氏の一番説

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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