見出し画像

【投機の流儀 セレクション】ウクライナ緊迫感、株式市場を揺るがしたが動揺は峠を越えた

ウクライナ問題は本稿で再三述べてきた。また述べるが、米露の情報戦はどこまで信用していいか判らない。レーガンとゴルバチョフとのNATO不拡大の約束は本当はなかったという話しもある。ところが、そんな事の真相を突き詰めてもあまり意味はない。我々は株式相場に対する影響を見ている。ウクライナの緊迫感はまた株式市場を揺るがす可能性はある。特にPERの高いものが売られる可能性がある。マザーズ指数は年初から30%以上下げた。成長株の下落が目立った。著名なもので言えば、リクルートの週間下落率20%(PER30倍)、キーエンス下落率11%(PER44倍)、野村総研下落率8%(PER33倍)、ソニー下落率6%(PER17%)といった具合である。
ウクライナ情勢は現地から遠い日本株にも重荷になっている。ウクライナで日経平均は600円下げて先々週は終わった。先々週は週初の14日に600円以上を下げ、翌日に2万6,000円台に落ち、緊迫化への警戒が高まったのがきっかけだった。15日には3日ぶりに600円を反発し2万7,000円を回復したが、もちろん本格的な立ち直り相場ではなかった。週間で下落が目立ったのは、電機やサービスなどの成長産業であった。
ウクライナ侵攻が実際に起きたとしても、直接的な業績下押し圧力が大きく生まれるわけではない。市場が懸念するのは資源高を通じた物価上昇圧力である。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況

(1)期間限定だが強気見通し
(2)本格上昇が踏み上げから始まった例もあるが、今回は違うであろう
(3)土日をリスク視しての売り方の手じまいによる小型の踏み上げ相場
(4)中期的に言えば安心できない。「悪い形のインフレ」に「悪い形の円安」
(5)米FRBは3月に0.5%利上げをする
(6)落ち着きどころはどの辺か
(7)中期的な趨勢から見ると3月安値があれば絶好の買い場か
(8)金利が上昇しても株価は上がり続けるという状態はイエレンFRB議長だったから出来た
(9)インフレ見通しに失敗したパウエルFRB議長、焦って急激な利上げをすれば景気腰折れ、NY株価下落もあり得る
(10)東京の短期金融市場で異変、来年利上げを織り込む市場
(11)ウクライナ問題
第2部 中長期の見方
(1)パウエルFRB議長の失敗
(2)ウクライナ問題
(3)ウクライナ緊迫感、株式市場を揺るがしたが動揺は峠を越えた
(4)ウクライナ問題の見方
(5)ウクライナ問題よりも米国景気の先行きを心配している
(6)本社を三大都市以外(地方と呼ぶ)に置く企業の割安感が目立つ――「新しい潮流に目を凝らそう」「時代の変わり目、革新は地方から」
(7)岸田総理に対する市場の見方と世間の見方
(8)岸田氏に本当のビジョンがあるのか?
(9)銅相場は時として株式相場に先行する場合があり、国際的な商品であるから一応注目しておく必要がある
(10)重大問題だ!!「新しい資本主義」とは何か?
(11)「逆境の先を見据え、ピンチをチャンスに変えた投資家は多い」
(12)「日本株に有利な米インフレ局面」
(13)友人のジャーナリスト嶌信彦通信(2022年2月14日 vol.299)


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
https://amzn.to/2AebYBH
『投資で勝ち続ける賢者の習慣』
https://amzn.to/2vd0oB4
『投機学入門 不滅の相場常勝哲学』(電子書籍)
https://amzn.to/2AeQ7tP
『会社員から大学教授に転身する方法』(電子書籍)
https://amzn.to/2vbXpZm
その他、著書多数。以下よりご覧ください。
https://amzn.to/2va3A0d

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?