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【投機の流儀 セレクション】日本の「稼ぐ力」は減ってはいない

 2022年度の日本の経常収支黒字が減少した。これは企業で言えば、稼ぐ力が減ったという意味だが、これだけ日本が稼ぐ力が衰えていると見るべきではないというのが本稿の意見であった。

稼ぐ力を使って消費する分は、貯蓄とは違って経済の流れの中にある。貯蓄は経済の流れから漏出(経済学用語)である。「稼ぐ力」は「使う力」が減れば、経常収支は黒字になる。

しかし、「使う力」を減らして経常収支を黒字にしても、それは縮小均衡だ。日本の経済を表現する企業の力は独自の技術を培ったり、独自の商品を開発したり、既存のものを新しく組み合わせて新しいものにしたり、色々と工夫して売上高を増やし、株式の時価総額を増やし、優れた業績を上げる企業が多くある。また、こういうものが増えつつある。

こういうものの集積が、日本の「輸出力」や「輸入力」になる。その差額が経常収支になる。 だから、経常収支が一時的に減ったからといって稼ぐ力が減っている、日本は衰えつつあると
考えるのは、正しい思考経路ではないと思う。

【今週号の目次】

第1部;当面の市況
(1)市況コメント
(2)週末の日本市場の様子
(3)当面の市況をどう読むか?
(4)日経平均では語れない相場
(5)マザーズが2ヶ月ぶりの安値、グロース市場の主力銘柄の下落
(6)一つの尺度だけを重視することは、市場を歪めてしまう。
(7)米FRBは長期の利上げ可能性を示唆、利下げは24年も視野には入らない。
(8)7月後半のNY連続高

第2部;中長期の見方
(1)2024年、米国の大統領選挙
(2)9月に一段の緩和修正に動くという見方は少なくなっている。
(3)先々週の話しだが、日銀は7月27日〜28日の金融政策決定会合で長期金利の変動許容量を事実上1%まで引き上げた。
(4)米経済の軟着陸(ソフトランディング)は可能か?
(5)「三田の関所」
(6)IMFは世界経済見通しを変更
(7)台湾有事について─その1
(8)台湾有事について─その2
(9)来日旅行者の急増がもたらすメリット
(10)「日本版401k」的な方向に、動きが盛んになってきた。
(11)日本の「稼ぐ力」は減ってはいない
(12)「連合」は旧総評の勢いを持て
(13)米中関係にユダヤ人が活躍
(14)アラブにおけるアメリカ人気と中国の限界
(15)九星鬼学と干支から見た今年来年縁起

第3部;読者との交信欄

第4部;僭越ながら一言─投資判断を誤る心理の罠

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi


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