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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
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2019年1月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】プロを真似るな、プロは損している

標題のことは拙著で何回か述べた。そして世界に8000本(執筆時には7000本と言われていた)有るヘッジファンドの平均寿命は3年半であるとも述べている。利益を出して解散しているところも一部分にはあるが概ねは破綻による解散である。したがってプロだから優れているとは限らない。冷静な心境でこのことだけは弁えておかねばならない。「プロさえ困惑する機械取引」という表現が日経ヴェリタス紙で使われているが、プロというものはそんなに大したものではないことを承知の上で読み取れば、要するに、機械取

【投機の流儀 セレクション】日銀の債務超過・上場廃止の恐れと黒田総裁の帯びる悲劇性

この件については「今は誰も言っていないが」と述べながら筆者が1年前から何度か本稿で述べてきた。 ところで、1月16日(水)の日本経済新聞のコラム「大機小機)」でまったく同じことが述べられている。以下引用する。 「株価下落によってバランスシートが最も傷つく日本の銀行は、日銀だ。日銀が保有するETFは昨年末時点の簿価で23.5兆円(筆者は既報で22兆円超と述べたと思うが、23.5兆円に修正する)。自己資本が8.4兆円(筆者が既報で8兆円と述べたが8.4兆円に訂正する)。だから、極

【投機の流儀 セレクション】今年10月の消費増税は日本経済を破壊する。但し大幅な財政出動で景気刺激すれば株価は中間反騰でも大幅に反転する

過去3回消費増税をした、その時は国内景気は好調であったし、国際問題も大きな問題はなかった。それにもかかわらず消費増税後はGDPが減った。ましてや今年は戦後最長だった記録を更新する好景気はピークアウトし、消費増税の頃は既に後退期に入り、「収縮期」に入る寸前かもしれない。 安倍首相がモリカケ問題で財務官僚に借りがあるからその借りを返すために増税を生き甲斐としている財務官僚への恩返しを含めて消費増税を強行すれば、今までの3回と違って景気後退期における増税であるから日本経済を決定的

【投機の流儀 セレクション】アベノミクス相場の正味6年間の「完結編の儀式」は一応済んだ。今後は「実勢悪を売る時代」になる

昨年秋の中間選挙の後、「日米の株は高かったがその持続性には疑問符がつく」と2週間続けて述べてきた。中間選挙の後は2年後の大統領選挙に向けて 政権側が景気対策を打ち、株高に関心を向けさせるために景気敏感株が高いことが今までの傾向であった。トランプ政権は景気が好調であるにもかかわらず、大型減税を繰り出してきた。その反動で19年以降は景気は確実に減速する。トランプは好景気にもかかわらずインフラ投資で財政出動の大盤振る舞いで景気を刺激してきたが、インフラ投資は民主党も取り組みたい政策

【投機の流儀 セレクション】「フィジカルからデジタルへ」――企業が貯めこんだカネと個人金融資産

企業が使わずに内部に貯めているお金、それは400兆円を超えるというから時価総額の約8割に当たる。この巨大な資金が設備投資にも人件費にも開発費にも使われずに内部に現金として残してある。これは当初は単純に、20年間に及ぶ貸し渋りに懲りて、最終的には自分で金を持っていなければダメだと経営者が思い込んだからと筆者は思っていたが、そうでもなさそうだ。 企業が資金を使わなくなった背景には、設備投資というものから広義の情報というデジタルなものに産業構造の変化があるからであろう。企業の設備投