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【投機の流儀 セレクション】プロを真似るな、プロは損している

標題のことは拙著で何回か述べた。そして世界に8000本(執筆時には7000本と言われていた)有るヘッジファンドの平均寿命は3年半であるとも述べている。利益を出して解散しているところも一部分にはあるが概ねは破綻による解散である。したがってプロだから優れているとは限らない。冷静な心境でこのことだけは弁えておかねばならない。「プロさえ困惑する機械取引」という表現が日経ヴェリタス紙で使われているが、プロというものはそんなに大したものではないことを承知の上で読み取れば、要するに、機械取引の本流にベテラン投資家が常識で通じない不気味さを述べている。不可解な値動き、不気味な怖さはこれを言う。1月3日の早朝に円が急騰して一日で104円を付けた、翌日に108円に戻った、為替のデイトレーダーが慌てるだろう。こういうものに対する深追いは禁物、相場の常識が通じない世界には入らない、多少カジッテみるのは神経を磨くためや暇つぶしには結構なことではあるが決して深入りはしない、これが本稿の基調である。「多少はカジル」というのはどの程度を言うのか、この質問にはこう答えるしかない。
投資資金の何割という数字には答えられない。
投資家の人生観や人生の持ち時間や、大げさに言えば投資哲学、生活感情等に直接触れてくる、故に人によってそれぞれ違う、1割でも大きすぎる人もいるし3割でも平気な人もいよう。筆者なら1割なんてとても大きすぎる。
ジョージ・ソロスが講演でも著書でも必ず「私の言う通りにやるから成功するとは限らない」と述べているが、筆者も同じことを言いたい。

【今週号の目次】
(1)当面の市況
(2)史上最長に及んでいる国内景気はもうしばらく続く
(3)短期景気循環の底入れと中間反騰、しかし至難の国際協調
 ○上記とは真逆の指標も出ている。
 ○日本電産の一転減益が意味するもの
(4)国内外に不安心理の後退
(5)「『不況下の株高』の予兆」
(6)昨年は好悪両材料の山積みだったが、今年は懸念材料が残った
(7)円高再来を警戒
(8)再び「魔の10日連休」に付言
(9)英EU離脱による英経済崩壊シナリオがあり得るか
(10)深まる「分断」
(11)トランプラリーの「行ってこい相場」の意味するところ
(12)プロを真似るな、プロは損している
(13)「想定外」か「想定内」か
(14)投資家は「トレンド」を追うが今回は「レベル」について述べる
(15)「機械」に乗っ取られたか株式市場
 ○「イイモン」としてのAI
(16)「財政のガケ」、長期化した米国政府機関の一部閉鎖、これが意味するもの
(17)「外交の安倍」の蹉跌
(18)ソロス氏、中国のAI・機械学習技術に強い警戒感
(19)平成の30年間をざっと振り返る

【お知らせ】
「投機の流儀 セレクション」のアーカイブは、電子書籍の紹介サイト「デンショバ」にてご覧になれます。
デンショバ
http://denshoba.com/writer/ya/yamazakikazukuni/touki/

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。

ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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その他、著書多数。以下よりご覧ください。
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