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投機の流儀 セレクション

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メールマガジン配信大手の「まぐまぐ」で好評を博し、堀江貴文氏(ホリエモン)と並んで2年連続「メルマガ大賞」を受賞、殿堂入りした週報「投機の流儀」。 人生の前場をセルサイドとして、…
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2018年10月の記事一覧

【投機の流儀 セレクション】さて、ここから先が賢愚を分ける

さて、ここから先が賢愚を分ける 大相場の終焉というものは各回が前例を辿ることが多い。 直近の大相場「小泉郵政改革相場」を見れば、07年7月の大天井から同年8月17日までの下げは▲16.3%(値幅▲2,988円)、これを機械的に今回に当てはめれば、次のようになろう。 10月2日大天井からの▲16.3%=20,314円≒3月26日ザラバ安園20,347円となって目先のダブルボトムとなる(終値ベースとザラバとを使った)。 先週末ザラバ安値は20,972円だった。 即ち、大天井

【投機の流儀 セレクション】「グローバル・システミック・リスク」「世界のカオス化」を予言する“欧州の知の巨人”

この項目で要約するのは「欧州の代表的な知性」とされているジャック・アタリの著書の要約である(「新世界秩序」ジャック・アタリ著、作品社、2018年刊)。 彼は仏ミッテラン政権の大統領特別補佐官の頃から筆者は関心を持っていた。 欧州復興開発銀行の初代総裁であり、経済学者・思想家として一目置いてきた人物であった。 彼はこう言う。 2030年においてであるが、世界秩序は大きく転換する。 その理由はアメリカ発の孤立主義にある。 アメリカの同盟国は安全保障の上で重大な危機に直面する。

【投機の流儀 セレクション】大相場に付きものの不動産価格上昇の終わりの始まりか

日経平均の不動産株は週末の日経平均がプラスに応じた現象に反して、主力不動産株は全部安かった。 特に家賃収入が相対的に少なく積極的活動を旨とする東急不動産や野村不動産は年初来安値を更新した。 家賃収入が相対的に多い三菱地所や三井不動産も下降傾向にある。 背景にあるのは米長期金利の上昇を受けた金利先高観が根幹にあるが、一部の新興企業で融資資料の改竄が発覚したことなどで不動産株全体に敬遠ムードが広がった。 こうしたことは大相場の終末に起きがちなことだ。 【今週号の目次】 (1)

【投機の流儀 セレクション】今はバブル的要素はないが、過去から学ぶこと

かつてグリーン・スパン元FRB議長は「根拠なき熱狂」(Irrational Exuberance)と警告し(★註1)熱狂するNY相場を一時落ち着かせたあと、配下のエコノミストに命じてバブルを定義させようと探究させた。 その時たたき台になったのは、日本の平成バブルとその崩壊であった。 当時の仮の結論は「バブルは崩壊して初めてバブルと断定できる」(この言葉は後に日本で有名になった)。 またはグリーン・スパン自身は「潮が退いた後でなければ誰が素っ裸で泳いでいたかは判らない」と言っ