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テレビ番組「つまずく夜は」感想/いつしか夜が明けるまで

端書き


 もうすぐ、私が楽しみにしている番組が終わります。その番組は「つまずく夜は」、朝日放送テレビで毎週日曜深夜放送ですがTVerなどで配信しているのはありがたいですね。しかし、前述の通りこちらは4月から6月の1クールなので次回6月26日放送回が最終回、6月19日はスポーツ中継で休止故の編成でした。
肝心の番組紹介を忘れていました、ジャンルとしてはバラエティ番組であるもののしっとりしています。司会は漫才師である令和喜多みな実の野村尚平さん、アシスタントはドラァグクイーンのベビーヴァギーさんとゲストの三人での鼎談が15分間放送される構成で、その内容は哲学、と言っても範囲は世界規模ではなくて個人に突き付けられる哲学でした。以下は放送内容紹介です。

第一夜・普通

第二夜・愛とセックス

第三夜・他人の言葉

第四夜・世論

第五夜・東京

第六夜・人に気持ちを伝えること

第七夜・親

第八夜・自己肯定感

第九夜・怒り

最終回・執筆中は未放送

 しかし、番組の醍醐味はこれだけではありません。番組連動ラジオ「つまずく夜は あとがき野村尚平」がこちらも朝日放送ラジオで毎週月曜深夜に放送されています。テレビでの放送後に付随する話を野村さんが語り、勿論他のラジオ番組の通り感想やコーナーも募集して番組が進んでいきます。私も2回採用されました。こちらは30分番組で残り放送回は2回ですが、聴取範囲外の方はradikoプレミアム会員になってから聴いてください、違法手段はくれぐれも控えましょう。
 端書きの最後に、番組テーマソングであるくるりの「言葉はさんかく こころは四角」も味わい深いです。

この感情、置き去りにしない

 さて、私はこの番組を視聴&聴取して本当に良かったと心に刻んでいます。私は生まれてこの方「生きづらさ」と二人三脚故、それについて立ち止まって考えようとしました。けれども、それは自分だけでやっても上手くいくことなく周りに合わせることで自分の本心から距離を置き、自分を騙して誤魔化して見向きもしなくなりそれが当たり前と生きようとしたら精神を病んでしまったのです。病院で「不安障害」と診断されてからこの番組が開始して忘れていた自分の生きづらさ、精神科での通院とはベクトルは違いますが快復へのリハビリがてら番組を通した一週間を過ごすようになりました。

野村さんへの感謝

 まず、この番組の司会である令和喜多みな実の野村尚平さんには計り知れない感謝の意を述べたいです。元々、令和喜多みな実は旧コンビ名プリマ旦那の時から応援しています。しかし、今の野村さんは芸人のみならず劇団主宰・俳優・オンラインサロン等の活動をしているけれど私は全てを追い掛けられていません。端的に言い表すと「あらゆる余裕がない」につきますが、それは本当は「怠惰」かもしれないと思い浮かぶのは許されるのでしょうか。
それでも、漫才中の時めきのような色めきのような恍惚感に浸る感触を番組でも体感しました。野村さんの声色、拍、語彙力それぞれが人を酔わせるもの、この感情は何なのか一言では書き切れませんが、いつか直接言う予定の「この番組で野村さんにも向き合えるようになりました」と言う気恥ずかしい感謝の意をここでお伝えします。

この夜に立ち止まる

 私は「普通」ではなく障害があり、「恋愛」は自分の駄目な部分で失敗に終わり続け、「他人の言葉」にビビる程臆病で、それでも「世論」に流されないようと考えて、「東京」生まれだけど生活した記憶は無く、「人に気持ちを伝えること」が大の苦手の、「親」と歪な関係性のまま同居し、「自己肯定感」なんて低いの一言で済ませ、「怒り」に振り回されてます。全てが私の救済にはなり得る訳でないけれども、独りぼっちで卑屈になっていた自分を止めてくれました。
第一夜から自分の想像の範疇を超えた展開であり、ラジオはテレビで放送した内容のディープな話題に突入、それは傘やレインコートと言った防御手段が無く大雨にびしょ濡れで不安のまま立ち竦む時に雨が上がるまで過ごせる店が番組全体で、テレビはカウンター席ならラジオは奥にあるテーブル席或いは個室としてのイメージを描く立ち止まれる夜があるのは今の世の中にとって大事ではないでしょうか。しかしながら、いずれ放送終了すれば埋もれてしまうのは勿体ない、何とかして継続してもらいたいです。

後書き

 さて、ここまで感想を書き連ねましたが、どうしてもテレビやラジオの限界を感じてしまいます。放送時間、放送期間が短くてあっという間に終わってしまう寂しさ、言いたいことが全て放送できない現代の狭さも私に伝わってしまいました。けれども、今でこそ配信文化が発達したライブはそれでも限定性が高い故にテレビやラジオの持つ広汎性は手放せませんね。出来る限り多くの人に伝わるべき番組と私は捉えています。

 それはいつか夜が明けるまでのお供だからです。

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