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【固い・堅い・硬い】とあるひよっこ漫画の校正・校閲者の独り言・2日目

私はとある漫画編集部の校正・校閲業務を担当している。
日々取り組んでいる仕事の覚え書きとして活用させてもらう。

今回は「固い・堅い・硬い」の違いについて考えてみたいと思う。

私は前回、「おかたい文章」の「おかたい」が「お固い」なのか「お堅い」なのか「お硬い」なのか悩み、結果「お硬い」を採用したのだが、なぜそうしたのかの過程を記したいと思う。

私が使用している、講談社校閲局編「日本語の正しい表記と用語の辞典 第三版」を開くと

固い〔「柔らかい」の対語〕
堅い〔「もろい」の対語〕
硬い〔「軟らかい」の対語〕

うーん、わかるような、わからないような…。
さらに辞典を読み込む。

固い→外から力を加えても形が変わらないくらい全体が強い
堅い→中身が締まっていて砕けにくい。
硬い→十分に練れていない。こわばった様子。

うーん、これを読むと「固い」は外れると思われる。
残すは「堅い」と「硬い」。

「堅い」の用例→意志が堅い、身持ちが堅い、義理堅い…など
「硬い」の用例→硬い表現、硬い表情、話が硬い、態度が硬い

用例から、私は「おかたい文章」は「お硬い文章」という結論にいたった。

ただ、「堅苦しい」は「堅」が使われる。
……。ニホンゴムズカシイ。



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