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【感想】TOUGH外伝 龍を継ぐ男 BATTLE.355 ホワイト・ナイト・バトル

格闘漫画の定石だ、唐突にトーナメント展開が始まったりする…。


◆前回までのあらすじ

ガルシアの心臓確保の命を受け、日本に訪れた米国特命捜査官スタンプ・ハウアー。悪魔王子はかつて自身を捕獲したスタンプと密室内で激戦を繰り広げるが、隙をついて逃走…行方をくらました。一方、R国によるU国侵攻によって不安定となっていく世界情勢、一格闘家に過ぎない熹一と龍星には無関係に思えたが、そんな2人の前に突如、悪魔王子を取り逃がしたスタンプが現れ、こう告げる…「関係ないって…?そうでもないよ」と。


◆ヴィクトル・グループ

スタンプは今回のU国侵攻において、最前線で戦っているPMC(民間軍事会社)のヴィクトル・グループと鬼龍が裏で繋がっており、熹一と龍星にも関係があることを告げる。
熹一「ちょっと待てや オッサンは何者や?だいたい鬼龍が誰の世話になろうがワシらにはなーんも関係ないわ」
いきなり話しかけてきたスタンプが何者かと問いつつ、鬼龍が誰と組んでいても関係ないと言い捨てる熹一。

そんなもんどうぞご勝手にって感じなんですけど(by 熹一)。
マジで関係ないんだよね、すごくない?
最近の熹一は正論おじさんと化しとるわ。静虎と尊鷹もこのスタンスでいてくれたら(あの迷惑おじさんも)もうちょいマシになったんとちゃう?

警戒する熹一と龍星に対して、スタンプは自己紹介と自身の目的がガルシア11号(=悪魔王子)確保であることを伝える。

スタンプは一貫して"ガルシア11号"呼びなんスね。正直、今週で普通に悪魔王子って呼び出すと思ってたわ。というか熹一と龍星もガルシア11号ですぐにピンとくるんだ…2人とも知ってたっけ?


◆悪魔王子もR国へ

スタンプ「残念ながらアイツはもう日本にはいないだろう 外交官ルートを通じて極秘にR国に入っている」
スタンプ曰く、前回 吉祥寺駅から逃亡した悪魔王子は既に国内におらず、R国に入国しているらしい。

私は【①雨の木なコーヒーで昼食→②井の頭公園で悪魔王子に遭遇→③吉祥寺駅 密室での闘い→④悪魔王子逃亡→⑤今週の話】が一日の出来事だと思ってたんですけど、これ違うんスか?
④⑤の間に半日か1~2日くらいの間が空いてるのん?海路で行くならウラジオストク港までだったら2日でいけるっぽいけど…さすがにプライベート・ジェットか。しかし…そうだとしても熹一と龍星がいつもベタベタ一緒にいることになるんですが。

龍継の時系列を真面目に考えると頭がおかしくなりますね。

龍星「それじゃあ あなたもアイツを追ってR国へ行くんですか?」
スタンプ「そのつもりだ できれば君たち二人とも一緒に行ってもらいたい」

龍星の問いに対して、自身も悪魔王子を追ってR国に行く予定だが、なんとそこに熹一と龍星の同行を求めてきた。現在は渡航制限がかかっていることを気にする龍星だが(気にする所そこじゃないだろ…)、そこは米国が日本政府にかけあって特別に出国させるから「マイ・ペンライ(大丈夫)!」と言うスタンプ。

そんなもんどうぞご勝手にって感じなんですけど(2回目)。
なんか(不)自然な流れで2人のR国行きが決定しそうなんスけど、いいんスかこれで? 同行を求めたのが"君たち二人"なあたり、リカルドと静虎はお留守番かぁ。リカルドはR国に狙われているから分かるけど、めちゃくちゃ身内の静虎は連れていってくれよ…。

そして安定の米国と日本政府の力関係…忠犬としての悲哀を感じますね。


◆"ホワイト・ナイト・バトル"

スタンプ「渡航目的はヴィクトル・グループが主催する総合格闘技の大会に出場するため その名も"ホワイト・ナイト・バトル"」

R国内で開催される国威発揚型の総合格闘技大会。自国と西側諸国の選手が参加となるが、西側諸国の選手は実力そこそこ、ネームバリューだけである者たちが集められ、自国の選手は強力な格闘家をそろえ、圧倒的勝利を観客に見せて国民の溜飲を下げる大会。
さながらR軍対NATO軍の格闘技戦争(代理戦争)。

よく分かる"ホワイト・ナイト・バトル"

スタンプは今回、2人をR国へ渡航させる目的はこの大会への参加だと説明する。

う あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ(PC書き文字)
格闘漫画の定石 トーナメント展開だぁーーーー!!

さんざん大国同士の争いにどうやって関わっていくんだよ えーーっ と言われ続けてきた"あの男"展開。まさかこんな形でねじ込んでくるとは…。
怒らないでくださいね、別にU国侵攻がなくても大会展開に持っていけましたよね?一国の長から大国間の軍事紛争まで、自分の漫画の展開の1ピースでしかないとは…げに恐ろしき猿渡先生。

スタンプ「しかも"あの男"が来場するのはほぼ間違いない 」
また、大会では"あの男"に接触のチャンスがあるというオマケつき。無類の格闘技好きで有名な"あの男"は確実に現地に訪れるらしい。

大会はいいんだけど、"あの男"うんぬんは熹一と龍星にマジで関係ないと思われるが…。当たり前のように"あの男"について喋っているけど、2人にとっては「「"あの男"…?」」なんだよね。
いかん、話の流れに飲まれている。

スタンプ「ただし(国威発揚型の大会なので)他国の選手にはドーピング検査を厳しくし計量やレフェリングも不利なものとなるだろう」
加えて西側諸国の選手はかなりアウェー状況におかれ、そういう意味では危険な闘いになるだろうとスタンプは警告する。

しかも階級制なのかよ…。まぁそれは今だけの話で、大会本編では2m 越えの巨人とも闘うハメになるんでしょ、知ってる。
リカルドは…ツーアウトってとこか(体重・ドーピング)。
(漫画的には)あんましアンフェアな展開だとバトルが盛り上がらないからほどほどにして欲しいですね。どうなるか分からんけど。


◆参戦

熹一「あんたはさっき悪魔王子を追うって言うてたけど その大会にはあいつも出場するんか?」
スタンプ「ああ…特別枠での出場を計画しているらしい」

そして、R国へ逃亡した悪魔王子もこの大会に出場予定らしい(何故そんなことまで分かるんだ?)。熹一は鬼龍もボリスも今回の件に関わっているのか聞くが、さすがに米国もそこまでは分からない様子。

悪 魔 王 子 "ホワイト・ナイト・バトル" 参戦!

いやなんでやねんっ!なんで「当然ですが…」みたいなノリで悪魔王子も参戦してるんだよ。一応R国にいるのは米国も迂闊に手出しできないからという事なんだろうけど、◆この大会に参加する意味は…!?
"あの男"に媚売る目的としても、特別枠選手が勝って喜ぶのか?

龍星「僕は参加したいです これまでこんな大きな大会に出場したことはありませんから」
色々とキナ臭いが龍星は乗り気な模様。横からノリノリで参加を希望する。

おいコラ龍星、お前なに余計なこと言ってんだ、あん?
でも龍星って元々暗黒武闘会にホイホイ参加したり、こういう奴だったわ。

熹一「ワシは腹が出てきてゆるい生活になれとるからな そんなきつい試合は…」
龍星「…」
熹一は妊婦のように膨らんだ腹をさすると…
熹一「出るに決まってるやんっ 1か月あったらギンギンの防弾腹筋つくったるッ」
(嬉し)涙を流しながら参加を表明する。

2人とも格闘バカやったわ…(呆れ)。

あと、ボリスとの闘いからどんだけ太ったんだキー坊。あの時はまだ腹筋割れてたよね?前回のポヨンはギャグ演出だと思っていなのに…。

熹一「(古臭いと笑われるかもしれんが限界のその先は"努力"と"根性"で成し遂げる どないな優秀な遺伝子も甘やかせば素質は目減りする)」

出典:猿渡哲也『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』第347話

滝の前で精髄破滅拳の修行をしていた頃のキー坊どこへ!!!

2人の参加目的が「ワクワクするやん」だけなのもヤバい、KOFかよ。
まぁ2人にとって、
・悪魔王子←絡んでくる面倒臭い奴、どーでもいい。
・鬼龍とボリス←絡んでくる面倒臭い奴ら、どーでもいい。
・あの男←誰?
だから仕方ないけど。
スタンプ、2人がアホで良かったな。

そもそもPMCが主催して選出してるのに何故CIAが日本代表として熹一と龍星を送り込めるんだ?
西側諸国の選手は知名度だけの雑魚ばっか選んでいるって話なのに、知名度0のインチキ古武術家(ファーガソン書き文字)の2人が参加できる…ここらへんが妙に引っかかってモニョるんだよね、今週。


◆熹一VSスタンプ

2人がホワイト・ナイト・バトル参加に同意すると、スタンプは2人を日本代表として、CIAが全面協力することを約束する。すると…、
熹一「けど一つだけ確かめたいことがある」
スタンプ「ん?」

突如、「あんたの実力を試したい」とスタンプに向かって殴りかかる熹一。スタンプもすぐさま応戦し、激しい打ち合いとなる。
だが、それも長くは続かず…熹一の打撃はすべて撃ち落とされていき、一瞬のスキをついて、悪魔王子の中段蹴りによって骨折している脇腹をスタンプの拳がとらえる。
熹一「ぐあっ あだだワシはここを怪我しとるんやぞ」
小手調べのつもりで始まった闘いは中断。悪魔王子による脇腹へのダメージは深刻で、それによって動きが悪く、全て読むことができたとスタンプはフォローする。

負けたんスか?(鯱山書き文字)
熹一のデバフが酷いとはいえ、スタンプ強すぎる。自分から挑んでこれはダサいを超えたダサい。
このスタンプと互角にやり合えたあたり、悪魔王子ってガチで熹一の中段蹴り効いてなかったみたいですね。まずい、猿渡先生がまたキー坊愚弄モードに入っている。

熹一「きーめた 悪魔王子を倒したら次はお前をぶちのめす」
スタンプ「いい心がけだね(ニッコリ」
熹一は悪魔王子を倒したら、万全の状態でお前と闘うと誓う。それに対してスタンプは笑顔で了承し、熹一と龍星の2人はいざR国へ!!

スタンプ、負傷した目が怖いけど表情はめっちゃニコニコなんだ。
目はこのままでいくんかな?痛々しいからはよ治してほしい。

あと、ついにR国に行くことになったけど、静虎とリカルドはどうなるんやろなぁ…。
静虎&リカルド「「あれ?熹一(さん)と龍星(くん)は?」」
CIA 「ごめ~んR国に行っちゃった」
静虎&リカルド「「えっ」」

◆いざ、二人はR国へ…!! ← キー坊が1か月で腹戻すって言っているけど、大会は1か月なんですか?どこにも1か月後に大会なんて記述がなかったんですが…なんかもう色々と訳分かんねーよ。


◆まとめ

ゴングを鳴らせっ トーナメント展開の開始だっ。
不思議やな…格闘漫画においては在り来たりな展開のはずなのに、今は謎の安心感を覚えるのはなんでや?多少強引だけど。
(懸念事項としては参加者がファーガソン以下の可能性なんだよなぁ。彼一応、世界最高峰の総合格闘技団体のランカーだったよね?)
今回のR国へ向かう流れ、スタンプが2人を大会に参加させる事と、悪魔王子がホワなんちゃらに参加する流れが一切繋がっていないように感じるのだが…なんか話のノリにまるめ込まれた感がすごいですね。
ここでトナメが始まる当たり、猿渡先生は"あの男"に飽きてきた可能性も考えられる。

そして、スタンプ・ハウアー…マジで強いね。負傷しているとはいえ、メカ無し・移植無し・異常体質無しなら最強なキー坊が軽くあしらわれるのはちょっとヤバい。
こいつが強いと相対的に悪魔王子の株も上がるし(一度目の捕獲の時は幻魔拳無し・心臓覚醒状態じゃないから当然として、今の強化された悪魔王子と闘っても互角なのすげー、一度目の時は力の差ありすぎですね)。
味方パーティ入りではないようだけど、便利な案内役ポジションに落ち着くのかな?

ちなみに今週が合併号だったので来週はありません(白目)
は?来週月曜は祝日じゃないやろ…どういうことやプレボ?


◆余談

こっから吉祥寺ロケーションが消えて、グーグ・ルマップによるR国ロケーションになるんですかね?聖地巡礼不可能。


出典:猿渡哲也『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』第355話