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【感想】TOUGH外伝 龍を継ぐ男 BATTLE.354 密室での闘い

今更なんですが、灘VSバスターズ戦でマーフィーかオーエンスミスを外してスタンプを鬼龍おじさんか龍星に当てたら勝ってたと思いません?灘側全勝しないと負けなルールだったし。
スペンサー長官のあほ。


◆前回までのあらすじ

ついに動き出した"あの男"。R国はU国への侵攻準備を始め、その裏では鬼龍とボリスが打倒"あの男"に向けて暗躍していた。悪化の一途をたどる世界情勢の中、一武術家に過ぎない熹一と龍星、米国に追われる身の悪魔王子…一見無関係に思えるそれぞれの物語が交錯していく。


◆追跡者

悪魔王子「フン 俺は100mを10秒で走る…秒速10m 時速36kmだ」
スペンサー長官によって国際指名手配され、警察に追われる身となった悪魔王子。その自慢の走力を活かし、一旦は追手を撒くことに成功した。

確かに100m10秒はすごいけど…なんかこう、コンクリートの壁破壊したりフーバーダム駆け上がりが可能な世界観のキャラにしては普通っスね。
それにTOUGHの静虎は200m10秒台で走りながら4000m4分半切れるんスけど…いいんスかこれ(つーかオトンほんとに人間か?)
鉄拳伝だとガルシアが走って車に追いついているし、ガルシア28号も時速100kmのトダーが追いつくまで少し時間があったんだよね。身体能力の設定が急にデフレしたなぁ。

悪魔王子「この国で俺を捕まえられる奴がいるのか……!」
スタンプ「ようっ ガルシア11号」

しかし、逃げ延びた先には米国の特命捜査官 スタンプ・ハウアーが待ち伏せしていた。
スタンプ「俺は"悪魔王子"なんて洒落た名前では絶対呼ばないよ」
何故ここにスタンプが!?と驚く悪魔王子は踵を返して再び逃走する。

悪魔王子が洒落た名前かどうかは置いといて…なんかこの2人、過去に面識があるみたいですね(後でわかるけど)。
あの悪魔王子が一目散に逃げを選択するあたり、かなり格上っぽい。あと、スタンプの服装がスーツ&シャツスタイルなんですけど、靴がトゲトゲ・デザインのものを履いててちょっと意外。これルブタンだよね?
ブランド物だし、オシャレ&いざという時は武器にもなりそうだから履いているのかな?

~今回の聖地巡礼ポイント①~

みんなもここで「ようっガルシア11号」ごっこ しよう!(提案)

悪魔王子「どうやら本気で俺の心臓をとりにくる気か だがここは日本だ 銃は携帯していないはず」
吉祥寺駅までたどり着いた悪魔王子はエレベーターの中に逃げ込みながら冷静に現状を確認する。

・米軍の秘密基地(エリア52)建設
・D-51やトダー、メカ・バードがその辺に解き放たれている
・トマホーク・アームを装備したバッキー
・高出力レーザー・カーが普通に公道を走ってる
・露の特殊部隊配備
ここまで他国がやりたい放題しているタフ・ワールドの日本(敗戦国の悲哀を感じますね)で今更過ぎる発言なんだ。
普通に銃くらい携帯しててもおかしくないだろっ いい加減にしろっ。

スタンプ「ガッ)久しぶりだなガルシア11号 俺に捕まるのは今日で2回目だな」
一息つけると思った悪魔王子だが、なんと追いついたスタンプがエレベーターの扉が閉まる前に靴を挟んで侵入してきた。

ホラー映画かな?息も切らしていないし、スタンプもワープ技を持っているとしか思えない速度なんだ。
ついでに過去に一度捕まったことも判明。唐突に生えてきた脱走失敗エピソードによってまた株が落ちる悪魔王子に哀しき扱い(最近強キャラの風格を取り戻してきたのに…)。
しかも、この過去のせいで米軍は一度脱走を企てた奴を雑に処分してまた逃げられたことになるんスけど…いいんスかこれで?


◆密室での戦い

悪魔王子「(捕まってたまるか)」
先制の右ストレートをスタンプに向けて放つが、それと同時にスタンプの左拳も悪魔王子の眼前で止まり…
スタンプ「お互いにあと数cm 踏み込めばヒットする」
互いに寸止めの状態となる。余裕の表情のスタンプに対して、悪魔王子は冷汗をかく。そして…堰を切ったように2人はエレベーターという密室の中、互いに一発も被弾しないハイレベルな殴り合いを始めた。

このシーンカッコ良すぎる。稼働するエレベーターの中で乱打戦、まるで映画の1シーンだね。最近の猿渡先生の戦闘描写はキレてるぜ。
熹一といい勝負の悪魔王子と互角なあたり、スタンプ相当も強い。私が考える龍継の強さランキングは基本的に【リカルド・悪魔王子・龍星】が横並びなんですけど、スタンプもここに入ってきますね。

悪魔王子「スタンプ お前に捕まった後 どれほどの地獄を味わったか わかるか?」
密室の中、一進一退の攻防を繰り広げながら悪魔王子はスタンプに憎悪を向けるが、
スタンプ「俺の仕事は国の不利益になる者を"確保・排除"すること その後のことは関知しない」
スタンプ「野良犬が処分されても誰も気にとめないッ」
そんな悪魔王子を意に返さず、攻撃を続けるスタンプ。

完全に実験動物扱い…量産クローンの悲哀を感じますね。後々、サド研究者による拷問まがいの実験描写がありそうで怖いっス。
たまに悪魔王子が語る地獄のような日々って、今のところかなり抽象的な描写だけなんだよなぁ。


◆痛み分け

躱した無数の打撃がエレベーター内装を破壊し、拳を血まみれにしながら闘い続ける2人だが、ついに互いの攻撃がクリーンヒット。悪魔王子は喉を潰され、スタンプは右目に目突きを食らってしまう。そして、タイミングよくエレベーターが止まり、ドアが開くと…
モブババア「ひっ な…なに今のは?突風が吹いた?」
悪魔王子は勢いよく飛び出し、まるで突風のような勢いで逃走。エレベーター前にいた老婆は何が起こったか分からぬまま、ただただ困惑するだけだった。

このおばあちゃん…モンキー・ワールドではかなり珍しい、異常事態に対してちゃんと驚くキャラですね。龍星とゴメスが交差点で戦ったときの「ユーチューブだろ」とか、この世界のモブはあまりにも無関心が過ぎるんだ。ここ最近は悪魔軍団との戦闘があったり、吉祥寺駅及びその周辺では不審な事案が多すぎると考えられるが…通報とかなさらない?

モブババア「な…なにこれ?」
スタンプ「あっ お騒がせして申し訳ありません いやーっ薄汚い野良犬がいたんで捕まえようとしたんですが 逃げられちゃいました」

エレベーター内の惨状に驚く老婆に対して、負傷した目を押さえながら釈明するスタンプ。思わぬ負傷となったが、逃走ルートはある程度把握しているらしく、焦りは見えない。

ここのおばあちゃんに対して紳士的な態度をとるスタンプがかっこいい(どう見ても野良犬騒ぎのレベルじゃないが)。目突きで眼球がつぶれたわけではなさそうだけど、めっちゃ痛そうなんだ。この分だと喉を潰された悪魔王子の方が重症かな?

~今回の聖地巡礼ポイント②~
このサイトの『エレベーターを利用する経路』の写真が今回戦闘が行われたエレベーターの前っぽいっスね。というか写真そのまま…か?まさかな…?

みんなもここで薄汚い野良犬捕獲 しよう!(提案)


◆U国侵攻

ナレーション「R国のあの男は特別軍事作成と称してU国への軍事侵攻を開始した 」
ナレーション「しかしU国は西側諸国の軍事同盟であるNATOの協力のもと激しい抵抗をし 戦争は長期化」

一方、R国ではついに"あの男"が動き出し、U国への軍事侵攻を開始した。しかし、当初の目論見通りにはいかず戦闘は長期化。R国は国際社会からの厳しい経済制裁を受け、"あの男"は世界から孤立することになった。

う あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ(PC書き文字)
ついに始まっちゃったよ。次のページめくったらいきなり見開きのこのナレーションでビックリしたわ。漫画のジャンル変わりすぎなんだよね。

悪魔王子が予告してから侵攻が始まるの早すぎる。今の龍継ワールドは2月下旬あたりか…。

龍星「R国U国侵攻…悪魔王子が言っていたのはこのことですね」
熹一「まっ 平和ボケしまくっとる日本人(ワシら)にはあんまし関係ないけどなあ」

ニュースを見て悪魔王子が語っていた内容がU国侵攻の事だと知る熹一と龍星だが、熹一は「ワシらには関係ないけど」とあまり関心がない模様。

平和ボケしまくっとるワシらには(穀物やエネルギー価格の高騰で物価上昇が起こったり、国が支援したりするだけで)関係ないんやけどなあ←めっちゃ関係あるわ!
このあたりの人道的・経済的な面での話は感想から逸れるので省きますが、格闘漫画における個の武力という観点から見ると、ガチで熹一と龍星にはあんまし関係ないんだよなあ。国家間の争いに一武術家がどうすればいいんだよ。そもそも首突っ込む理由ないし、鬼龍おじさんが"あの男"を狙う理由も未だに謎。まさか世直しってワケじゃないよね?

熹一と龍星は歩きながら会話を続けていると、そこに先ほど悪魔王子と戦ったばかりのスタンプが右目を充血させながら現れ、二人に対して…
スタンプ「関係ないって…?そうでもないよ」
このR国によるU国侵攻は君たちも無関係ではないと告げる。スタンプの発言は一体どういう意味なのか?ついに国家規模の戦いに灘神影流が接触する!?

マジかよ…ホンマに熹一たちも巻き込まれるのかよ…。
一気にU国侵攻ネタが現実に追いついてきたので、こっから猿渡先生によるオリジナル展開が来るんスかね?
「何が始まるんです?→第三次世界大戦だ(コマンドー書き文字)」←さすがに…さすがに今の龍継でもこの展開はないやろ…ないやろ…?もう龍を継ぐ男とかどうでもいいのん?

◆大国の戦いにどのような関係が…!? ← 編集さんは猿渡先生と"あの男"展開に対して何か打合せとかされましたか?


◆まとめ

今週はエレベーター内での戦いがめちゃくちゃ見ごたえありましたね。VSボリス→VS悪魔王子と、最近は戦闘描写が本当にかっこいい。一時期は幻魔拳による妖術合戦ばっかりだったけど、やっぱりこういう肉弾戦の方が面白いですね。負傷による緊張感も生まれますし。
新キャラのスタンプもしっかり強キャラ描写で大満足。ただ、古武術マスターとしての技を一回も見せていないので、まだまだ底が見えない。一応、立場的には熹一と龍星の敵ではないんですけど、これからどう関わっていくのか…もしかして味方ポジ?

そして、ついに始まってしまったU国侵攻。ラストでスタンプが熹一と龍星にも関係あると言っていたけど、猿渡先生は2人がこの戦いに介入する理由付けをどうするつもりなんでしょう?ここの舵取りが今後の龍継の命運を分けますね。

もう既に(ストーリーが)ヤバいって?クククク…。


出典:猿渡哲也『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』第354話