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【感想】TOUGH外伝 龍を継ぐ男 BATTLE.356 猛獣

今週、象が暴れただけです(ネタバレ書き文字)。
あっ ついでに気付いたんですけど、
かの有名なゴリラ回のタイトル
~BATTLE.293「猛獣」~
今回のタイトル
~BATTLE.356「猛獣」~
禁断の"猛獣"2度打ち…いいんスかこれ?


◆前回までのあらすじ

R国へ逃亡した悪魔王子を追う米国特命捜査官スタンプ・ハウアーの手引きの元、R国で開催される総合格闘技大会「ホワイト・ナイト・バトル」に参加することになった熹一と龍星。(正直、参加する意味はまったくないが)かつてない大規模な大会に胸を躍らせる2人は意気揚々と日本を旅立った。

リカルド・静虎・デゴイチは猿空間送りですね(落涙)。


◆R国へ入国

~どうみてもシェレメーチエヴォ国際空港にしか見えない空港~
熹一「いやーついに来たのォR国」
龍星「ですねぇ」

スタンプとCIAの手引きにより、ついにR国に入国した熹一と龍星。空港に着いた熹一は、主催者側の迎えを待たずに龍星を連れて街を散策しようとする(ちゃんと待てや…)。

ついに来ちゃったR国。
前回、熹一は1か月で身体を鍛え直すって言っていたけど、ガチで1か月ほど経過したのかな?これで計量失敗したら草生える。
リカルド・静虎も置いてけぼりで華麗に猿空間送り、ステージ進行でパーティ・メンバーが離脱するのRPG味がある。それとデゴイチは手荷物扱い無理だったか…この大会は龍星の真の力が試されますね。

空港のコマはこの写真そのまま(いつもの)。

~R国首都~
戦争中というのにのんびりした雰囲気のR国首都をピロシキを食べ歩きながら散策する熹一と龍星。
龍星「どうでもいいけどピロシキ食べ過ぎじゃないですか 体重超過しても知りませんよ」
熹一「ワシは代謝がええからすぐ元に戻るわ」

ピロシキは麻薬ですね。
ラーメンといいワッフルといい…今作は食へのストイックな描写が過去作から比べて減りましたね。まぁ、あのイチローさんも食はストレス解消だから過度な制限は良くないって言っていましたし、人知を超えた闘いを行うファイターにとっては問題ないか。
仮に超過したとしても計量中に幽玄真影流「象塊」で体重を軽くすればいいだけだし。

そうして2人が駄弁りならが街中を歩いていると、悲鳴と共にこちらへ逃げてくる市民の姿が。それと同時に龍星たちの近くに何やら黒い物体が落下してくる。
熹一「どわっ ついにミサイルかあっ」


◆猛獣出現

龍星「くっ 車だっ」
落下物の正体は自家用車だった。慌ててその場から非難する熹一と龍星。

なんかモンスター・パニック映画でありそうな展開。熹一も「ついにミサイルかあっ」って暢気すぎるんだよね。もしそうだったら格闘技大会やってる場合じゃねーんだわ。
ついでにこのシーン、落下してくる車を車体の下側で描画するところに先生の拘りを感じる。資料とか少ないから、かなり面倒くさいと考えられるが。

熹一「なっ なっ なんやアレはっ 象やッ 象が街中で暴れてる」
なんと騒ぎの原因は街中で暴れ散らす巨大な"象"。先ほど降ってきた車もこの象が吹き飛ばしたものだった。

う あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ (PC書き文字)。
モ〇クワがアフリカになっちまったあ。

私はタフを読んでいたと思ったら急に「ジャングルキング」が始まった。
いやマジでこのコマだけ見たらなんの漫画か分かんないよ。いきなり街中で象が暴れまわるとか唐突すぎる。そら誰でも熹一と同じ反応するわ。

あと、象が道路で暴れるシーンを見るにR国って左側通行っぽい。あれ?確か〇シアは右側通行だった気が…。
よしっ R国≠〇シア、今回の話で確定したな(欺瞞を超えた欺瞞)。


◆VS象

熹一「龍星やったれ 象と闘えるなんて滅多にないチャンスや」
事態収拾のため、暴れる象に対して龍星を嗾けようとする熹一だが、
龍星「無茶苦茶言わないでくださいよ 踏み殺されてしまいます」
それを断固拒否(当たり前だろ…)。

まず闘おうとする発想がすでにイカレていると考えられるが…。
熹一は兎も角、スピリチュアル・サンクチュアリで巨大グリズリーを拳で爆殺した龍星は何ビビってんねん。幻魔拳はゴリラにも有効だったし、同じ哺乳類ならなんとかなるやろ。

熹一「お前熊を倒したことあるんやろ いけーっ」
龍星「フルパワー使い果たしてその後 死線をさまよったんですから」
悪魔のチカラを発動した龍星の能力を知っている熹一は「イケるやろ」と強引に押すが、その代償(3日も昏倒)はデカかったと言い、闘いたくない様子の龍星。

熊爆殺拳は正史だった…(マジで!?)。
あまりにも荒唐無稽すぎて猿空間送りになったと思われた悪魔のチカラだけど、一応先生は覚えていたんですね。ということは龍星は今でもあのチカラをセーブした状態なのかな?後先考えなければ攻撃力は最強か。

しかし今週のコイツらイチャイチャし過ぎだろ…。


◆乱入者

どうしても龍星が行かないというので、しゃーないと熹一が暴れる象に立ち向かおうとするが…(バキッバキッ)
熹一「あ…あかん 絶対に無理」
象の弱点は10トンもの自重を支えている足だと見抜くが、目の前で車を踏みつぶすその圧倒的な巨体に怖気づいてしまう。が、そこに一人の男が現れ、暴れる象の前に立ちはだかった。
熹一「な…なんやあいつ」
龍星「武器も持たず象と闘うつもりなんですかね」

あの男は拳一つで象と戦うつもりか?
範馬勇次郎じゃないんだから仕方ないと思う反面、ビビり散らす熹一が情けないとも感じてしまうぜ。ミサイル相手でも戦ってみせるといっていた熹一はどこへ!!

謎の男は暴れる象に近づくと、ローキックを象の足に一閃。
象「パ オ オ オ オ オ (血しぶき書き文字)」
そのまま象は目に涙を浮かべながらダウンした。

なんかスゲー可哀そうなんスけど。
動物園のゴリラくんも鬼龍がちょっかいかけたせいで幻魔に苦しむことになったし(人に手を上げたからもう殺処分か)、龍継は動物の雑な扱いに定評がある。
NEO坊「マンガの中でもイヤっちゅうほど使われた陳腐なネタや 闘う気のない牛や熊を殴ったり蹴ったりする見世物は昔からあるし動物虐待でしかないわ」←◆この特大のブーメランは!?

熹一「何者やあいつ?」
??「あの男はユーリ・パヴリュチェンコ R国総合格闘技のチャンピオンです」
一撃で象を倒した謎の男に驚いていると、背後から熹一と龍星に近づき、話しかけてきたもう1人の男が…
熹一「あ…あんた誰や?」
パヴェル「WNBからあなたたちのお世話する係を仰せつかった…パヴェルと申します」
もう一人の男の正体はパヴェルという主催者側の迎えだった。

よく2人を見つけることができましたね。
バカ2人が空港で迎えを待たずに勝手に散策始めて迷惑だったろうに。その上、解説役までこなしてくれるとは…早くも便利キャラの片鱗が。
そして、象を一撃で倒した新キャラがR国のMMAチャンピオンのユーリということも判明。いつものこの章のキャラはこれぐらい強いですよ描写…しゃあけど象のインパクトがデカすぎて新キャラの印象が薄いわっ。

…コンテナ・コロシアムで登場したファーガソンってマジでなんだったの?あいつがこの象に立ち向かえるとは到底思えない。一応MMA最高峰団体のランカーだったのに…R国の方がMMAのレベル高いんかな?それともファーガソンがフカシ野郎?

マフマドベコフはユーリを雇った方が良かったと考えられる、B国とR国は仲いいんだし。


◆哀しき結末

パヴェルは熹一と龍星にあの象はサーカスから逃げ出してきた個体だと説明する(ここの台詞が「像」になってて誤植だけど校正とかなさらない?)。どうやらブル・フックと呼ばれる器具で急所をさす調教の痛みに耐えきれず逃げ出したようで、ユーリはその傷ついた急所を狙ったことで一撃で倒す事が出来たらしい。

パヴェル…あまりにも情報通すぎる。
調べてみたけどブル・フックの使用って結構 賛否両論あるらしいっスね。米だと禁止になってる州もあるみたい(写真見たらピッケルみたい)。流石に今週の象みたいに足が化膿まで傷つけるようなことはしないようだが。

あとサーカスにいた象なら牙落としてないのおかしいだろ…。

「パァン」
そして、ユーリによってダウンした象はアサルトライフル(AK)を持ったハンターに脳を打ち抜かれ、その場で殺処分された。
パヴェル「虐待され精神を病んで暴れたら殺処分…あわれなものです」
パヴェルはそういうと、2人を迎えの車に案内した。

ウ…ウソやろ、
こ…こんなことが、
こ…こんなことが許されていいのか。

R国編最初から衝撃のスタート過ぎる。虐待まがいの調教が嫌で逃げ出した象は無慈悲にも殺処分…見世物として飼育された動物の悲哀を感じますね。

◆最初から強烈な邂逅…!! ← 衝撃的だけど後味が悪いーよ。
次号、象を倒した男は…!? ←パヴェルがさっき説明してくれただろ…。


◆まとめ

今週はサーカスの象が暴れて殺処分されただけ(終)。マジでこれ以外 内容がないんだよね、すごくない? とても可哀想だゾウ…。
最初読んだとき、象が暴れてるページでクッソ笑いました、あまりにもシュールすぎる。ゴリラほどではないけど衝撃的すぎてR国編いきなりエンジン全開っスね。

今回キー坊の腹が元に戻っているということは前回の引きから1か月ほど経過しているようだけど、その間に静虎・リカルドへの相談は無かったんですかね? 危惧してた通り、何の言及もなく猿空間送りになっちゃった。あまりにもパーティ・メンバーの削減方法が強引すぎる。
~回想(妄想)~
静虎「R国で大会?アホなことを…そんなことしとる場合か」
リカルド「安くて美味しいラーメンが食べられそうにないのでボクは行かないです」
~ ~
めちゃくちゃ擁護するなら静虎は日本に残ってリカルドの護衛をしている…というところか。

今年中にさっさと大会始まってほしいですね(この様子だと怪しいけど)。


◆余談

ホワイト・ナイト・バトルの"ナイト"が騎士(Knight)なのか夜(Night)なのか今まで不明だったけど、今回出た略称からするに WNB(White Night Battle)なんですね。

なぜR国でおもくそ英語命名ナンダ?


出典:猿渡哲也『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』第356話