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意味を変えるということに注目したい[20240326]


今後は介護従事者ではなく要介護者を支援するロボットが必要になる。

人間に似せたロボットを造り出すなら「人間の研究が必要」、要介護者支援ロボットを作り出すなら「要介護者の状態の定義」が必要だと言う先生方の話をした。

これは、技術先行で開発されるロボットの意味を変えるということではないだろうか。

さて、弊社の「イノベーション創造(アイディア創出)講座」では「意味のイノベーション」を軸に据えている。

何故そうなのかについて話しをしたい。

意味のイノベーションは以前、Design Driven Innovationとミラノして工科大学のベルガンディ教授が提唱されていた。

イタリアはデザイン性重視で様々な工業製品を世界に流行させている。

デザインは、色・形などの意匠面だけでなく、思想の具現化に至るまでをデザインと呼んでいる。

例えば、私が学生の頃(40年以上前の話)の話だが、特に女子学生には「英文タイプライター」を学ぶのが流行っていた。

その頃、タイプライターは「黒」と相場は決まっていた。

しかし、イタリアのオリベッティ製のタイプライターだけは真っ赤な色だった。

女子学生は、必ずと言って良いほどオリベッティを買い求めていた。

こうなると、他社との差別化の為に値引きをする必要が無い。

むしろプレミアム感を出しても良いくらいになる。

「赤色」というだけなのに、である。

タイプライターは「黒」という定番を、「おしゃれさ」を演出し、タイプライターの意味を変えたのである。

事務用品として必需品だったタイプライターを、女性秘書のおしゃれにしたのだ。

確かにタイプライターを使用するのは女性が圧倒的だっただろうし、大正解である。

こういう事例を取り上げるのに「意味」を変化させたという見方をするのが斬新で、しかも「大当たり」必至なのである。

明日以降も事例を中心に「意味が変化」するということと、そうではない事例を比較して紹介したい。

合同会社タッチコア 小西一有

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