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『2度のうつ病を経験した半生と今』#2
noteをこれから書き始めるにあたって、私のこれまでの歩みを何回かに分けて紹介しています。今回はその第2回目。高校時代編です。
2.歴史に目覚めた高校時代
鉄道の運転士を”一旦”諦めた私は、高校受験で自分の学力以上の高校に運良く合格し、入学しました。そこは工業大学付属の高校で、理系の生徒が多い学校でした。「自分の学力以上の高校」だったこともあり、毎日授業に付いて行くのをツラく感じていましたが、唯一楽しく授業を受けられた科目がありました。それは世界史の授業でした。
もともと「社会科」は好きな科目のひとつでしたが、高校の世界史の授業を担当した先生との出会いが、その後の私の「歴史好き」を決定づけました。
世界史を学ぶ授業、それはほとんど争いの歴史を学ぶ授業です。
先生は国同士の争いの火種を、双方の思惑をごく自然な人間の感情に例えて説明しながら授業を展開していきました。
「国も一人の人間の感情と同じように動くんだなぁ」
私は素朴にそう感じながら授業を聞いていました。そのうちに自然と私は、世界史という科目が「覚える(暗記する)科目」から「考える科目」に変わっていきました。
「こうされたら、相手の人(国)は何を考えてどう行動するだろう?」
「あんな事が起こったら、あの人(国)はどうするだろう?」
そう考えながら先生の授業を聞き入っていました。テスト勉強は、「覚える」という感覚ではなく、国同士の関係を人間関係に置き換えて考え、ドラマのあらすじを思い出す様な感覚で復習するだけで十分でした。
「世界史って面白い!まるでTVドラマを見ているみたい!」
いつもそんな感覚で授業を受けていました。
ある日の授業で先生は、有名な哲人のとても面白い名言を紹介してくれました。
我々が歴史から学ぶことは、人間は決して歴史から学ばないということだ。
ドイツの哲学者、ヘーゲルの言葉です。この言葉は私に衝撃を与えました。歴史を学んでも同じことを繰り返す人間の愚かさ。歴史を知らずに同じことを繰り返す人よりも余程罪深いと感じました。そして私は、歴史を学ぶ大切さを知り、ヘーゲルの言葉を胸に歴史を学ぶことで、自分自身の生き方もより良くしていけるのではないかと思うようになりました。
つづく
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