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シュプレヒコール【あらすじ、筆者紹介】

あらすじ
『同性愛者意味なし発言』で大炎上している細貝みな子議員は、「俺」の記憶の中の誰かに似ていた。『よかったら細貝議員の顔を直接見て、誰に似てるか突き止めに来ませんか?』というDMにつられて、抗議デモを見に来てみたが「俺」には人々の怒りの感情がわからなかった。そんな中、一人の男と目が合って……。

筆者より
こんにちは。「シュプレヒコール」の筆者のゆーです。いつも恋愛が核にあるような話ばかり書いているので、今回は違うものが書きたいなと思って書いたら、よくわかんない話になっちゃってどうしてくれようって感じです。細貝みな子議員にはもちろんモデルである議員と炎上事件があって、俺はそれに対して今もなお怒り続け、戦っています。それ以外にも、日々色々なことにブチギレているので、逆になんでみんなブチギレないで平気なの? と疑問に思い書きましたが、書けていません。次回はがんばります。

作品抜粋
 朝、出勤中の地下鉄の中、自分のスマホ画面に映し出されたその女性議員の顔を見た瞬間、うっすらとした既視感に襲われた。歳の割に手入れの行き届いたセミロングの黒髪と、薄い茶色の瞳、そして赤ら顔。記憶のどこかにいる、誰かによく似ていた。アイラインの濃さはこの女性議員よりももっと薄かったと思うが、とても似ている。でも、それが誰なのか思い出せない。ただ、思い出せないだけで、地下鉄が四ツ谷駅に到着して外の暴力的な熱気が一気に車内に押し寄せてきた頃には、もうすっかり気にならなくなっていた。
 細貝みな子議員の顔は、その日いたるところで目にした。Twitterのタイムラインはもちろんのこと、社内イントラのコラムにもネット記事が引用され、NHKの夜のニュースでも三番目に映像が流れた。
 東京都で先日開始されたパートナーシップ宣誓制度について、与党である民自党のパーティーで細貝議員が「同性の夫婦なんて、国家にしてみたら百害あって一利なし。認めたら国は終わりですよ。子どもも産めない、何の意味もない存在なんですから」とスピーチしたことが週刊誌に掲載されたのだ。厚労大臣政務官でもあった細貝議員のこの発言はSNSを中心にもちろん大炎上し、いたるところで報じられていた。
『細貝みな子の顔が誰かに似てるけど思い出せなくて、気になって夜しか寝られない』とTwitterで呟くと、細貝議員をバッシングする内容でもないのに、たくさんの知らないアカウントからいいねがついた。その多くがLGBTの当事者アカウントのようだ。みんなそんなに怒っているのか。

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