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土曜夜発展場にて【あらすじ、筆者紹介】

あらすじ

お酒を飲んだ後に発展場へ行った主人公。そこで遭遇したのは不思議な二人でございました。現実かはたまた幻覚か。発展場へお越しの際はお気をつけくださいませ。

筆者より

転職した影響か、15年程の社会人生活で過去一過酷な仕事状況の中どうにか書き上げた作品です。今回は少し不思議なお話を書いてみました。目指したのは某掲示板のオカルト版のような読後感。成功しているのかどうかは作者にもわかりません。拙いお話ですがお楽しみいただけたら幸いです。

作品抜粋

 ある夜のことでございます。その日は昼からしとしとと降り続く雨が鬱陶しい晩でございました。土曜日ということもあり、私は新宿二丁目の男性同性愛者が集まる酒場にお酒を嗜みに出ておりました。

 雨で足元が悪いせいか、いつもより他のお客様の入りが悪いように思います。酒場のママも、「これじゃあ商売上がったりよ」と嘆いていらっしゃいました。(余談では御座いますが男性同性愛者が集まるバーでは、男性の主人でもママと呼ぶものでございます)

 この酒場は男性同性愛者同士で世間話をする場。一人で来た場合他のお客様との交流も大きな醍醐味でございます。

 それでも終電間際の時間になると、ぽつりぽつりと他のお客様がお見えになりました。ママは忙しく立ち振る舞い、私は顔見知りが来たこともありこれ幸いと世間話を楽しみました。

 楽しい時間というのはあっという間に過ぎるものでございます。とうに終電は無くなり、店内には朝までと覚悟を決めた者どもだけが残っております。かく言う私も覚悟を決めたつもりではございましたが、寄る年波には勝てません。三十代も半ばを過ぎた頃から徹夜で遊ぶという行為が大変辛く、苦しくなって参りました。


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