私とVR

そろそろ学生じゃなくなるので社会人になる前にVRに興味をもったきっかけを書き残しておこう。

VRに興味を持つ前

高校生ぐらいの頃は意識や神経科学、SAOのフルダイブ技術に興味があってそれらについて考えることが好きだった。考えるのが好きでも、実際に手を動かしてものを作れる技術力がないと話にならないとか、考えたことを共有できる仲間が少なそうな地元の大学にいっても面白くないとか思って愛知県を離れて東京の大学に進学した。今思うと進学を機に東京にこられたのは非常に良かった。関東圏の人々は趣味が幅広く、その中にはVRを楽しんでいる学生が近くにいた。VRの研究室やアルバイト、インターン、就職先も見つかった。地方ではこうはいかなかったと思う。

大学入学半年はガチガチ体育会系の硬式テニス部とアルバイトと勉強で一瞬で過ぎてしまった。途中でGearVRを買って、ほどほどに満足してフルダイブ技術実現にはまだ遠いなぁという感想をもっていた。一年目の夏をすぎたころから、このままだと入学当初の目的であった「技術力を身に着ける」が達成できそうになく部活をやめて技術系のサークルに入った。

大学2年生になってから一年遅れでサークルの講習会だったりハッカソンに参加したり、専門の情報工学の勉強をして基礎的なことを学んでいた。サークルに所属していると新しい技術の情報がどんどん入ってくる。そのなかで感動したのがVRChat上でアバターが動いている様子や綺麗なパーティクルやシェーダー芸だったんですね。しかもそんな創作性を発揮している人物がサークルの集会で物理的に近くにいるわけです。尊敬やら憧れやらがでてきて自分も少しでも近づきたいみたいな気持ちになるわけです。自分から話かけるほどの勇気は全然なくて、おそらく認知もされていないのですが、その人が発する情報は自分の中で重みが大きいものとなっています。

その人を見かけるようになってから、VRChatやVRの興味が強まった気がします。

興味のシームレスな移行

大学2年3年ぐらいから神経科学からVRへ関心の強さが自然に移っていったような気がする。大学2年生頃は、意識や神経科学に興味があり、他の学部の神経科学や生理学、心理学の講義をとったり、カンデル神経科学などの専門書や意識の探求といった本を読み進んでいた。情報工学以外にも自由に自分のこころの思うままに学問ができた時期だったなと思う。3年生からはVR機材を買えたらいいなぁぐらいのモチベーションでWeb系のアルバイトを始めていた。3年の後期にもなると、希望の研究室を調べるようになってきて、計算神経科学や認知神経科学、HCI系の研究室を見学しにいき、VIVE Pro EyeでVR体験をしたり、おすすめのHMDを教えてもらったり、人の認知の仕組みを解明するためにVR技術が使われることを知った。その後、おすすめされたQuestを購入し、BeatSaberやVRChatを始め、VR体験に感動し、認知神経科学とVRができる研究室に所属することにした。これまでの意識や神経科学の興味とVRが繋がった時期であった。

VRChat1年目

VRChatをめちゃくちゃ楽しみました。某ますきゃの人や某青髪の人がいつもVRChatにログインしていたから続けられた気がします。感謝。色々な人との関わりが増えたり、コミュニケーションの難しさを痛感したり、何もかもが新しくてログインする度に学びや感動がありました。ほかにも色々あるので、VRChatの話は[こちら(執筆中)]。

研究の方でもVRや自己身体認知に関する論文を読んで、アバターを自身の身体のように感じる仕組みを勉強しながら、VRChatでアバターの感覚を実感したりと、理論と実感が伴っていて楽しかったし、卒論もなんとかやり遂げられました。

VRを仕事にしたい

大学院も同じ研究室でVR関連のテーマで研究を進めていたし、VRChatも楽しんでいたし、将来VR関連で仕事をしていけたらいいなと思い始めたんですね。ただ、VR関連といっても幅広く、ゲームだったり、CG、ハード、研究、SNSと色々な分野があるわけで、自分が何が好きなのかを改めて考え直しました。やっぱりVRChatでの体験が強すぎて、SNSやCGへ関心が向いていて、それらを支えるエンジニアになるのが理想形なのかもしれないと考えるわけです。

せっかく大学院まで行ってVRの研究をしているわけだから、VR研究をつづければいいのではと思うかもしれません。当時は、リモートが中心で学会に行く機会もなく(または知らされず)、研究室のメンバーとの関わりも最小限だったり、ここにかけない事情もあり、研究職に繋がる研究実績を生み出せなかった/生み出せそうになかった状況でした。そんなこと関係なく、自らの力で他人を巻き込んで研究を進めていける人もいるかもしれませんが、自分はそれができませんでした。孤独感を持ちながら研究を進めてしんどかった部分もあります。もっと早く研究室外へ目を向けて何かしら行動をしていたら変わっていたかもなと後悔しています。

というわけで大学院生時代は研究よりかはVR開発経験の方に重きをおいておりました。VRコミュニケーションやVR空間を支えるエンジニアになるべく、XR企業15社くらいオフライン・オンラインで面談・オフィス訪問させていただいたし、VR企業3社でインターン・アルバイトで開発経験を積むことができました。また、Iwaken Lab.というXR好きが集まるコミュニティがVR関連の個人活動を後押ししてくれて、結果的偶然が重なって希望のVR企業就職が決まりました。

新卒でVR企業就職というのは結構難しく、エンジニア職の場合は学生時代の開発経験が重要だと思っています(新卒開発経験なしでも可の企業も探せばある、気になる方はここら辺を参考にしてください。)。現状、VR企業は規模は大きくなく、新卒の教育コストや内定半年後の状況が読めないリスク、卒業できるかどうかも分からない学生に内定をだすリスクを勘案するとなかなか採用に踏み切れないことが多いと思います。自分の場合は、当時は新卒をとっていないVR企業のオープンポジション的なところに応募して、運よく内定を頂けた。カルチャーフィット的な部分や開発経験が評価されたのだと思う。色々な事情を考慮し採用していただいたことや好きなことをやっていけることに感謝しつつ頑張っていきたい。










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