「社会」と「society」「social」の語源

図書館司書という資格がある。これだけインターネットが深化して、google先生に聞けばなんでもわかるように思う時代に、図書館司書なんて、っておもうかもしれないけれど。何を隠そう、私は図書館司書の資格をもっている。そして、まわりの人から「なぜ、その資料にあたれたのか、探し当てられたのか?」とよくきかれるのは、もしかしたら、図書館司書のレファレンス力に関係しているのかもしれないと思ったりもする。
 さて、その流れでここから筆をすすめるが、「社会」の語源を調べていると一番「おっ!」と思ったのがレファレンス協同データーベースの記事だったからなんですけどね。冒頭の図書館司書の話は。
こちらです。
https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000148573
そのうちの一つから引用
「英語societyの訳語で、「「社会」は、中国では土地の守護神を中心とした集団を意味し、宋代の『近思録』に「郷民為社会[郷民社会を為す]」とある。それを日本で訳語として用いたもので、(略)今日の意味で「社会」を初めて使ったのは、福地桜痴で明治八年一月一四日の『東京日日新聞』に「高上なる社会〈ソサイチー〉」と使ったという(明治のことば辞典)」と書かれている。」
そうもともとの日本語(この場合漢語)にはなくて、西洋から入ってきたことばに訳語としてあてて、その後の意味がかわったことばはたくさんあって、そのうちの1つということです。ん?ということは、「郷民為社会」という意味ではないわけですよ。いまの「社会」は。
ならば、societyの語源は?
「社会は「仲間」から始まった 英語の social の語源をたどると「社交的な」を意味するラテン語 socialis に行き着きます。その socialis の語源は、同じくラテン語の socius。これは「仲間」を意味する言葉です。つまりソーシャルは「仲間」を語源とする言葉なのです。」これが一般的によくひかれている内容なんですが、実はそう単純ではないようです。
https://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/131125society.html
https://www.kitashirakawa.jp/taro/?p=8024#:~:text=さて、政治の話が,という語に由来する。

また、socialは形容詞でsocietyは名詞なんですけど、societyを形容詞に使うと上位(上級)社会のという意味にもなるそうで。
もともとは仲間のという意味だったsocietyも啓蒙主義による市民社会の生成つまりは、「個人」の誕生とともに、その意味合いをひろくし、極めて、操作的な概念として発展してきたということのようですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?