潰瘍性大腸炎な私 2023年5月編
病気が発症したのが去年の12月。ということは、半年くらい経った。
目まぐるしい半年だった。
コロナも落ち着いたゴールデンウィークに始まった5月。
私の住む鳥取にも多くの観光客が来ていた。
そんな中、今月は治療法に関して、いろいろ進展があった月だった。
(あくまで患者視点の話ですので、詳しいことは病院・医師など専門家に聞いてください。)
前回は、こちら。
2度の薬の変更
最初に試したリアルダで逆に症状が悪化してしまった私は、ステロイドを服用している。
しかし、潰瘍性大腸炎に関していうと、ステロイドは寛解維持の治療には使われないため、寛解維持のためにどの薬を使うかを探さなくてはいけない状況になった。
まず、上旬に試したのが、リアルダと似たような薬、5ASA製剤の一種であるアサコール。
祈るような気持ちで飲んだが、次の日には以前のような病気の症状が出て、トイレへの回数も急増。これは合っていないだろうと病院に連絡する。一旦、指示通り断薬すると、たちまち症状が治った。
すなわち、アサコールも合わなかった。
5ASA製剤を一旦は断念することにし、アザニンの服用を始めることになった。いわゆる免疫抑制剤で、副作用も多い。
遺伝子の型によっては、必ず副作用が出てしまう人もいるそうだが、私の場合、そうとは必ずしも言えないが、少量から服用を始める必要がある型らしい。
散々副作用で痛い目にあったので、正直どうなるかわかないと思いながら、服用を始めたところだ。今のところ、問題はなさそうだが、今のところ、としか言えない。
アザニンが難しい場合には、高額な治療にはなるが、注射などを使う可能性もある。流石に面倒になってきた。(そして、おそらく再燃の可能性も高い方に流れて行っているのだろうか。)
病気になるとお金がかかるが、病気になると稼ぎにいけない。横たわりながらでも稼ぐ方法を考えておかないとまずいという気持ちと、貯金をせねばという気持ちになっている。
そうなると、専門医も多いし、実家もあるのだから、東京に帰ってしまえばいいのでは、ともチラつく。その時は、本当に鳥取を離れる覚悟をしなければならないと思うから、すぐには決断できない。
私に無理をさせてください!と言いたいけれど…
5月に入り、時短勤務の時間を1時間延ばした。来月もまた1時間延ばす予定でいる。
つまり、復帰当初周囲に予想されていたより、あるいは自分が予想していたより、余裕は出てきた。体力も戻ってきたのかもしれない。
となると、周りの忙しさを見ると、自分が甘えているような気がしてしまう。
もっと働いたほうがいいぞ、と。というか、働きたいのだ。
それでも周りは、「無理しないでいいよ」と言ってくださるので、「ああ、私は病人だった」と思い出す。
病人というスティグマとの戦いかもしれない。
一方で、月に1回あるいは2回は平日の午前中をつぶして病院に行くのだから、どこまで自分がやっていいのかとも思う。
また薬の副作用も出るかもしれない。
加えて、免疫を抑制する薬を飲むのだから、感染症にもかかりやすい状態だ。
病気を理由に無理しなくてよくなったことは、勝手に無理する性格だった私のストッパーにもなったが、もう前みたいに精一杯やれないのだろうかという不安にもつながっている。
「私に無理をさせてください!」と仕事を取りに行きたいけれど、治療法が安定するまではそうもいかない。ジレンマである。
1人コロナ禍が続く中で戻らない生活を思う
周りがマスクを外す中で、マスクを買い込み続けている。
アルコール消毒も欠かさない。
理由は、ステロイドとアザニンが免疫を抑制する効果を持っているからである。
「人混みの中ではマスクをつけてください」という注意書きがこの薬の案内には書かれている。
加えて、アザニンは、紫外線対策も求められる薬である。皮膚がんなどのリスクが上がるようだ。
5類になり、マスクを外す人が増えたが、私は極力マスクをつける生活を続ける羽目になっている。
こんなの11月くらいには思いもしなかった。コロナが終われば、マスクを取る気でいたのに。ご存知の通り、夏にマスクは暑い。
周りが何と言おうと、1人コロナ禍生活である。
そうすると、戻らない生活のことを考える。
コロナ前の生活には戻れない。いろいろな意味で。
健康体だった頃の食生活、食習慣。だけではない。
感染症対策、食事を通した人との交流、お金の使い方、日差しを浴びる中でのアクティビティ。あらゆること、全て。
薬を変えるたびに「妊娠・出産のご予定」を医師から確認されるので、ライフプランを考えるのも億劫になる。
そんな面倒にまだ見ぬ家族を巻き込む気にはなれない。
時間は不可逆だ。
そんなの病気になる前から知ってはいた。
が、当たり前だったことをより確固たる形で実感してしまう。病気のおかげで。
とりあえず、他人に迷惑はかけない程度に生きていこうとは決意している。
そして、病気の自分にとっても、ちょうど良いライフプランを練り直すタイミングでもあるかもしれない。
でも、さすがに悔しくなってきた。
こういうことで頑張りたいんじゃないのに。
もっとやりたいことはあるはずなのに。
やりたいことを精一杯やりたいのだから。
果たして、そのやりたいこと、ゆずれないことは何かだけでも考えなくてはいけない。
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