Skimo JapanChampionships Sprint Race day1
山岳スキー競技日本選手権スプリント
会場入り
今朝は曇りのち雪予報から一転。朝方の雪は何処かへ行ってしまい、会場入りと同時に雪が止み青空が広がって来た。
9:40頃会場入り。
昨晩の積雪が30cm程。大会運営スタッフの方々や、白馬、宇奈月の山岳ガイドの方々が早朝よりコースのラッセルととコース作りに尽力してくださり、到着した頃にはすっかり綺麗なコースが下からでもわかるくらいになっていました。
コース作り、大会運営に携わっているスタッフの方々に深く感謝します。本当にありがとうございます。
誰も気づかないところで尽力してくださる方々がいるからこそ選手は輝くことができる。これはどの競技でも同じことでアスリートファーストと呼ばれる世の中でこの事だけは忘れてはいけないし、驕ってもいけない。
縁の下の力持ちは誰よりも評価されるべきであることを毎度深く考えさせられます。
イレギュラーがあり、スケジュールが全体的に30分遅れで開始。前日に受付も済ましていたこともあり、ゆっくり会場入り。10:00レースブリーフィングを行い、10:50スプリントインスペクション。
前日にツボ足から上部のコースは僕が作ったのであらかた頭には入っているが、ツボ足から下の状態と積雪でどこまで変わっているか。
積雪と日射で雪面は緩んで踏み込んだら少し崩れる。考えながら進む。今年は去年より全体的な斜度が急でタフなコース。ツボ足も30m程でパワー勝負になるだろう。上部はスタッフの方々のコース作りもあって積雪があったのにとても綺麗に踏んであって登りやすい。
下りも程よい位置関係で旗門があって攻めた滑りができそうだ。そんな事をボソボソと呟きながらアップを続ける。
予選
そして11:30スプリントレーススタート。まずは個人でのタイムアタックによる予選。
25人から12人に絞られるクォーターファイナルがないためすぐにセミファイナルの人数に絞られる。どれだけ余力を残していい位置で次に繋げられるか。
序盤から走って体を起こしつつ、リズムを体に叩き込む。
ツボ足もとりあえず走らずに歩きで雪の具合を見る。強く踏んでも問題なさそうだ。思い描いた通りのリズムでミスなく上部まで。進み滑降へ。少し緩んだ雪に足を取られるが問題なく通過。
4分27秒1。6割ほどで予選は終える。それぞれ各選手が順当に通過してタイム集計。トーナメントは午後からなのでスキーハウスで体を休めつつ軽食をとりエネルギーが枯渇しないように調整。
集計に時間がかかり、大幅な時間変更。セミファイナルは1時間15分遅れて13:45スタート。天気はすっかり回復して、雪も降らず、風も吹かずとてもスキー日和の日に。長袖だと暑いくらい。
セミファイナル
セミファイナルは6人の2組。僕は予選1位通過で1組目。それでも実力者揃いの1組目は実質決勝のような顔ぶれ。全く気は抜けない。スタートからとっとこダッシュをかましてダイヤモンドをトップで入る。
そのまま大きなミスもなくツボ足を終えて上部のジグへ。その時点で決勝への上位3人には入れるくらい余裕があったので少しペースを落として体力温存。
2番の遠藤さんも余力を残してそうだ。登り切り下りへ。雪の緩み具合を様子見ながら少し攻めた滑りをする。7割ほどで4分20秒ほどでトップでゴール。体が動くから決勝は4分を切れそうだ。
順当に実力者がゴールして行く。この組みでは去年転倒により決勝を逃した遠藤さんが2位で通過し、3位に昨年スプリント3位の藤川さんが入り3人で決勝へ。
2組目も実力者揃い。
予選2位通過の平林さんが難なく1位で帰ってきて、星野さん、岡さんと順当に決勝へ。みんなまだまだ余力を残していそうで怖い。
シニア女子決勝、ジュニア、ユースの各決勝をその後行う。女子は新しく頭角を表してきた田中さんが経験が浅いながらも持ち前のポテンシャルの高さで見事初参戦初優勝!これはすごい!去年優勝した滝澤さんは数秒差で2位。大きな番狂せだ。3位に実力者の上田さんが入り、見ている方もハラハラする楽しいレースとなった。30分程レストがあり、来たる決勝。
ファイナル
左から星野さん遠藤さん平林さん僕藤川さん岡さん。
今までになく強者揃い。もちろん狙っているのは優勝。
3分前にスタートラインに並び準備をする。
10秒前にオンユアマーク。2秒前にセット。そしてスタート。
なかなかスタートのピストルがならずフライング。あぁ、やっちまった…。それでもレースは続行。
気持ちを切り替えてスタートダッシュしてポジション取り。1番にダイヤモンドセクションへ。なかなかピッチが上がらず平林さんの走りについていけない。
後ろも詰まってしまい、自分がレースを壊していることに申し訳ない。ツボ足のトランジットに2番で到着。ここで得意の担ぎトランジット。これで平林さんを抜いた!と思ったら板が片方通っておらずやり直し…。やってはいけないミス…。
一度板を外しもう一度付け直しているうちに遠藤さん、星野さんに抜かれ4番まで落ちる…。10秒ほどの痛恨のミス…。
はぁーと一度大きく息を吐いて呼吸を止めてツボ足30mへ。今シーズン重点的に鍛えたスプリント能力は向上しており、20mほど離れた平林さんに上のトランジットで追いつく。2位へ上がる。
板をノーミスで履いて同じラインを登る。
しかしそのままだと抜くことができないため、一つ上でジグの向きを変えてパワーで押し切り抜く作戦へ。ちょうどその上のキックターンで平林さんがミスをしてその隙に先頭へ。
あとはミスなくスムーズに走り切り登りでも差をつけて最後のトランジットへ。シールを取り終えてもまだ来ない。
ここで勝ちを確信。あとはどれだけ離せるか。
陰ながら練習したポールもスムーズに滑り切り、トップでゴールへ。2連覇することができた。
ゴールした頃に2位の選手が下ってくる。そこには2人が競い合う姿が見える。てっきり平林さんが来ると思っていたから何だと思ったら遠藤さんが2位で滑ってきている!
頭が追いつかなかった。ゴールで2人を応援し、最後の登りのスケーティングは特等席で見ることができた。僅差で遠藤さんが先にゴールして2位。
昔からの念願であった遠藤さんとのワンツーフィニッシュ。何よりも嬉しかった。
フラワーセレモニー
たくさんの人が2連覇を讃えてくれて本当に嬉しかった。初めての世界でのレース、きついトレーニング。全てが報われたと思える結果。やはり優勝は嬉しい!
結果は4分10秒。担ぎのミスがなければ4分を切れたか。そう思うと4分は切りたかった。きっとこのコースでワールドカップをやっても予選通過ラインは3分45秒〜50秒ほどだろう。
まだまだ爪が甘い。
スタートのフライングはペナルティが課せられ、+20秒。それでも29秒差であったため9秒でギリギリ優勝。世界では1秒で何十位も変わるため更に気を引き締めてレースに臨まなければならない。
表彰式
16:30表彰式。
スプリント種目はオリンピック種目だからか、トロフィーに副賞がとても素敵で、優勝することができて良かったと改めて感じた。
まだまだ世界で戦うには通用しない自分の技術やパワー。
まずは世界のレベルに追いつきそれを日本に持ち帰り、全員で高めあいたい。自分が日本チームにやれる事を。日本チーム全員で強くなるためにするべき事を。
素敵なコース設営、運営、ありがとうございました!
最高の1日目でした!
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