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シフトが入らないアルバイト

年末年始の“シフト強要”急増? 大学生悲鳴「帰省できない」…要因は“新型コロナ”(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース

生まれて初めてのアルバイトは大学生の時、某チェーンの居酒屋だった。
オープニングスタッフとしての採用だったので、店はまだ開店準備の工事中で、アルバイトはその近辺にあるA店およびB店で始まった。
「火曜日はA店で、17時から」「木曜日はB店で18時から」というふうにシフトを組まれるのだ。A店もB店も、隣駅程度にしか離れていなかったので僕は通勤に特別困ったことは無かったけれど、中には電車で何十分もかかるような離れた店舗で研修をした人もいて、大変そうだった。

そしていざ働き始めてすぐにあることに気が付いた。
A店もB店も、そして我がY店も、店長が皆女性で、しかも若い(たぶん当時で20代後半だったと思う)。ある先輩アルバイトの話では、社長の趣味らしく(それが事実なら、男性社員が店長を目指していくら努力しても報われないのだろうか)、そんなことを言っている先輩アルバイトたちも「A店の店長がかわいい」「B店の店長のほうがかわいい。気が強いけど」「いやいや、Y店の店長はスタイルがいい」なんて会話を交わしているのだった。

価格設定が高い店だったので、客層としては大学生や新社会人のような若者はおらず、店内で大騒ぎされることは無かった代わりに、50オーバーの客が多く、いわゆるオヤジギャグや人生訓のようなものに困惑することは稀にあった(笑)

さて、ようやく我がY店がオープンした。が、客入りはさっぱりだった。駅から徒歩10分ほどの距離にあるため、会社帰りの人が駅に向かう途中で立ち寄るような場所ではなかった。Y店に行くためには会社から出て、駅から逆方向に、離れて行かなければならないような立地だったのだ。

その代わり、駅前の喧騒から離れた環境で、広々とした店内で、のんびり飲み食いができた。いや、しかし、あれやこれや飲み食いした後に駅に向かって10分歩くのはやっぱりキツイよなぁ…。

そんなわけでアルバイトに行っても、客はほんの数組ということも珍しくなく、だからこそ、従業員たちは手厚いホスピタリティ精神を発揮して、つうと言えばかあのような痒い所に手が届く接客が可能であった。たぶん、接客の評価は高かったはずだ。料理も味よし見た目よしで決して平凡でも不味くも無かった。そう考えるとやはり立地か…。

月に1回もシフトが入らないということも何度かあったし、大学の帰りに寄るのは楽だったけれど、大学が休みの日に自宅から行く場合は大変だったので辞めてしまった。

Y店は僕が辞めて数年後に閉店し、B店もいつの間にか閉店していた。


あの美人店長たちは今何をやってるんだろう?

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