経営移譲の罠は恐ろしいという話

幸いにもキャッシュアウトしませんでしたが経営難は続き経営移譲した年には赤字を出してしまいました!
コストカットは大事ですが大企業でも無いのに大幅なコストカットしてしまうと必要な経費すら削減し続けてより自分の首締めてしまいます。そんな時に機械更新の大切さと時間の使い方を改めて考えました。

うちの例ですが、畑起こしで使われるプラウが古くよく壊れては修理していました。直しては1〜2ha使えばまた壊れそしてまた直すの繰り返し。新しく買おうにもお金が無いから買えないという、時間泥棒極まりない状態です。その修理と畑に移動する時間は無駄に浪費し牛舎の仕事や餌作りまで影響を及ぼし本来しっかりやらなければいけない作業を時間が無いからと適当にしてしまい、牛への予期しない病気、焦りからくる事故や怪我をしてしまう恐れがあります。
この作業は一体誰が負担するのか、修理と畑の移動に使った燃料はいくらになるのか、こんな事を毎日のように考えていくうちに経営に必要な経費の考え方を改め、経営移譲と同時に必要な経費と割り切り投資をした結果赤字になってしまったのでした。
その時の年末の決算で営農貯金(出荷乳量に沿って支払う月々積立金)を切り崩す事になったのですが経営移譲したばかり(ピカピカの一年生)の僕の営農貯金では払う事が出来ず、前経営者の父から営農貯金を受け取る事になり無事に支払う事が出来ました。しかし営農貯金を自身の金だと思っている父は大晦日の夜ー

父「好き勝手に経営やるからこんな赤字になるんだ!」

流石にこの言葉と今までの経営手腕に苛立ちもあったので僕も頭にきてしまい、

僕「そもそも営農貯金ってのは赤字になってしまった場合の保険でもあるんだから使っても問題無いでしょ!自分の金だと思っているようだけどそれは会社の積立金でもあるんだから経営移譲した俺が使っても問題無いだろ!」と大喧嘩。しかも親戚がいる前で(笑)そしてトドメの一言を浴びせられる

父「お前が経営する前にやる気があったらこんな経営になってないんだ!」

訳「俺経営者だったけどやる気の無い息子のせいで経営悪化したし全部お前が悪い」完全に人のせいされ、あまりの責任転嫁に絶句してしまいました。こんな事を言われ、悔しくて本当に悔しくてお風呂に入りながら年甲斐にもなく泣いたのを覚えています(笑)

この辺りから何故自分は経営者になるための勉強や収益と対費用効果などの勉強をしてこなかったのか?という素朴な疑問が生まれました。自分が参加していた講習会や研修でも誰もこういう疑問は持たず、牛の飼い方や新しい機械等の知識は得るけど経営者としてのノウハウや正しいHowtoは誰も教えてはくれないーいや唯一教えてくれるのは親が経営者として教えて行くものなのかもしれない。だとしたら有能ではない経営者は何をどうやって教えていくのか、それを正しいと思い込み実践していく後継者は!?そう感じた瞬間血の気が引くと同時に戦慄を覚えました。このままではまずいとー

そんなある日、偶然にも
オリエンタルラジオの中田敦彦さんがやってるYouTube大学でやっていた偉人伝スティーブ・ジョブズが投稿され、貴方のオススメみたいなところに表示されてました。そんな凄い人の人生知ったところで自分には真似出来ないし、そもそも畑違いもいいところだよと普段なら気にも止めませんでしたが、創業者=経営者みたいな雰囲気もあったので、半ば時間潰し程度で見てみました。するとアップルの創業者の価値観や行動理念等に感銘を受け、食い入るように見てしまいました。
偉人達の凄さは言わずもがな、ただ凄いのは考え方や功績だけじゃなく皆行動力が桁違いに早いという事でした。そこには未来への不安や恐怖をものともせず自分の信念をただひたすらに信じて前に進んで行く姿に物凄く感動しました。
それからというもの、他の偉人伝を見ては自身の置かれている状況と照らし合わせ、行動する理由や理屈は職や環境が全く違えど人として経営者としての在り方等を知るうちに、点と点がうっすら繋がりそうな感覚がありました。所謂、「気付き」というものなんでしょうか。しかし具体的にどういう風に自分の経営活かすかまではわからないままでしたが。
成功するかどうかはともかく、ただ経営者として考え方や行動する意味は概ね理解出来た気がします。

今回はここまで、
まとまらない酷く読みにくい文章にお付き合い下さりありがとうございました🙇

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