見出し画像

とつとつダンス・マレーシア イントロダクション・トークセッション

開催日時:2022年8月14日(日)17:00〜18:30(日本時間)
場所:on Zoom
内容:とつとつダンス・マレーシア イントロダクション・トークセッション
登壇者:カマル・サブラン、セシリア・チャン、砂連尾理、豊平豪(torindo、進行)
通訳:久米明子


***
和田真文(とつとつダンス制作スタッフ・編集者)

トークセッションでは『とつとつダンス』で行われている身体をほぐす動きを登壇者、参加者が一緒に行った。左上:豊平(torindo)、左下:砂連尾、右上:カマル、右下:セシリア

マレーシアで「とつとつダンス」を。

そのイントロダクション・トークセッションが、8月14日、日本とマレーシアをオンラインでつなぎ開催された。

登壇したのは、「とつとつダンス」でお馴染みのダンサー・振付家の砂連尾理と、サウンドアーティストで今後のワークショップに音楽で参加するカマル・サブラン、現地マレーシアで認知症のケアや啓発活動に携わるセシリア・チャン。170名を超える方が参加。質問が相次ぎ、現地での期待の高さが感じられた。

マレーシアでは現在、認知症者を「在宅で家族がケアする」という考えが強く、ナーシングホーム(養護施設・老人ホーム)のような施設で専門の支援者(介助者)が関わる機会は少ないと言う。

セシリアは「医療の観点から認知症を捉える傾向が強い。認知症者と話せない・伝わらないとしても他につながる方法はたくさんある。その手段を探っていきたい。政府にもアピールしたい」とコメント。「とつとつダンス」は、ここにどのようなかたちで関わることができるのか。

トークセッションでは、「特別養護老人ホームグレイスヴィルまいづる」で砂連尾が毎月行っているオンラインワークショップの動画を紹介。施設職員として「とつとつダンス」に関わってきた浦岡雄介さんは「(とつとつダンスに関わるようになって)入居者の表現や動きを、問いかけ毎に待つようになった」とのこと。

「待てない」というのは、”支援あるある”だと思う。私の体験だが、支援の仕事をしていたとき、後に控えている仕事や残り時間を考え気持ちが焦って、相手が何かを発する前に遮ってしまうことや相手のやりたいことに最後まで付き合えないことが残念ながらあった。砂連尾と入居者(ワークショップ参加者)のやりとりは、相手の微細な手の動きや言葉を辛抱強く聞き取り、受け取って進められていく。そんな積み重ねは、日々の仕事に追われる職員にも変化をもたらしたようだ。

今回、日本にいながらマレーシアの人々とつながることができたのは、もちろんオンラインの存在あってこそ。カマルと「とつとつダンス」は以前、COVID-19の影響を受け、急遽Zoomでワークショップを行っている。カマルは「音楽を流して距離のある人たちに何かを伝えることができるのか不安があった」と話す。実際ワークショップをやってみて、選曲の工夫などを凝らした上で「オンラインでもケアパートナーの支援もあって、直接会うのと同じようなつながりがつくれる」との新たな発見があったと言う。

最後に、参加者からの「認知症の進行度合いによってできることが違うのでは?」という問いに対するカマルと砂連尾の答えが、印象に残ったので紹介したい。

「反応は異なるが、必ず何かしらの反応があるのは確か。誰が参加するのかわからないが、そこが楽しみ」(カマル)。

「踊っていなくても、画面からフェードアウトしていっても、何もしていないように見えても、それをそれとして受け止め、踊りだと受け止めたい」(砂連尾)。

マレーシアの認知症者&ケアパートナーとの「とつとつダンス」ワークショップはまだはじまったばかり。

詳しい情報はtorindoまで。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?