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「これ、ワンオペ育児だわ」と思ったけど甘かった。だからエールを贈りたい。

ムスメを産んで1ヶ月がたつころ、実家から自宅へ戻った。

そのころ夫は仕事が忙しく、毎日帰宅するのは23時前後。夫がムスメを世話できるのは、朝起きてから出勤するまでのほんの10分程度だった。

そんなわけで、平日はほぼムスメと二人きり。家事と育児の99%がわたしの担当だし、まもなく仕事も再開した。

「これ、平日に限っていえば、ワンオペ育児じゃない?」

そんなふうに思っていた。

(ワンオペ育児とは、“配偶者の単身赴任など、何らかの理由で1人で仕事、家事、育児の全てをこなさなければならない状態を指す”ーコトバンクより引用ー)

さいわい、ムスメは昼も夜もよく眠る。ひとりきりで家事と育児をしていても「ヒマだー」と思う瞬間があるほど。我が家の“平日ワンオペ育児”は、特に問題はなかった。


が、そんなある日、夫が出張に出かけた。

ムスメとふたりきりで迎える初めての夜。いつもどおり、ムスメをお風呂に入れて寝かしつけをし、暗い部屋でふうと息をつく。

そのとき、ゾゾゾと恐怖に襲われた。

(今晩、ムスメが急に体調を崩したらどうしよう。夜中に吐き戻したおっぱいが喉に詰まったら…。夜間診てくれる病院ってどこだっけ。車で行くべき? 救急車を呼ぶのはどんなとき? いや待て。そもそも夜中にわたしはムスメの体調の異変に気がつけるのか!?)

昼も夜も、ムスメを守る使命になんら変わりはない。しかし暗闇というヤツは、まったくむやみに人の恐怖心をあおる。わたしは最寄りの救急病院を調べ、iPhoneの緊急電話のかけ方を確認し、車のキーを枕元においた。

責任が重すぎる、と思った。

これがワンオペ育児か、とも思った。

夜は、ムスメが眠れば当然わたしも眠る。はずの、その夜でさえ、たったひとりで子どもを守らなければならない。子どもの変化に気がつけるのは、自分ひとりしかいない。なにかあったとき、ひとりで考え、ひとりで決断して対処しなければならない。

こんなの、寝ても寝られない。

ぐーすか眠って夜泣きにも気づかない夫でも、夜隣にいてくれるだけで安心する。怖い夜も、重すぎる責任も、二人で分かち合っていると思えばずっと気がラクだ。

夜23時に夫が帰ってくるわたしの育児は、ぜんぜんワンオペじゃなかった。

ワンオペ育児の真相は、24時間、朝も昼も夜も、ひとりきりで子どもの命に責任をもつということだった。

世の中には、さまざまな事情でワンオペ育児をしている人がたくさんいるはず。すごい。ほんとすごい。心から尊敬する。

できることなら解決策や改善策を書きたいのだけど、わたしはそんなに器用じゃない。だからせめてエールを贈らせてほしい。

毎日、たったひとりで、小さな子どもの命を守っていて、さらに笑顔まで守っているあなたは、すごい! 怖い夜も、寝るに寝れない夜もきっとたくさんあるだろうけど、それだけあなたの危機管理能力と判断力と人間力が格段にアップしている! と、わたしが保証する。

あなたはすごい! 立派だ!

どうか、このエールが、ぐっすり眠れる夜となって、ワンオペ育児をしている人たちに届きますように。(急にメルヘン!)

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