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「テスト」のはなし
その施設は「天使園」と呼ばれていた。
私はその頃、関東の小学校から来た転入生で、
初めて耳にした「天使園」とは何なんだろう?と、不思議に思っていた。
身近な人は、
そこに大きくなって子どもが着れなくなった洋服を持って行った、と話していた。
同級生からは、
親と食事に出かけたとか、親とデパートに行ったとか話したら駄目、
と言われた。
特にそこで生活している彼らに違和感を覚えたことはないけれど、
忘れられない出来事はあった。
ある女の子は、返ってきた答案の「×」を適当に「○」にして、
点数も恐らく適当に加算して書き換えていた。
70を90点に、とか、書き換えやすい数字に。
明らかに先生のペンとは違うペンなので、
そんなことしても簡単にバレてしまうだろうと私は思っていたのだけれど、
彼女はずっと続けていたので、
天使園の先生がそこまで見ていないか(気付いていても黙認していたのか)、
たまに会う親に見せるための一時しのぎだったのかもしれない。
うさぎのみぎてさんのページを読んで
私はそんな出来事を思い出した。
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