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不動産鑑定士の実務修習・修了考査(概要編)

ととすみ、と申します。
noteは始めたばかりですので、拙いところはご容赦ください。
私は鑑定業界ではない会社に勤めつつ、第16回実務修習を1年コースで受講し、
再考査を経ずに一度で合格しました。
修了考査の動向、留意点等について、特に実務修習生の方向けに記していきたいと思います。
雑多なところはありますがご容赦ください。
今後、試験対策なども投稿したいと考えています。
なお、最新の試験制度等は必ず連合会等の公式情報をご確認ください。


試験制度

概要

不動産鑑定士になるためには、以下のプロセスを経る必要があります。

①短答式試験に合格し、
②論文式試験に合格し、
③実務修習を受け(全課題で認定取得。非認定を解消しないと④に行けない)、
④修了考査(記述・口述)に合格し、
⑤国土交通省(地方整備局)に登録する

本記事は④にフォーカスしてします。
修了考査の日程はコロナの頃は変動がありましたが、概ね1月に実施されます。
記述を土曜午後に2時間(全員同じ)、
口述を指定された1週間の月〜金のいずれか1日(人によって実施日・時間はランダム。連合会が公表する受験案内によると標準実施時間25〜40分。)
で実施されます。


配点・合格点

①記述100点、②口述100点です。
受験案内によると、修了考査委員会において定める配点率により、
①と②の得点を按分し、その合計を総合点(100 点満点)とし、
合格点は、総合点の60%を基準として、修了考査委員会が相当と認めた得点。
ただし、記述又は口述の各成績のいずれかが一定の基準点に達しない場合には、
不合格とすることがある。

記述は配点が問題用紙に記載されていますが、
口述は何を答えられたら何点、という基準は特に公表されていないです。
記述・口述のどちらかが偏って得点できて総合点で基準以上でも、
片方が基準点未満だと不合格になる場合があるので、
バランスよく記述と口述の対策をする必要があります。

再考査

1月の記述・口述試験(以下「当初試験」)で合格点を取れば修了考査完了です。
合格点に達しなかった場合には大きく2パターンがあります。

●一号再考査=口述及び記述の双方が基準点に達した場合
→5月頃に口述のみ再挑戦となります。合格すれば修了考査完了です。
 不合格の場合は再度実務修習を受けることになります。

●二号再考査=口述及び記述の片方が基準点に達しなかった場合
 三号再考査=口述及び記述が両方、基準点に達しなかった場合
再度実務修習を受けることになります。

要は口述・記述の基準点を両方クリアしないと実務修習のやり直しが確定します。
なお、再度実務修習を受ける場合には、課題の数が一部簡略化されます。
(詳細は割愛します)

合格率

令和5年に行われた不動産鑑定士の第16回修了考査の結果は、
当初考査で合格率60.4%(前年59.8%)、
当初考査・一号再考査を併せた合格率72.7%(前年79.5%)です。
https://www.fudousan-kanteishi.or.jp/wp/wp-content/uploads/2023/06/0_saikousa_16goukakusyahappyou_20230623.pdf

1月の当初試験で合格できた割合は約60%、
一号再考査(口述のみ再挑戦)で合格した人を加えると約70%となっています。
裏を返せば、約40%は当初試験で不合格となり、
約30%が実務修習のやり直しとなってます。

修了考査は、短答・論文試験に合格し、
実務修習の認定を経た人のみが受けられる試験です。
そのため、受験者のレベルは総じて高いと思われます。
にもかかわらず、合格率はかなり厳しい状況です。

さらに厳しい状況を裏付けるのが、当初試験に不合格だった場合の
一号再考査(口述のみ再挑戦)が受けられない割合です。

第16回修了考査の当初試験では、受験者が154名、不合格者は61名でした。
61名のうち、一号再考査の対象は28名です。
残り33名(全体の約20%)は当初試験終了時点で実務修習のやり直しが確定したことになります。

不動産鑑定士が公的鑑定を受託するためには一定の実務年数が条件になることもあり、スムーズに修了考査を終えたいところです。
また、実務修習は精神的・金銭的に負担が重く、長期化は避けたいところです。

従前の修了考査は、余程のことがなければ合格する、
万が一当初試験がダメでも再考査があるので9割方受かる、というものだったようですが、油断せず準備をしないと厳しい結果が待っているかもしれません

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回以降、試験対策について触れていきたいと思います。


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