
【創業6年目で初の評価制度をつくった】SIVAは人の長所を伸ばして成長する会社だよという話
こんにちは。デジタル広告のDXプラットフォーム「Squad beyond」を運営している株式会社SIVA、代表の杉浦です。
創業から5年と半年が経ったタイミングで人事評価制度を作り、この4月から運用を開始します。なぜ、このタイミングで今までふんわりぼんやりしてた評価を「評価制度」にしたのか。
その説明と背景、想いを書いておこうと思います。※主に社内向けです。
なぜ今なのか
2022年4月のタイミングで全員の給与をベースアップするからです。
ベースアップするという意思決定に至った理由は、
①SaaSへの事業転換が軌道に乗り業績が良くなった
②良くなっていく業績の継続性が見えた
③採用できる人の数もレベルも上がった
という事業状況の中で、
・既存メンバーにもっと自分の重要性を感じてもらいたい
・もっともっと思い切り(安心して)仕事にコミットできる給与を出したい
・これから入るメンバーのミスマッチを防ぎたい
・きちんと還元する意思を行動で示したい
と考えたからです。
とはいえ弊社は今まで昇給やボーナス、インセンティブがほぼほぼ
「えいやっ」「こんぐらいいったれ!」
という算出方法でした。
それに加え、メンバーがこの1年半で12~3名→40名ほどになったこともあり、給与改定のたびに発生する説明コストもメンバー数に比例して高くなっていました。
このような評価が明文化されていない組織では、いつまでも経営層が直接現場に入り続けなければならず(=権限移譲の進まない組織)、成長の足かせになるのではと強い危機感を抱くようになりました。
どうやってつくったのか
・「今の事業成長は何によってもたらされたか」
・「人が増えても失いたくない良さはどこか」
・「人が増えたときに変わるべきはなにか」
・「評価制度をどのレイヤーのどのメンバーが見ても今後数年間の道筋と今日明日やることをイメージできるか」
・「人が増えても運用可能かどうか」
を杉浦(CEO)、明石(事業部長)の2人で話し合い決めました。
その上で、昇格昇給の仕組みや、手当ての種類、運用方法を杉浦が決めました。詳細な仕組みは杉浦がほぼ一人で決めています。
いま40名ほどの組織が、もう1〜2年で少なくとも「150名ぐらいの組織になると仮定した上で今必要」なものを作りました。
ちなみに、外部のコンサルや、他の企業の方へのヒアリングは一切行っていません。
その道のプロが今回作った制度を見たら「うまくいくわけないよ」と思うかもしれませんし、車輪の再発明をしようとしているのかもしれません。
が、答え合わせは早くて1年後ぐらいですかね?会社が成長していれば成功だったと胸を張ろうと思います。
評価制度で何を伝えたいのか
伝えたいメッセージは、
「SIVA全員で積み上げてきたを歴史を評価・還元し、カルチャーという礎にしてさらに成長しよう」
です。
実務の忙しさにかまけ、評価制度をつくらずにベースアップを実施してもよいのでは?と考えがよぎったこともありました。
ですが、この先も長期的に良い給与を出し続けていく=成長し続けていくには今回のベースアップ(つまりSaaSへの事業転換の成功)が何によってもたらされたのかを明確にしなければなりません。
「何を大切にし、何にコミットし、どう行動した結果、業績がよくなったのか」
を要素分解し、良いところを伸ばすことで成長に再現性を持たせる。
そしてその再現性の源泉が誰でも分かる形になっている状態をつくりあげることが評価制度の存在意義であると考えました。
だからこそ、この評価制度で一番伝えたいメッセージは「新しい決まりを作ってそれを守らせる」のような新たな細かいルールを課すものではなく、
「SIVA全員で積み上げてきたを歴史を評価・還元し、カルチャーという礎にしてさらに成長しよう」
なのです。
今まで、みんなに厳しいこともたくさん言ったし、もしかしたら不安にさせたこともあったかもしれない(いやきっとたくさんあっただろう)
でもめげずに諦めずについてきてくれて、今そのおかげで「あの時諦めずに良かった」と言えることがたくさんあると思う。
そういう積み上げてきたものを、思い出話で終わらせずもっともっと良くして次の時代につなげたい。
成長の糧となった3要素を、何倍も強固にしてさらに何十倍も成長する
■どれぐらい成長したのか
2年半の開発期間を経てSaaS事業への転換が本格的にスタートしたのは2020年7月、Squad beyondリリースのタイミングです。
今いるメンバーの多くはそれ以降の入社です。創業初期のメンバーがカルチャーや仕組みの土台をつくり、その上で新しくジョインしてくれたメンバーが大活躍をしてくれたおかげでこの転換はうまくいき、成長軌道に乗ることができました。
具体的には、正式リリース発表時から
契約アカウント数25倍
新規リード毎月約1000件
ARR一桁代後半億円
解約率1%前後
6ヶ月以上の長期契約率90%以上
のように、各部署が着実に成果を出してきています。
マーケ、セールス、CS、コーポレートと、みんな当たり前のようにやってるけど、1年半でこれだけの数字を積み上げるには言うまでもなくメンバー個々が高いレベルで努力とコミットを継続してきたからです。
(でも正直もっともっと成長できるとも思えるんです。)
■高いレベルで努力とコミットを継続し成長できたワケ
個々人の成長(スキル成長へのコミット)
強いプロ意識(成果へのコミット)
他者(社)貢献意欲(カルチャーへのコミット)
の3つの要素が強固だったからだと考えています。どれが欠けても成長は難しかったし、どれか一つでも欠けてしまったらSIVAでは無いとハッキリ言えます。

土台であるカルチャーへのコミットを起点にして、それぞれが干渉し合い高め合うことで事業成長という結果を得ました。
(かの有名なAmazonのFly wheelに人材観点で当てはめてみた)
3つの要素に対し、これまでの貢献度とこれからの期待値を可視化し評価する
■具体的に何がどうなるか
・評価制度の新設
・給与体系の変更
を行います。
評価制度を新たにつくり、評価制度に合わせて給与が変動する給与体系に変更します。(あたりまえのことなんですが)
■給与体系について。
【今まで】
→
基本給のみ
【これから】
→
基本給
+
カルチャー給
+
職位手当
に変更し、重要な3要素に対しどれだけコミットしたかをそれぞれ可視化し給与と手当てに反映します。
※通勤手当・家賃手当は評価制度に関係ないので今回は省いています
■基本給について
まず、基本給について。
役職に応じて決まります。役職は"どの範囲まで"成果へコミットするかにより変動します。つまり、自分の持つ責任の範囲で基本給が決まります。
※役職の中に、マネージャーや部長クラスと同じレイヤーでそれぞれスペシャリストという役職を用意しました。"マネジメントは得意ではない"もしくは"やりたくない"が、「スキルは同じレイヤーで誰よりも高い」のように特性が飛び出ている人を生かすためです。

役職への抜擢については、「できる可能性があるか+やりたいと思っているか」が基本的な考えです。
「マネージャーできるようになったからマネージャーになる」ではなく、「できそうな人がやりたいと思ってるならチャレンジしてもらう」です。
※マネージャーのあるべき姿とは?という社内基準もありますが評価制度とは文脈が異なるので今回は割愛
■カルチャー給について
カルチャー給は、入社した時点で固定額5万円が必ず支給されます。
これは、SIVAのカルチャーを理解してくれている前提で入社してもらっているため、入社している時点で無条件でつきます。
入社後 、カルチャー給はSIVAカルチャーの体現度合いにより変動します。

カルチャー体現度合いは、バリューと行動規範を採点し評価します。
大項目としてバリュー「5つのB(beyondのb)」があり、体現方法としてそれぞれに5つ行動規範が存在し、計25個の行動規範があります。
行動規範1つ1つを0~5ポイント(5×25=合計125ポイント)で評価します。
(ちょっと多い気がしてるのも事実ですが、運用していく中で合わせたり減らしたりしていこうと思います。途中から増やすのはむずかしい。)

入社時点でついている5万円は、最低限のカルチャー理解を意味しているので、全体のポイントの1/4〜1/2にあたる、32ポイント〜62ポイントまでは一律5万円です。
32ポイントを下回ると、基本給を母数としてカルチャー給が最大15%ダウンします。
62ポイントを超えれば基本給を母数としてカルチャー給が最大40%UPします。
■基本給30万円の場合
→最大12万円のカルチャー給増
→最大4.5万円のカルチャー給減
■基本給50万円の場合
→最大20万円のカルチャー給増
→最大7.5万円のカルチャー給減
の基本給アップが可能です。
つまり、スキルやマネジメントの上達に差があっても、役職を必ずしも上げげなくても、カルチャーの体現度合いで自分の給与をあげられるということです。
「下がる可能性のある金額もそんなにあるのか」と思うかもしれませんが、圧倒的にアップサイド幅が大きいです。しかも、基本給が高い=役職が高い=カルチャー体現してる前提なので、そもそも上がれば上がるほど上る可能性の方がダントツで高くなります。
またカルチャー体現は会社の第一目標ですので、32ポイント以下のメンバーが生まれないように、もっというと62ポイント以下のメンバーすらも生まれない用にチーム運営していくことがマネージャーのKPIに含まれます。
会社として、評価される人を増やし給与を上げていきたいと思っています。なので下がるリスクを考えずに思い切りやってもらいたいです。
【評価の目安と、誰が評価するか】
ここはスコア化が難しい部分です。
本人、上長、経営幹部で採点し評価しようと考えています。基本的な考え方は、半期ごとに目標を定め、「ココを目指す」と決めたことに対してどこまでやったか。
下記の基準のもと3者で採点していくイメージです。

※採点方法は、今後変更される可能性が高い箇所だと考えています。時代や会社の状況に合わせて柔軟にやっていきたい。
■職位級について
それぞれの役職の中で、チームごとに5段階のヒューマンスキルと実務スキルの基準を用意しています。

それぞれの役職ごとに、1~5段階で「これができる」という大まかなスキルセットが決められています。
例えばマーケティングチームで言えば
1.事業を0から作れる
2.他部署や社外パートナーと事業を推進できる
3.オンライン・オフライン関わらずあらゆるマーケティングを実行し成果を出せる
4.デジタル広告が扱える
5.デジタル広告の一部が扱える
※上記A~Eはあくまでも例で、実際の基準ではありません。
のように、できることに応じて職位給(スキル給)が変化します。
スキルは事実でしか無いので、誰が評価するでもなく、できるものをそのまま評価します。
評価するスパンは
半期に1回の給与改定があります。
毎月3者(本人、上長、経営幹部)で評価を行い、半期の平均点で採点し給与に反映していく予定です。
予定と書いたのは、現状は半期に1度給与改定ですが、評価も給与改定もまとめて四半期に1度の方が業務実態に沿うのでは?などの検討余地があったためです。
このあたりも運用開始後に柔軟に変化していきたいと思っている箇所の1つです。
年収レンジの目安
実際、現場(役員未満=事業部長まで)でどこまで年収目指せるのか。
下記が大体の目安です。
・メンバークラス(部下が居ない現場メンバー):480万円
・リーダクラス(チームを持つが数字を持つ範囲は狭い):700万円
・マネージャークラス(チームと数字に責任をもち、メンバーを導く):950万円
・プロジェクトマネージャー(1事業の数字と人に全責任を持つ):1200万円
プロジェクトマネージャークラスになると特殊スキルやウルトラCスキルを持ってる方も多いので、基本給もスキル手当ても「時価」というレンジを用意してます。(スキル給は交渉と合意次第という余白も残す)
エンジニアは?
エンジニアも基本的には同じ方法で評価し給与を決めていきます。
ただ、エンジニアは特殊スキルや、本人がメリットに感じるポイントもビジネス職とは大きく違うことも認識しておりますので、柔軟に変えていこうと思います。(特に専門スキルの側面)
今回の評価制度は、特に「カルチャー」部分の評価に重きを置きました。
その上でカルチャーを損なわずにスキル特性や性格・将来のビジョンなどを個人に寄り添えるように設計しました(つもりです)
まとめると
簡潔にまとめると、SIVAは今回の評価制度変更で
・「自分以外の責任を持とうとしてるか」
・「カルチャーを体現してるか否か」
で基本給が変動し、
・「個人成長してるか否か」
で手当が変動する。
という評価制度にしました。
SIVAという会社はメンバーに「すべての目標を達成してもらい、全員・全項目の評価を上げ、給与をアップ」させ、「給与アップと会社の成長を密接に連動させたい」と考えているということです。
今後は
今回、人事評価制度を新しくしましたが、もちろん一生これというわけではありません。会社のステージが上がればベースアップを再度行ったり、制度変更を行う機会は必ずまた来ます。
とかく目的は、カルチャーを体現し成長に繋げられること。
(人数やその時の状況で実態にそぐわなければ柔軟に変えていきます。)
終わりに
SIVAの経営理念は
「最も人を生かす企業でありつづける」
です。
これは、創業初期に掲げた理念です。
しかし正直に話すと、「事業内容と直結してないのかも?」「この理念は会社の成長につながるの?」と思ったことが何度もありました。
でも、改めて6年目に入った今思い返してみると、この理念のもとに集まった仲間が困難を乗り越えながら成長を実現しSIVAを創ってきたと、自信を持って言える自分がいました。
この理念を礎に、どれだけ規模が大きくなってもSIVA独自のDNAを薄めること無く成長を続けていきたいと思っています。
僕にとってはここまでついてきてくれた仲間、信じて入社してくれた仲間、大事な息子や娘を預けてくれている社員の家族、みんながとても大切です。
できることなら全員の家族に会って、お酒でも酌み交わしながら語り合いたいぐらい。
(実際何名かはご家族に会ってるし、現社員の半数ぐらいは私の実家に来たことがある。コロナがもう少しマシになったら、みんなの家族が集まれるイベントもしたい)
そんな仲間とともに、
歴史に残るような仕事を、
自分が死ぬまで誰かに語り継げるような仕事を、
皆で作っていきたいと本気で思ってます。
社員のみんな、これから一緒に働くかもしれないみんな、今後とも宜しく!
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