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ととろん学級思い出日誌

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作者が15年間小学校の先生として子どもたちと過ごした日常の中で、 印象深く心に残っている出来事を、綴っていきます。
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2022年5月の記事一覧

子どもとの出会いで教師は成長する~仲良しさんクラスの子ども達編エピローグ~(後)

だって、その子は、知識も、人間性も、体力も、一年間何にも成長していないのですから。 それ…

ととろん
2年前
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子どもとの出会いで教師は成長する~仲良しさんクラスの子ども達編エピローグ~(前)

出来事ごとに綴って行けたら。そんな思いはいつもあるのだけれど、 どうしてもその子達の思い…

ととろん
2年前
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席は離れても、心は一つに(6・了)

「ああ、疲れたぁ。」 教室に帰ってきた子ども達は、無事に卒業式を終えた安心感と、 緊張感…

ととろん
2年前
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席は離れても、心は一つに(5)

「どうしても不安になったり、イライラが高まってくる時は、このクラスの仲間をちらっと見てご…

ととろん
2年前
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席は離れても、心は一つに(4)

「ほんと、あいつら、ちゃんとしろよってもうイライラした!」 おっしゃる通り。 「なんで自…

ととろん
2年前
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席は離れても、心は一つに(3)

「・・・・では、どうぞよろしくお願いします。」 卒業式の練習が始まる前々日。職員会議で式…

ととろん
2年前
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席は離れても、心は一つに(2)

静かに話を聴きながら、うんうん、と頷く子どもたち。 本当に、真剣に耳を傾けてくれる。 だからこそ、伝わるように、気持ちを込めて。僕は続けた。 「みんなにとっては、人生で最初の卒業式で、それも去年は自分たちの感触では、上手くできなかったなと苦手に思う気持ちもあると思う。けど、今先生が話した2つの願いのうち、2つ目の願い。おうちの人たちに、安心して喜んでもらえるかどうかは、先生は何も手助けしてあげることはできない。横から名前をはきはきと呼んで、みんなに元気を伝播させるくらい

席は離れても、心は一つに(1)

仲良しさんクラスの子ども達の最後の試練がやってきた。 それは卒業式。 儀式的な行事は、仲…

ととろん
2年前
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喧嘩も最後までとことん(4)

「まずは、顔が見れてよかった。もう土日挟んだら4日も顔見てないから。で、その上でだけど、…

ととろん
2年前
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喧嘩も最後までとことん(3)

月曜日になった。やはりあんちゃんは欠席だった。 このままずるずる行ってしまうのは3日以上…

ととろん
2年前
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喧嘩も最後までとことん(2)

「・・・・というわけで、あんちゃんと先生は昨日の放課後に大喧嘩をしました。なので、あんち…

ととろん
2年前
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無力さから学んだこと(後)

お母さんは、自分が話を聞いてもらってもいいのかと尋ねられたので、 もちろん大丈夫ですと伝…

ととろん
2年前
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無力さから学んだこと(中)

しかしその週に一度の家庭訪問が、1か月ほど(4・5回ほど)続いた頃、 再びお母さんから「…

ととろん
2年前
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無力さから学んだこと(前)

前日までの、『お泊りミッションを成功させろ』を書き終えたところで、 このクラスを受け持った一年間で、一番自分が何もできなかった、 そんな無力さを感じたある子どもとの関わり方について、 書き記しておこうと思い立った。。 【ととろん学級思い出日誌】は、子どもと僕のすったもんだが自分にも、 良き思い出として残っているものを、楽しく面白く読んでもらいたい。 そんな思いで綴っていて、ネガティブな話題は、なるべく綴らないように。 という思いもあったけど、自分ではネガティブな