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#88 やはりワインは奥が深いという話

2月に入り、もう新年会シーズンも終わりましたでしょうか。

12月から1月にかけての年越しシーズンは皆さんお酒を飲む機会が多いですよね。そんな時候柄というわけでもないのですが、最近仕事でワインについて諸々調べたところ、いろいろ目からウロコだったのでまとめてみました。

ワインボトルには2種類ある

まずは皆さん、ワインボトルは2種類あるのにお気づきでしょうか?

今回イラストにも描きましたが、ワインボトルは大まかに分けると、イカリ肩のボルドー系と、ナデ肩のブルゴーニュ系の2種類が存在します。

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イカリ肩のほうは濃くて重くて力強い赤ワインに良く使われます。濃い赤ワインは、ワインの瓶の下の方に澱(おり)と呼ばれる沈殿物が溜まりやすいです。そのため、注ぐときにその澱がグラスに入らないようにするためイカリ肩になっています。ナデ肩の瓶は澱を気にする必要がない、繊細でエレガントなワインが多いです。そしてそもそも澱を気にしなくて良い白ワインは、こちらのボトルに入れられることが多いです。


デキャンタージュとは?

澱という沈殿物が入らないようにという話が出ましたが、これは赤ワインを「デキャンタージュ」してから飲む理由のひとつでもあります。「デキャンタージュ」とは、ワインを飲む前にデキャンタと呼ばれる容器(大きな三角フラスコみたいなヤツ)に一度移し変えることです。この移し変える行為によって澱を取り除きます。

「デキャンタージュ」するのにはもう一つ理由があって、それはワインを開かせるためです。ワインは酸素に触れることにより酸化され、自身に含まれているタンニンが和らぎ、豊かな香りが引き出されます。この行為を「ワインを開かせる」と言います。タンニンによる酸味がまだ強い状態を「ワインが閉じている」と表現します。ワインは開いた状態だと劣化が早まってしまうので、デキャンタージュした後は、さらに早めに飲む必要があります。

白ワインはタンニンが少ないのでデキャンタージュの必要がありません。スパークリングワインは炭酸が抜けてしまうので、デキャンタージュをしてはいけません。


ワイングラスの形の秘密

続いては、ワイングラスの形についてです。

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ワイングラスは上記のとおり、お酒を入れるボウル部分と、ボウルの底の方から伸びたステム部分に分けられます。

ボウルはもちろん、ワインを実際に注ぐ部分です。ボウル部分が膨らんでいるのは、ワインを沢山入れるため…ではなく、ワインの香りを滞留させる空間を作るためです。滞留した香りを少しの間でも逃がさないために、口に向かってすぼんでいます。

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ワイングラスにはさらに口の部分がすぼんだ細長いものもあります。これにも理由があります。口がすぼんでいる細いグラスは、飲むときにかなり傾けなければなりません。グラスをより傾けて飲むということは、直線的に飲む人の舌をワインが流れ落ちるため、塩味や苦味をあまり感じずに飲むことができるのです。

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人は舌の位置によって感じる味が変わります。上記の図を参考にしてみてください。


次にステムはグラスをスワリングするために使用します。ステム部分を指で挟んで持ち、反時計回りにグラスをくゆらせる行為がスワリングです。ワインの香りをグラスに広げたり、空気に触れさせて酸化させたり、ワインの粘度を目で見て熟成の度合いを確認したりするために行います。

よくドラマ(というよりはコント)に登場する、ワイングラスのステムではなくボウル部分を直接手のひらで持って、くゆらせているお金持ちの人が出てきたりしますが、あれは使い方が間違っています。ワインは温度によって味が左右されます。温度が上がれば甘味が強調され、下がれば酸味が強調されます。なのでそのワインにあった適温で飲むのが常套です。ボウルを直接もっては、人肌でワインがあたたまってしまうのです。そのような富豪を演じられるときは、あまり温度に味が左右されないブランデーを注いでおくのがよいでしょうw。


ここまで考えてくると、ワイングラスがいかにワインを楽しむために作られているのかがわかると思います。同じお酒の日本酒だって、ボウル部分があった酒器で飲んだ方が美味しいのではないかと思うのですが、またそれは後日まとめようと思います。酒の陣がある3月が近づいたらアップします。

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