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#61 インフラツーリズム

最近仕事をしていてもよく聞くようになりました、「インフラツーリズム」のお話。

「インフラツーリズム」とは…
公共施設すなわちインフラストラクチャーや土木景観を観光資源と位置づけ、実際に現地へ赴き観光旅行する行為を指す和製英語のこと。※フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋

ここで言う観光資源には、所謂「工場萌え」向け工場見学は含まれず、ダム、橋、分水、灯台、トンネルなどが該当します。多くの関連施設を管理する国土交通省も積極的な利用を奨励しており、政府が推進する訪日外国人旅行増加手段の一つの柱として位置付けています。公共的なものを環境資源とするので、自治体が取り組みやすいのかもしれません。

国土交通省が運営している公式サイトをのぞいてみると、各自治体や施設に委ねられている現場見学の他に、民間主催の見学ツアーもあるようです。

地域限定して申し訳ありませんが、地元を優先して新潟県だけで調べて抜き出してみました。

※北陸地方整備局管内の現場見学(6件)
1.新潟市:関屋分水路
  関屋分水路資料館で信濃川と関屋分水路の歴史、働きが学べる
2.燕市:大河津分水路
  資料館で展望室から分水路・最新の堰や水門施設を見学可能
3.長岡市:信濃川妙見堰
  妙見防災センターで信濃川の展望を見ながら妙見堰の役割を学べる
4.魚沼市:三国川ダム
  地下100mのダムの中にエレベータで移動し、下流へ水を放流するゲ
  ート室内を見学可能
5.聖籠町:新潟港海岸
  工事の様子や港の利用状況など見学可能
6.関川村:大石ダム
  ダムの外観やダム湖、インフォメーションセンターを見学可能
※民間主催ツアー(1件)
  1.新潟市:信濃川水辺整備(やすらぎ堤)信濃川ウォーターシャトル
  

ほぼ海や河川関係で占められていますね。

新潟県にも2箇所ありますが、やはりダム見学が人気です。人間が作り上げた巨大建造物で、ダムほど分かりやすいものはありません。河を堰きとめて貯水池を作るところも、自然に抗っている意志を感じますし、そこには必ず歴史や物語が潜んでいそうです。ダムカードを集めたり、ダムカレーを食したり、このツアーを盛り上げる仕掛けも色々と登場してきています。


このインフラツーリズムの流行の要因の一つとして、やはりNHKのTV番組「ブラタモリ」が挙げられるのではないでしょうか。私もよく視聴しますが、やはり面白いです。タモリ氏の博学っぷりもさることながら、毎回代わる代わるに登場する地元の案内人の方々が個性があって面白い。博物館の職員さんや地元の大学教授、あるいは役所の方だったりするのですが、やはりこの番組に出るとその放送日の翌日から、箔が付くというか職場で一目置かれるようになるんじゃないかなぁ。

大河ドラマ誘致や世界遺産誘致は世間でよく叫ばれていますが、各自治体による「ブラタモリ」誘致も裏では繰り広げられていたりするのではないでしょうか。

GPSを使って様々なものを巡るツアーも増えています。地方に眠っている観光資源が他にないか…。発掘合戦は今後も続きそうです。


追記:今回のイラストですがちなみに灯台カレーの灯り部分に刺さっているのはチーズです。そして背景だけでアップ。黒部ダム風です。


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