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シュペルター親父と歩む15年記 #11

コラム7:フランス旅行記 その1 赤の章


シュペルターと歩む15年記
前回、やっとのことで“ソロモンに帰ってきた!”のですが、
早々にまたまたコラムです。

あみだくじの選択肢に含まれていた
両親を連れて行ったフランス旅行記』ですが、
シュペルターの製作記事と並行して書き進め
”これも父親の生きているうち”に、と思っていたのですが、
間に合いませんでした

父の追悼作として、またコアラ!いやコラムに逆戻りしますが、
春の別れ』にて父親との別れに関する事は書き切れたと思いますので、
今回のコラムには寂寥感は微塵もなく、
もともと予定していた“旅行記“として書いていきます。


チェーンリアクション

中国赴任中の2012年に広州発の南イタリア旅行に行ったのですが、
空路に於けるヨーロッパの玄関はフランスのシャルルドゴール空港であり、
最終到着地 ナポリ空港へはここで乗り継ぎです。

往路の乗り継ぎは良かったのですが、
帰りはフライトの時間が合わず、空港での待ち時間が長すぎる。

それではいっそのことパリで1泊して、市内観光としゃれこんだのですが、なんとアタック25の優勝者は皆訪れる観光都市花の都パリなのに
あんまり英語が通じず、少し、いや、かなり大変でした。
パリはあなたを待ってないじゃん!)

そこで!次は必ずフランス語を覚えてリベンジしてやるぞ!
誓いを立てたのです。

あ~“リベンジ”といえば、思い出しました。
ナポリへ始めて行ったのは、1993年の大学卒業旅行でなのですが、
その頃は地球の歩き方にも、『ナポリは治安に十分注意して!』
などと書かれている時代でした。

ローマから電車でナポリを訪れたのですが、
駅に着いた瞬間から、地元の人にジロジロと見られ、
ジャッポーネ』『ジャッポーネ』というヒソヒソ声が四方から聞こえる。

ナポリ駅でうなだれる私と友人。もちろん二人ともこんなに恰好良くは無い!

ここまでノコノコやってきた目的であるナポリ近郊のポンペイ観光だけは、なんとか出来たものの、大の男3人そろって怯えまくり
ナポリ市街の観光はサンタルチア港をそ~っと見て、
早々にローマーへ逃げ帰ったのです。
(ローマでジプシーの子供に囲まれるほうが、まだ対処がしやすかった。)

それから約20年の後、2012年の南イタリア旅行
そのリベンジといえばリベンジです。
ナポリでは、ジャッポーネ!などと言われることもなく、
楽しく過ごしたのですが、まさか今度はフランスで苦汁をなめるとは!

まさに“復讐は復讐”の連鎖しか生まない”というやつです。

シャアによると、ガルマ様を謀殺し、ザビ家への復讐をしたとき、
”復讐の後の昂揚感もなく、むなしくなり自分で自分を笑った。”
という事だそうですが、
旅行の場合は安全さえ守れれば、”楽しいリベンジ”の連鎖で、
明るい笑いが起こります。

赤-紫対談

ガルマ様の時・・・むなしくなりました。
キシリア様流に言えば、復讐の後に何の昂揚感もなく、
ただむなしい自分を見つけた時、おかしくなったのです。
自分に笑ったのです。

機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙編

そして両親を連れて行ったフランス旅行翌年2013年。

2013年といえば、リベンジの起点となる1993年卒業旅行から
ちょうど20年目

そうです!卒業=就職であり、勤続20年で5日間の休暇がもらえるのです!
(原則その年のうちに必ず休みを取りましょうの義務付き)

前後の土,日の2セットと合わせれば、9連休!
海外旅行
も可能です。ブラボー

両親は中国旅行には招待していましたが、
ヨーロッパへは行ったこともなく!
また前の南イタリア旅行の時には、グズグズするポコぞうのダッコ
銭ファーもトトムも大変でしたので、
1年経過して更に体重の増したポコぞうの相手をする
ツアーメンバーを絶賛大募集中なのです。

そういうわけで“純粋な善意に基づき
元気な両親をフランス旅行に招待することにしました。
(あっ、招待とは言いましたが、
旅行企画ツアーコンダクト諸経費支払いはトトム負担ですが、
フライトチケット、ホテル代の基本料金はしっかりいただいております。)

チケットは手配しましたが、そこまで”キップ”が良いわけではありません。


旅行の企画

団体ツアーというのは、なかなかあわただしく、ゆっくり楽しめません。
見たい所をゆっくり見れないのは勿論、
行きたくない所でも、団体行動で行かなくてはならないのです。

航空チケットホテル予約フランス国内の移動ガイドの手配など、
大変ではありますが、自分自身で個別に行い
セルフオーダーメイドの旅行計画を作ったほうが、やはり良いのです。

フライトチケットは5人が近くに座れるよう、
ネットで一括予約して座席指定。
5人分となるとチケット代金は
クレジットカードの1か月上限額を超えてしまいますので、
カード会社に電話して一時的に上限金額を引き上げてもらいます。

今回は観光主体といえ、快適な宿泊も大切
ホテルは所在地によりリーズナブルリッチの組み合わせがポイント。

パリを拠点とした近郊の観光は、現地集合、現地解散の
マイバス社のツアーを予約します。
(結局”ツアー頼み”かよ!とは言わないで⤵
半日~2日ツアーまでお好みの内容と希望催行日を
かなり自由に組み合わせることができるのです。)

あとは都市間移動の手配。
フランスの超特急TGVはネット予約が可能です。

GTVの終着点アビニオンから南フランスの
プロバンスコート・ダジュールの移動は、
観光も兼ねて出来るように現地旅行社を探したのですが、
これが一番大変でした。

イタリアであればネットで幾つもの旅行社簡単に見つかるのですが、
フランス国内で個人希望に対応します、という旅行社がほとんどない
いろいろと探しなんとか1社見つけ、メールで交渉の末
大型車と運転手の予約をすることができました。

最後の仕上げは、トトム旅行社のツアーパンフレット作成。
これを事前に両親にも渡しておきます。

ガイドブックは長すぎるのでネットで調べた情報と写真を適当に編集してまとめる。


あと”リベンジ”の肝、というかきっかけであるフランス語習得は?
これを忘れちゃいけねぇや!

30日で話せるフランス語会話』ナツメ社 ¥1,500+税
驚くほど身につくフランス語』 高橋書店 ¥1,500+税
『デイリーコンサイス仏和・和仏辞典』 ¥2,600+税
を買って、2か月ほど自主勉強

フランス語や、ドイツ語、イタリア語などのラテン語系言語
名詞の性”による動詞形容詞冠詞など単語の変化があり、
テキストの例文のみだと、その文の意味はわかっても応用が利きません。
したがって辞書も必要になるのです。

ただ同じラテン語系でも、フランス語はイタリア語と違って
単語のスペルからして、どう読むのかイメージしにくく
また発音も日本人にはとても難しい

ヘウレウクスではない!フランス語も読めないが、発音を表した日本語も読みにくい。
(ひらがなの””は、でなく、喉からかすれた””という音を出す)

発音できないものは覚えにくい、ということで
イタリア語よりずいぶん学習が難しく
まぁ基本的な言葉がつかえれば良し!と妥協して出発です。
(リベンジよどこへ行く)

脳内旅行記

遅ればせながらの登場人物紹介(2013年時点での年齢) 
おじいさん(トトム父)77歳 
おばあさん(トトム母)75歳 
ポコぞう6歳
トトムは10年前だから44歳か!ポコぞうからは”トト”と呼ばれている
普通に”ママ”と呼ばれる銭ファーの年齢は…”ボクッ” 撲殺されました

あとは記憶の旅出発するのみですが、さすがに10年も前のこと
かなり曖昧な部分もあるので、
リアルタイムで走り書きしていたメモをもとに、
現地で撮影した写真参考にしながら
主観に基づいて脳内旅行記再構築していきます。

どうしても忘れたところを思い出す為とか、
いつもの通り本筋とは関係ない話何故いつもここに力が入るのか謎
に関してはインターネットで調べるかもしれませんが
旅行記そのものは、できるだけ当時の資料だけを使いたいのです。

目指すのは、正確な旅行ガイドではなく、
できるだけ下調べはしていったものの、実際に行ってみたら、
こうだった!
』という旅行記です。

正しい情報を調べるだけなら、何も旅行に出かけなくても、
今やインターネットで出来てしまいます。
実際に体験することそのものが旅行の醍醐味なのです。
例え肝心なところを見逃してしまったとしても!

極楽寺高良を参詣して、かばかりと心得て
石清水八幡宮を見逃した仁和寺にある法師さん!
”お前にとっての八幡宮は高良だ、気にするな!”
言葉遣い理屈乱暴になるのであった。

旅行の達人

石清水八幡宮を見ても、”こんなもんか!”と思う高僧がいたとすれば、
高良
を見て感心し敬虔あらたかな気持ちになった仁和寺の和尚さんの方が、
現地を訪れた甲斐があるというものなのだ。

現代の徒然草たる、『美味しんぼ』でいうならば、
心を込めて作った料理に対して、
”あの食材がダメ” だの、”この調理法が気に入らない” だのと
ゴネる海原雄山よりも、
ただ”おいしい”といって食べてくれるグルメでもなんでもない人のほうが
いろいろな意味で徳があり、得をしているに違いないのです。

美食家である以前に増長してはおらぬか?


第1日目

9月14日(土)11時30時 関空→17時 フランス着 パリ市内泊

6時30分に家を出発。そのためには5時台に起床。大変眠い
ポコぞうは自分で早く起きてくる。
えらいです。『いい子だから、きっとスマホくじが当たるよ。』
やったー、本当に当たり~

当時スマホゲームなどはインストールしていなかったので、
今となっては、一体何が当たったのか
このメモの意味が皆目わかりませんが、
なんらかのデータ上の特典であって、実物の景品ではないことは確か。

最近は毎日何かのガチャを引き、一喜一憂しているのだけど。

ガチャ日課 人はそれをゲームパトロールという

モノ”から”コト”に価値を見出すようになった時代なので、
なんでも”実物が良い”とは言いませんが、
リアルバーチャルということであれば、
やはり部屋に閉じ籠って、調べ上げた情報知識では、
幾ら正確且つ詳細であっても
実際の景色を見た感動や、人との思わぬ触れ合いをした経験
には敵わぬもの。

などと先ほどから、仁和寺の法師やら海原さんやらガチャやらで
クドく繰り返しているのは、
ここから書く情報は、薄まった記憶とも相まって正確ではないけれど、
さりとて調べ直したりはしていません。許してプリーズ
という弱気の裏返しなのである。

8時10分くらいに関空到着。
もうチェックインカウンターが開いている。

おじいさんたちも実家から新幹線でやってきて、合流。
一緒にチェックインするぞ~。

あれ?おじいさんがおらん

これこれ!おじいさん、
チェックインの時は一応本人がいないといけないの!
あちこち写真を撮りに、うろつかないでください。
だいたい、ここはまだ関空だよ

ユーロへの両替は3万円分
(そのうち半分近くが、ほどなく消失する運命ですが)、
そして中国生活時代に買っていたのに、いつの間にか無くなった
世界各国のコンセントに対応する万能アダプターも空港内のショップで
買いました。
(持参した4台のデジカメ1台のハンディーカムにも
ご飯を食べさせてあげないと。)

準備OK、いざ手荷物検査、出国審査へ。

搭乗前、カフェでお茶して、これからの旅行に思いを馳せる。
両親も含めてみんなでワイワイ、! 
出発前から友愛に満ちた、楽しい時間です。

搭乗ゲートへGo
10時50分。搭乗開始予定時刻の5分前からゲートオープン。
これは幸先が良い
だいたいゲートオープンは遅れるものなのですがね。

予定通り離陸。ファンタスティック! 
(ここで”本日の旅行運”を使い果たしたか?)

座席は、
(通路)じいさん、ばあさん、ポコぞう、トトム、(通路)銭ファー、他人
という具合に、チケットの表示通りに銭ファーはポコぞうと離れて
座ってみるが、ポコぞうは文句を言わず
おばあさんと機嫌よく遊んでいます。さっそく”ジジババ効果”発揮

トトムは Un Verre de champagne s’il vous plaitとか
入国前にはJ'aimerais bien manger viandeと
おそらくフランス人であるフライトアテンダントさんに
飲み物食べ物を頼んで、にわか仕込みのフランス語が
通じるかどうか確認。

でも調子に乗ってこういうことをしちゃうと、
エールフランスに搭乗している数少ない日本人フライトアテンダントは、
『あ~、この辺りは日本語で面倒見なくていいんだ!』と
ついぞ座席近くににやってこなくなり、
あとで本当に頼みたいことがある時に困ったりするんですよ。

シャルルドゴール空港に着いてから、ポコぞう『トイレ―!』 
女性用は当然混んでおり、
トトムと男子トイレへ行くも個室がずっとふさがっていて、
『はやく!はやく!』
ふー、おしっこなんとか間に合ったー。
でも入国審査の列に並んだ直後、また『うんちー』
銭ファーとトイレへ舞い戻り、後から来た人々の列に先を越される。

人波の去った後の入国審査

ポコぞうの『トイレ』コールはこの後も、度々”抜き打ち”で発令。
おむつをしてた頃は楽だったのですが。
いやそれはそれで、大変だったか!

パリは小雨が降っていました。

タクシーだと2台に別れるので、全員一緒に行動するためバス
パリ市内に向かおうと思います。

空港内をかなり歩いて、バス乗り場へ着き、
エールフランスバスの券売機でチケットを買おうとするが、
クレジットカードを受け付けてくれず、なのに現金もダメ
コアラ!券売機。働く気あるのか!

すると黒人のおじさんがやってきて、『お困りですか?』と
自分のカードでチケットを買ってくれる。
へー地元の人のカード特別なのか?
それともクレジットではなくプリペイドなのか?

感謝しつつ代金を現金80ユーロ(約1万3千円)を渡す。
他にもチケット買えず困っている人がちらほらいるようで、
黒人のおじさんからは『あなたラッキーです。』などと言われる。
(美しき国際的な友愛! だがこれがなんでやねん!の始まり)

バスが来るが、スーツケースを積み込んでいる係員に行先を聞くと 
『リヨン駅には止まらず、モンパルナス駅直行です。』
『クローズです。』
なかなか係員のフランス語が聞き取れないのですが、
どうにも乗りたいバスが来ない。なんでやねん!

モンパルナスまでバスで行き、そこからメトロ(地下鉄)に乗ったら?』と言われ、
それでも仕方ないかな、とモンパルナス行きに乗ることにして
黒人のおじさんに買ってもらった切符を係員に見せると
『それは電車用です。乗れません。』 なんでやねん×2

どうやらこの黒人のおじさん、
フランスの券売機がよく壊れているのを利用した
旅行者に対する詐欺なんですね。(よく見ると使用済み切符)

今も手元に残る、詐欺切符。パリ、シャルルドゴール空港と書いている。



もうええわ! 2台に別れるとしてもタクシーに乗るけぇ
タクシー乗り場へ行くと、小型車だけでなく、バンもあって、
5人+全員のスーツケースが一緒に乗れる。やったぜ!

しかもパリまで80ユーロだし、ホテルの前まで行ってくれるし、
最初からタクシーにしとけばよかった
(個人の感想です。パリのタクシー全てが安全かどうかはわかりません)

雨で渋滞。でも高速道路を降りて裏道をガンガン走って早かった。 

19時ホテル着。日本ではもう翌日の早朝2時です。

ホテルにチェックイン。ここはごく普通のホテルですが、
観光スポットから少し離れたリヨン駅付近なので、
お値段もそこそこで、部屋の広さもまぁ満足です。

観光の拠点、食事、ショッピングと何かと便利なのは
やはりルーブル美術館周辺なのですが、
2012年に泊まったこのエリアのリーズナブルなお値段のホテルは、
部屋が狭く、ベッドが邪魔して入口のドアが全開できないくらいでした。


さすがに移動の疲れでもうフラフラなのですが、
ポコぞうをおじいさんの部屋に置き、
最後の力を振り絞って、地下鉄リヨン駅へ銭ファーと二人で行きます。

目的は二つ
前回のパリ滞在でも苦労したのが、切符の自動販売機がちゃんと作動してくれないこと。
(あっ、さっそく今回も同じ目に遭ってしまったのですが、
過去の事は気にしないメンタルの強さが必要。)

明日からのスムーズなパリ市内観光のためには、
メトロの切符をまとまった枚数確保することが鍵です。
移動の時間を気にしている時に、作動しない券売機にあたってしまうと
焦って、詐欺に遭う人もきっといるでしょうから、
前日余裕ある時に切符の回数券を確保しておくわけです。
(パリ市内観光で乗るメトロの区間はZone1で
料金一律ですので前持って買っておくことが可能)

券売機の色の違いは今一つわからない



今回はうまく自販機がクレジットカードを受け付けてくれ、
30枚を入手して一安心。

つづいて目的の二つ目である国鉄リヨン駅の偵察に足を伸ばす。

路を間違えてロンドンのビッグベンに着いちゃいました!ウソですリヨン駅


実はリヨン駅近くのホテルを予約したのは、
なにも安くて居心地の良い部屋のためばかりではありません。
数日後に利用するTGVの発着駅がリヨン駅なので、
事前に下見が出来るのです。

どこ行きが何番線ホームから出るのか、どこに改札があるのかなどを
事前に確認しておくと安心です。

TGV乗り場 改札は…見当たりません
乗り場案内表示 TGVとそれ以外の列車も一緒に表示されている

ホテルに帰り、銭ファーが買ってくれていたインスタント食品
おじいさん達に分け与え、我々もお部屋で食べて寝るとしよう。
だってもうレストランとか行く体力残ってませんもの。

晩御飯はおにぎりと卵スープ。
スープの具を掬うのでフォークがいる!と、
この期におよび、ポコぞうが謎にグルメな主張をする。
スプーンで食べたらいいやん。』
具だけ掬いたいの!スープが好きだから、後で飲むから』

無いものは無い。無理です。
『贅沢を言わず、カップを直接手で持って飲んでくれ!』というと

『トトは自分のことぐらい、自分でちゃんとしなさい!』と
ポコぞうが反撃! 何々?何のこと?
『だって荷物をおじいちゃん、おばあちゃんに持たせて、
フラフラ歩き回って!』

あれはバス乗り場で荷物を見張ってもらっている間に、
チケットとか買ってたんじゃん。
(結局買えなかったけど⤵ あれ?意外とメンタルいっちゃってる?) 

『ポコ(自分のこと)がイヤな事を言うと、いうからね。』

トトムの至らぬ行動逐一チェックしておき、その場では指摘せず
後々交渉の切り札に使うつもりらしい。おそるべき6歳

第2日目

9月15日(日) ロアール地方の城巡り日帰りツアー:パリ市内連泊

ポコぞうも出発の少し前に起きる。
昨日の強行軍の移動の後、普通は朝寝したいところなのだが、
日本ではもうお昼過ぎで自然と目が覚めてしまう。
さすが時差ボケです。

6時30分にホテルを出発。リヨン駅からチュイルリー駅まで地下鉄、
そこから歩いてツアーを催行するマイバス社へ。

7時30分、観光バスでマイバス社を出発
ガイドさんは、おじさんでいろいろと面白い話をしてくれる。
『あれはマロニエの樹です。マロンというのはフランス語マロニエが語源なのですが、実際にはマロニエの実は食べられません。』
へー、何のことはないお話ですが、フランスで聞くとなぜかグッとくるね。


バスではガイドさんの席の近くになり、説明の合間に少し世間話
団体ツアーで来てるんですか?』とガイドさん。
いえフリーでの旅行の合間にパリ発着のオプショナルツアーを申し込んでいるんです。
『えっ!フランス旅行をフリーで!?
電車の発着時間も日本みたいに正確じゃないし、大変ですよ。
よくできましたね。』

以前4年間中国に住んでいて、
中国旅行も同じようなものなので慣れましたね。
フランス語も少し話せるように勉強してきましたし。

旅行熟練者みたいに言ってみたものの、昨日騙されたばかりだし。
できるだけ事前準備をする周到さも必要ですが、
最後は旅のテクニックよりも、、何かあっても動じない神経の太さが大切。

確かに中国生活で培われたのですが、いまや(2023年)日本に帰国して10年。さすがにもう自信ないかも。

途中一度サービスエリアで休憩してシャンボール城へ。
主塔の中央に2重螺旋の階段がある、雄大なお城です。

近づきすぎると大きすぎて、逆に雄大さがわからなるので、引き気味の写真がGood。
2重螺旋なのがわかりますか?うーんDNA

内装は?
主塔には広々とした部屋がありますが、割とガランとしちゃってます。

フットサルくらいなら出来そう。


そんなマロン、いやロマンあふれる歴史的建造物においても
ポコぞうはお腹こわしてトイレへ。
しかもなかなかトイレから出てこず心配。

しかし元気にトイレから出てくると、
中世の服の女の人(ショップ店員さん)と写真を撮ってもらう。

写真お願いしまーす。


お腹痛かったらご飯無理して食べなくていいからね。
『うん、あまり食べない。』(もともと小食なのです)

バスでレストランへ移動。
ポコぞう、バスが到着するや『お腹減った‼』
えっ、お腹減ったって!?
洞窟レストランで、本当にパクパク食べて元気そう

ツアー料金での食事には含まれないリンゴジュースも飲みたい、というので別個でお金を払って注文する。デザートのリンゴタルトも一口食べる。

その後シュノンソー城へ

バスを降りてから、お城へ続く木立の中を歩くのが心地よいです。

秋の散歩道



シャンボール城よりシュッとした感じの壮麗なお城です。

シェール川の上に建てられたお城


回廊の45度傾いた白黒市松模様の廊下がシュールです。
ここはたしか第一次大戦中は病院に使われたとかで、
戦死者の幽霊が出るなんて話をガイドさんがしてくれたんだっけ?

右の後頭部は銭ファーの


そうでなくとも、通称『黒の間』と呼ばれるダークなお部屋があるので陰鬱な感じが漂うお城です。
いや『黒の間』って呼ばれたんだっけ?
それとも雰囲気から勝手に自分で呼んだのだったかな?
その時もらった見学用ガイドの冊子には、『ルイーズ・ド・ロレーヌの居室』としか書かれてませんね。

黒い部屋ってか、暗い部屋にたたずむトムじいさん。

そのほかにもいろいろな調度が整えられたお部屋がたくさんあります。

一度は寝てみたい天蓋付きベッド


ここで唐突ですが、『Columns in コラム』のコーナーです。
ここまで書いて来て、観光名所に関する説明が思ったよりPoorなのに
気付きました。
そこで、旅行記ではないけれど、今読んでくださっているあなたに、
耳より情報を!というプラスアルファのコーナー。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
まずColmn 1は、フランスのお城に住みたいという方への物件情報

周囲にコンビニはなさそう。
黒の部屋への引き籠りに注意

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ポコぞうはシュノンソー城で観光終わりだと思い、
お城から出た後の庭園で大サービス。
トトムといっしょにポーズしておじいちゃんに写真を撮らせてあげる。

でもあと一つ、クロ・リュセというガリレオ・ガリレイゆかりの館
へ行くと聞き、行きたくないとぐずぐず~
でも銭ファーに抱っこされてしぶしぶ付いてくる。

館内の見学が終わったあと、広大な庭に復元されている
ダビンチのヘリコプターを発見。
ポコぞう、“回わしたいー”と集合場所から一時離脱し
トトムと銭ファーと3人で出発時間までの間、しばし遊ぶ。
絶対にこのヘリコプターは人力では飛ばないことを実感)

一生懸命回したが、そよりとも風を感じない。

帰りにまたパーキングエリアにバスが停車、『ひつじちゃんを買う―』
ぬいぐるみを買ってバスの中でみんなZZZ

間もなくパリというところで高速道路が渋滞して20時30分着。
元気なポコぞうもさすがに寝てて、銭ファーに抱っこされ、
みんなひたすらホテルへ歩を進める。

それでもポコぞう、信号のない道路を横断するときは、
銭ファーにだっこされたまま、ちゃっかり手を挙げて交通安全を確保

第3日目

9月16日(月) パリ市内見物(ルーブル美術館、オペラ座、モンマルト
ル):パリ市内連泊

夜の間雨。

早朝、ポコぞうが目を覚まし、
『今日は何するの?』
ルーブル美術館とかオペラ座に行くよ。』

『ルーブルへは行かない、ホテルで遊んでいる!』という。
そうなると銭ファーも一緒にホテルに残らないといけないが、
ルーブルには去年行っている。

今回はおじいさん、おばあさんのガイド役が主目的なので、
トトムだけで行けばいいけど、オペラ座は今回みんな初めて。

オペラ座にはおいでよ。』
『たのしくなーい。』

エトワールがバレエをする、綺麗なところだよ。』
『そういうの、たのしいっていわないんだもん。』

『じゃあ何が楽しいの?』
お絵描きとか!』

パリまで来てお絵描きか~(そりゃー6歳だもの)

ポコぞうの交渉が実り、ポコぞうと銭ファーはホテルでお留守番

おじいさん、おばあさん。トトムの3人でホテルを出る。曇り空。

でも晴れ間がだんだん広がってくる。

8時10分くらいにルーブル到着。人は思ったより少ない。
トトムは入場者の列にならんでるので、
おじいさん達は写真撮影の旅にでも行ってらっしゃい。
ただし遠くに行かないでくださいよ。

一応目の届く範囲をうろつくお二人

9時に開館。ルーブル美術館への入館はガラスのピラミッドから地下へ進むのです。

ルーブル美術館エントランス


モナリザとかミロのヴィーナスとか、有名な作品を
トトムのガイドで効率的に見てまわります。

名画との出会い


しかしルーブル美術館は建物自体芸術作品

スペクタクル ルーブル
そこもかしこもこんなんだから見るのが大変


とても半日やそこらでは見学しきれないので、本日は超短縮コースです。
2時間で要所を押さえて、11時に退出。

じっくり見たいならパリに住むしかありません。

ルーブルの駅で銭ファー、ポコぞうと待ち合わせ、
ポコぞうは銭ファーに抱っこされ(やっぱり)、颯爽と登場

歩いてオペラ座へ。
昨年来た時は建物の外観だけ見たのですが、
その時の記憶を辿って道を選ぶ。

パリの街は歩いているだけで楽しいです。

フランスのフランスパンおいしそう
かわいいディスプレイ


パレ・ガルニエ(オペラ座)
パレ・ガルニエ
が見えてきました。記憶の道 ビンゴ―! 
意外と近い。

外観は意外とこじんまり

普段はオペラバレエの公演とかするところですが、
館内観光のチケット売り場は裏側にあり、探すのに少し苦労します。

中に入るとスゴイ豪華さに目を奪われます。

ここに来て、どうする?どうしたいん?と面食らう豪華さ

ホールで何かの公演の舞台準備をしているのを
2階席からそっと見ることができました。

その分、自由にステージを見る事はできなかったけど、その雰囲気が素敵。
上を見あげればシャガールの天井画が圧巻です。

ハンディーカムの映像しかなかったので、ディスプレイを写真に撮るという荒業で公開

例の人物、パレ・ガルニエでもしばらく抱っこだったが、
豪華な雰囲気に次第に気分が上がり、
銭ファーの抱っこから降りて、くるくる踊る。

ここで踊ってました。



建物から出るとまだダッコー。今日はダメダメさん

パレ・ガルニエの中にいる間に雨が降っていたらしく、道路がびしょぬれ。

デパートラファイエットへ歩き、レストランでお昼ご飯。
ポコぞう、銭ファーとアイスクリームを分けて食べるといっていたが、
テーブルについてすぐに寝てしまう。

全然起きない。銭ファー、ポコぞうを抱っこして
地下鉄に乗りホテルへ帰る。お疲れ様。
銭ファーの博愛精神に頭が下がります。

その後、おじいさんチーム(メンバー:おばあさん、トトム)は
ラファイエットの万年筆売り場へ。

万年筆を求めてデパート内をさまよう


おじいさんはパリで万年筆を買いたいと聞いて
あらかじめ調べていたフランス語で店員さんに尋ねる。

Ou est le rayon des styro(万年筆売り場はどこですか?)
Je voudrais regarder ce-styrlo-ci(この万年筆を見せてください)
(あっ、多分デパートなので英語も通じると思うのですが、
フランスへの友情の意を示すため、頑張ります。
いや、ただ言ってみたいだけかも。)
 
450ユーロくらいのウォーターマンの万年筆
洒落たデザインで日本の文具店ではあまり見かけないものが
気に入りました。
結構高額なので、買い物好きのおじいさんも
どうしようかと迷った末に購入。

形見の万年筆



おじいさんはエスプレッソのカップ何故か気に入り、
それは、買わなくてもいいんじゃないの』という
おばあさんの反対を押し切って買う。

免税手続きしてからデパートを出ると、また曇ってて雨もパラパラ

天気が変わりやすいので、一か八かモンマルトルへ行ってみる。
ST‐LAZARE(サンラザール)駅まで歩いて、
地下鉄12号線でABBESSES(アベス)駅へ。

アベス駅はかなり地下深いところにあり、地上まで螺旋階段を延々と上る。マジしんどい

モンマルトルの丘へは階段でも登れるが、おじいさん、おばあさんに
配慮し(ついでに、自分の足腰の限界を感じ)
フニクレール(ケーブルカー)に乗る。

人が歩く階段のすぐ横を楽々登っていきます


バンドネオンの調べが流れる、モンマルトルの路地は
いかにも芸術の都って感じですが、
観光名所といえば、サクレ・クール聖堂があるだけで、
他に何があるわけでもないのですね。
いや、もしかしたらこの先に石清水天満宮が…ありません。

パリの街を一望


丘の上から、パリの眺望を堪能していると黒い雲がやってきて、
早々に退散することに。
でも歩き疲れてきたし、丁度いい頃合い。

帰りは歩いて坂を下り、少しでも”モンマルトルの街そぞろ歩き”気分。

おじいさんとおばあさんには仲良く手をつないでもらって写真撮影。

合計152歳のカップル


完全にヤラセ写真ではありますが、
異国の街、友愛の国フランスだからこそおじいさんも出来るのです。

ホテルへ戻ると17時半くらい。ポコぞうはずーっと寝ていた模様。
また明日早くに目をさますんだろうな。

トトムは少し休んで19時15分から偵察へ。
明日はモンサンミシェル宿泊なので、
一旦このホテルをチェックアウトしなければなりません。

モンサンミシェルから、またパリに帰ってくるのですが、
次に泊まるバスチーユ地区のホテルの場所確認。
(今泊っているホテルは満室だったのです。)

ついでにそのホテルのレセプションに寄り、
モンサンミシェルからパリに帰って来る18日のチェックインは
22時過ぎになると伝える。

あとメトロ バスチーユ駅の入りやすさもチェック。
エスカレーターやエレベーターなどは無いのが当たり前なのですが、
階段が狭かったり、急だったりするとスーツケース抱えて階段の上り下りが大変なのです。

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Colmn 2はパリ市内観光の立役者”メトロくん”の写真集。
駅ごとに意匠が凝らされており、全駅制覇に挑戦してみるのも良いのでは

本日訪問したパリの観光スポット格付けチェックは、
次回紹介のものと合わせてまた今度!
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とりあえず旅の始まり”赤の章”(友愛)はここ迄です。
旅行メモ原文だと約5000文字だったのですが、前振りやら、
写真を見て思い出したことなど書いていたら軽く1万2千字
超えてしまいました。

おまけに”Colmns in コラム”まで!

次回も、このハイテンションを続けられるかどうかわかりませんが、
いや逆にもう少し抑えて6000字くらいでまとめたいのですが、
どうなることやら。

それでは!A bientot.



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