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雪の降り始めにコーヒーを

紅葉が始まり寒くなると
「コーヒーの美味しい季節になるなあ」と楽しみでわくわくする。
旬の食べ物を食べられるようなそんな気分になる。

夏の間もコーヒーは飲んでいるのだが、アイスコーヒーにはホットコーヒーのような、そのぬくもりと香りでほっとするような気分は味わえない。

冬に味わう、小さな暖炉にあたりながら暖かいコーヒーを飲むときの、張りつめていた寒さの糸が緩むような感覚は格別だ。

今朝は、山に雪が下りた。
ムートンのブーツをごそごそと出してきて履き、ユニクロのフリースを羽織った。

トド夫に「あったかいコーヒーを飲みなさいね」とラインをして、職場で自分にドリップでコーヒーをいれた。

喫茶店でいれてくれたコーヒーをゆっくり飲みたい気持ちはあるけれど、職場で朝一に、自分で飲むコーヒーもそう悪くない。

最初にふっとたちのぼる香り。口の中にひろがるほのかな苦みと酸味。
こわばりがほどけて、これから一日が始まるぞ、と体が起きる。
「あー冬だなあ」と思う。

コーヒーのひとくち目は、ひとりで飲むのがいい。
喧噪のなかでも、誰とも話さず、ひとりで飲むのがいい。できれば外を眺めながら、ぼうっと何も考えず飲むのがいい。
完全な偏見だけれども、その時間はかけがえのないものだ。

安いドドールのドリップだって、最高の時間になる。もちろんインスタントだっていい。

たった3分ほどの、ひとくちふたくちを味わう静かな時間が、あるかないかで、1日が違う。

365日、かかさずコーヒーを飲む私の、ちょっとした冬の贅沢だ。

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