『バルコニー』

カーテンさえ閉めなければ
日の傾くのを感じとって
世界の一部であれるように思うのだが
この窓まで開け放って
風を吸い込もうとは思わなかった

私にとって世界とはその程度だった
これは全く考えてみればのことで
もう一方の頭では降り頻る雨の一粒さえも
取りこぼしてはならないように思っていたはずだった

洗濯物を干すためにバルコニーへ出る程度でよかったのだ

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