『青と青以外』

青に目が慣れて 空が無色に見えていた
そこに白く浮かぶ入道雲の形の方に 色彩を見た

無味乾燥などと言いつつも
干涸びカサついているのは 私の心の方であった

ただそう自覚しながら私は
水を求めるでもなく 空を仰ぎ見ていた
雨を待つでもなく 雲の流れ行く様をみていた

青に目が慣れて 何もかも青に見えていた
群青の影に沈んで 鮮やかな感動を探していた
そんな時に無軌道な入道雲が ゆるりと横切っていったのだ

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