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読書レビュー 「行動観察」の基本
面白さ★★★★★
オススメ★★★★★
難しさ★★★☆☆
ページ数:326
ひとことで表すと…行動観察とその方法について知ることができ、自分でも実行したくなる本
ここで言う行動観察は、ビジネスにおいて新たなイノベーションを生み出すためにする、その手段の一つのことである。
行動観察は、イノベーションを実現する方法論で、大きく分けて以下の3つの段階がある。
1.観察
2.分析
3.ソリューション
このステップで行動観察を実行する上で重要な要素として、「FIRE」と呼ばれる4つの要素がある。
1.FACT 事実の収集
2.INSIGHT 洞察、解釈
3.REFRAME 再構築 新たな発想
4.EXTENSIVE KNOWLEDGE 幅広い知見
FACTは事実の収集で、INSIGHTはさまざまな事実を統合的に解釈したものであり、事実から導く。REFRAMEで新たな発想でソリューションを提供、この一連の流れを実行するのに必要となるのがEXTENSIVE KNOWLEDGE、幅広い知見となる。
この流れについて、この本では実際の事例を紹介しつつわかりやすく書いている。
行動観察での注意点なども書かれており、特に自分も仕事でよくやってしまう間違いとして、他人も自分と同じであると思い込んでしまう、というものがあった。これは「偽の合意効果」と呼ばれるもので、これがあることで行動観察での気づきに固定観念ができてしまい、多様性が生まれない結果になってしまう。
行動観察ではこういった固定観念、自らの価値観や世界観、仮説はいったん横に置いて観察することが重要であり、何も知らない子どものような目で見ることで、新たなREFRAMEを発見することができるということが書かれている。
最後の章や後書きでは、イノベーションを実現するためには「知的な勇気」を持つ必要があるということを述べている。イノベーションのためにそれまでの枠組みと違ったことを主張するのは勇気がいる。普通人はそういったことを受け入れるのに抵抗があるし、場合によっては変化を恐れて抹殺してしまう。主張する側も、受け入れる側も「知的な勇気」があって初めてイノベーションが実現する。
この本を読む事で、簡単なことではないが「知的な勇気」を持って行動観察を通してイノベーションを実現していきたいと思うことができた。
今回の本:「行動観察」の基本 松波晴人 ダイヤモンド社 2013
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