読書レビュー 和らぎの国 小説推古天皇
面白さ★★★★☆
オススメ★★★☆☆
難しさ★★☆☆☆
ページ数:345
ひとことで表すと……「和らぎを以て貴しと為す」の意味を知れる本
この小説は、実際の歴史を元にした歴史小説であり、約1400年前、日本に仏教が根付いていく時代の政治の様子をよく感じられるような小説になっている。
基本的にタイトルの推古天皇となる炊屋姫を中心として、歴史に興味がない人でも名前は知っているであろう聖徳太子である厩戸皇子や、蘇我馬子などが登場する。小説としての表現が随所に交えられることで、ドラマ的要素を多分に含みつつ、タイトルの「和らぎ」、それが日本(倭)の基本的な考え方というか生き方であるということを強く感じた。
歴史小説として、語り口が固くなりすぎず会話も多く含む形で書かれており、とても読みやすい内容になっている。歴史をそれなりに知っていると要所要所でどういう展開になるか予想しつつ読めてより楽しめた。日本人として昨今仏教や神道に対して信仰心が薄くなっていく中、どのように生きていくか、何を大切にするべきかなど考えさせられた。
今回の本:和らぎの国 小説推古天皇 著 天津佳之 日経PB 2022
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?