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読書レビュー 真夜中法律事務所

 面白さ★★★★☆
 オススメ★★★★☆
 難しさ★★★☆☆
 ページ数:259

 ひとことで表すと……心霊と法律をかけあわせたファンタジーミステリー

 突然幽霊が見えるようになった主人公は、その幽霊が未解決事件の被害者であることを知る。この小説では、未解決事件の被害者が幽霊となり、その犯人が有罪と判決され罪を償わないと成仏できないという独特の設定がある。それを最大限に活かしており、ミステリーとして独特なストーリーになっている。

 幽霊が存在することで犯人がすぐわかってしまいミステリーとして成り立たないのではと思ったが、ちょっとご都合主義的な死亡時の記憶は思い出せなくなっている設定や、その他の構造的なトリックによってミステリーとしてしっかり成立している。また、展開はその設定を活かしたものになっており独特の世界観が作り上げられている。
 ファンタジーなのでなんでもありと言ってしまえばまあ終わりではあり、多少設定が強引なのは気になった。ただルールは事前に提示されており、トリックは意外性があり予想できないものであり質は高い。

 登場キャラクターは多くはないが、主人公や幽霊、主人公と同じく幽霊が見える弁護士などの魅力的なキャラクターがいて物語を彩っている。全体的にキャラクターとしては薄味ではあるがミステリー部分と相まって丁度良い具合のキャラクターになっている。

 総括して、ミステリーとしてはかなり異色ではあり、多少強引な面もあるが意外性もあり面白かったと言える。

今回の本:真夜中法律事務所 著 五十嵐律人 講談社 2023


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