青のKK

将棋パズル、チェスプロブレム、詰将棋に興味を持っています。

青のKK

将棋パズル、チェスプロブレム、詰将棋に興味を持っています。

マガジン

  • 温故知新(昭和編)

    詰パラ(昭和編)

  • M.Caillaudレトロプロブレム傑作選

  • L.Cerianiレトロプロブレム傑作選

    Cerianiのレトロ

  • 透明駒

  • JOSIF KRICHELI傑作選

    JOSIF KRICHELI傑作選

最近の記事

楽しいレトロプロブレム(63)

(62) Niels Høeg (Aarsskrift DSK 1939)  本作、最初に解答を書いてしまうと「黒Rをd2に追加して-1.Rd1xQd2と戻し、そこから 1.Kg7 Qh6#」というものである。しかし、すぐに浮かぶ疑問は「何故取りを戻す位置がd2なのか?また、白Qを取った駒は本当に黒Rなのか?」というもの。では、これが作意通り限定されていることを確認してみよう。            (-1.Rd1xQd2と戻した局面)  なくなった駒は白が

    • 温故知新(詰パラ394号)

       では今日は、詰パラ394号(昭和63年12月号)を読んでみることにしよう。学校はお休みなので短コンとデパートが主体なのだが、まずは短コンの首位作から紹介しよう。            小林敏樹 27角、同と、53銀成、56玉、55飛、同玉、54龍迄7手詰。 「銀成そっぽ」の見事な表現。その筋自体は前例があるものの、この初形で実現させたのが素晴らしい。            田島秀男「手裏剣」 25桂、24玉、34飛、15玉、24角、25玉、26歩、

      • 楽しいレトロプロブレム(62)

        (61) 橋本 哲 (Probleemblad 7-8/1999)  なくなった駒は白がRBの2枚で、黒はP1枚。盤面配置を作るのに白は13手かかり、RとBをd6/c6に捨てるのにもそれぞれ3手/2手かかる。よって総計は18手となり、白の手はこれで尽きている。  対照的に黒は相当の余裕がある。ただ、なくなったg筋の黒Pは駒取りできない為、直接これをf3に捨てることはできない。このことから、本作のメインテーマがPronkinであることが容易に見て取れる。  黒の盤面配

        • 温故知新(詰パラ393号)

           今日は詰パラ393号(昭和63年11月号)を読んでみることにしよう。この頃から私もパラに解答を送るようになったので、作品を見ると色々と思い出が蘇ってくる。では、そういう作品を2作紹介しよう。            大橋健司 43桂、61玉、64香、63金、94角、同銀、63香、71玉、83桂、同馬、61香成、81玉、93桂、同馬、71成香、同馬、92金迄17手詰。  今では「期末=難解」という公式が成立しなくなってしまったが、昔は「期末が似合う」とみなされ

        楽しいレトロプロブレム(63)

        マガジン

        マガジンをすべて見る すべて見る
        • 温故知新(昭和編)
          青のKK
        • M.Caillaudレトロプロブレム傑作選
          青のKK
        • L.Cerianiレトロプロブレム傑作選
          青のKK
        • 透明駒
          青のKK
        • JOSIF KRICHELI傑作選
          青のKK
        • 渡邊一雄傑作選
          青のKK

        記事

        記事をすべて見る すべて見る

          楽しいレトロプロブレム(61)

          (60) Gerd Wilts(Europe Echecs 01/1991, 1st Prize)  まずは、この局面から1.0手戻してみよう。白はチェックをかけているSをSa3-c4+と戻すしかなく(それ以外の場所がダメな理由は、以降の手順で明らかになる)、対する黒もSg1の成を戻すしかない。            (1.0手戻した局面)  ここから局面を分析してみよう。白のなくなった駒はRBの2枚で、黒はBSPPの4枚。白の駒取りはa,b筋でPによるもの

          楽しいレトロプロブレム(61)

          温故知新(詰パラ392号)

           前回の日記をアップしてから、391号にはもう一つ、是非紹介したい「作品」があったことを思い出した。それが以下のマンガ。題して「スーパー雀棋 岡村くん」である(笑)。  はっきり言ってくだらないけど、つい読む度に笑ってしまう。作者自ら「名作登場」と謳っているのもむべなるかな。詰将棋マンガ(そんなジャンルあるのか?)の最高傑作! さて、今日は詰パラ392号(昭和63年10月号)を読んでみることにしよう。今回も学校から半期賞受賞作を2作紹介してみたい。         

          温故知新(詰パラ392号)

          楽しいレトロプロブレム(60)

          (59) Michel Caillaud (Europe Echecs 295, 07/1983)  なくなった駒は白がP3枚で、黒はP4枚。白側の駒取りは4枚ともPによるもので、これらはすべてe-h筋で起きている。ところが黒のなくなったPはどれもはa-d筋のもの。これより、黒Pは4枚とも成っていることが分かる。  次に手数計算をしてみよう。黒の盤面配置を作るには11手かかる。すると黒に残された手数は35-11=24手。4枚とも成るだけで20手かかるから、黒には初形

          楽しいレトロプロブレム(60)

          温故知新(詰パラ391号)

           今日は詰パラ391号(昭和63年9月号)を読んでみることにしよう。学校を覗いてみると、高校に看寿賞作を発見!早速紹介しよう。            鶴田康夫 84桂、同歩、75龍、74金、同龍、62玉、51馬、53玉、44金、同龍、 42馬、同龍、54金、62玉、71龍迄15手詰。  龍を近付ける意味付けは山本民雄作と同じだが、中合を金にして手数も切り詰めたことで強い印象を与える結果となった。            (参考図)山本民雄 73馬

          温故知新(詰パラ391号)

          温故知新(詰パラ389号-02)

           この号には、看寿賞を受賞した作家のインタビューも載っている。実に面白い企画なのだが、何でこれが今のパラではできないのかなあ?  まずは「ヒロエ詰」と「迷路」で短編と長編をダブル受賞した相馬氏のインタビューから。  もともと、一つ一つの回転の部分の動きが面白いから、とりあえず機構だけ集めたんですよ、盤面に入るだけ。うまい具合にいっぱい入りますよね。次に、コースを作って何回か動かすんですよ。そうすると何となく意味が出てくるんですよね。その意味を、帳尻合わせるためにちょっと

          温故知新(詰パラ389号-02)

          温故知新(詰パラ389号-01)

           今日と明日は詰パラ389号(昭和63年7月号)を読んでみることにしよう。下半期の最初ということで学校にも好作が多いが、その中から3作引用してみたい。            原亜津夫 18金、同龍、29飛、同龍、17馬迄5手詰。  龍を呼び込んでおいての飛捨てが実に感触の良い捨駒。尚、これは作品集「暫定版」での修正図。14歩を欠くと初手より26馬、同龍、18金以下の余詰が生じる。            田島秀男「虹のマジック」 85飛、65歩、

          温故知新(詰パラ389号-01)

          温故知新(詰パラ388号)

           今日は詰パラ388号(昭和63年6月号)を読んでみることにしよう。6月号といえば看寿賞発表だが、この年は短編と長編が相馬康幸氏(「ヒロエ詰」と「迷路」)、中編が若島氏の七種合だった。ここでは「ヒロエ詰」を紹介しよう。            相馬康幸 53金、同玉、45桂、54玉、53金、同と、同桂成、同玉、45桂、54玉、55歩、同と、53桂成、同玉、63香成、54玉、64成香迄17手詰。  初手から45金-63香成-73金が52玉、64桂打、53玉で逃れ

          温故知新(詰パラ388号)

          楽しいレトロプロブレム(59)

          (58) Julio Sunyer (The Problemist 10/1931)  詰ますのならともかく、チェックをかけるのにそれほど困難はなさそうなのだが、実際にやってみると話はそれほど簡単ではないことに気付く。すぐ思いつく筋は1.Sc4(2.Sd6+)というものだが、黒に1...0-0!とされると全然届かない(各自御確認下さい)。かといって1.Sf4としてみても、やはり1...0-0とされると以下2.Sd5 Kh8 3.Sf4 Kg8...で逃れ。  よく考

          楽しいレトロプロブレム(59)

          温故知新(詰パラ387号)

           今日は詰パラ387号(昭和63年5月号)を読んでみることにしよう。期末だけあって好作が揃っている。その中から2題紹介したい。            有吉澄男 59龍、44玉、35角、同歩、55龍、同玉、24飛迄7手詰。  攻方は全着手が大駒。やりたい放題の豪快な作意がスゴイ。7手でもここまで表現できるのだ!            山村浩太郎 34銀、同玉、46桂、44玉、77角、55飛、43飛、同玉、25馬、同飛、 33角成、同玉、34金迄1

          温故知新(詰パラ387号)

          楽しいレトロプロブレム(58)

          (57) Michel Caillaud (Mat Plus 2007, 1st Prize)  なくなった駒は白がQPの2枚で、黒はP1枚のみ。また、手数計算をすると、黒は盤面配置を作るだけで18手ちょうど(Bc8も2手動いている)。従って、黒Pg7は不動のまま取られていることになる。  では、この黒Pを取った白駒は何だろうか?Qは序で消えるからあり得ないし、黒桝Bは動けない。Sだとチェックがかかってしまうし、KやPでPg7を取ることは不可能。ということで、案に相

          楽しいレトロプロブレム(58)

          温故知新(詰パラ386号)

           今日は詰パラ386号(昭和63年4月号)から作品紹介をしたいと思う。この号は短編がかなりの豊作。早速引用してみることにしよう。            富沢岳史 45金、同玉、56角、同玉、57金迄5手詰。  右への遁走を止めているように見える金を捨てる初手に意外性を感じるかどうかだが…。盤面配置も8枚に抑え、超短編としては十分成功していると思う。            仲西哲男 76金、96玉、87金、同玉、77金迄5手詰。  冬眠から覚

          温故知新(詰パラ386号)

          楽しいレトロプロブレム(57)

          (56) Andrej N. Frolkin (Die Schwalbe 180 12/1999)  どこから手を付けて良いのか途方に暮れてしまいそうな問題だが、まずはそれぞれの文字数を数えてみよう。そうすると、A=5, B=8, C=1, D=1, E=2, F=2, G=2, H=1, I=2, J=1, K=2, L=2の計29枚であることが分かる。特に、文字種が12種類ということは、全種類の駒が登場することを意味している。  次に考えるべきは、Kがどれかとい

          楽しいレトロプロブレム(57)