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温故知新(詰パラ438号-01)

 今日読んでいるのは詰パラ438号(平成4年8月号)。今号もなかなか面白い作が揃っている。早速紹介していこう。            行き詰まり「紺碧のロマン」 91角成、45玉、42龍、同馬、81馬迄5手詰。  73角成との二択だが、その意味付けはかなり見え難い。隅に近付けば近付くほど働きが悪くなる角を敢えて雪隠にまで持っていく初手には、十分なインパクトがある。            大月 淳 55金打、同角、56金、44玉、45金、同玉、3

    • Retros on Weekend (04)

      (3) Raymond Smullyan (The Chess Mysteries of Sherlock Holmes 1979)  これは「シャーロックホームズのチェスミステリー」からの引用。この本の中で、ホームズはワトソンに対し「Monochrome Chessだから、白枡の駒は白枡の駒しか取れず、また黒桝の駒は黒桝の駒しか取れない。そして、互いに取り合った後、白枡と黒桝の上には最低でも1枚ずつ駒が残っていないといけない」と説明し、「だから、このBはe3に居な

      • 温故知新(詰パラ437号)

         今日読んでいるのは詰パラ437号(平成4年7月号)。学校を覗いてみると、誰かさんが大学担当になっている。編集長の口車にまんまと乗せられてしまったのだが、解説した作品が看寿賞を取ってくれたので最低限の仕事はできたような気がしている。  お隣の大学院も、護堂氏から森長宏明氏に交代している。森長氏も中学校担当に続き二度目の筈。担当って、やっているときは色々と面倒な事ばかりなんだけど、後から思うと実に楽しかったように思えてくるから不思議だ。再登板する人が多いのも、きっとその為なんだ

        • 第7回透明駒解答選手権開催のご案内

          開催日時:4月28日(日)午後2時から ルール:かしこ詰、ばか詰、ばか自殺詰 手数:2~6手詰 解答時間:2時間 解答〆切:5月6日(月・祝)到着分まで有効  当日の午後2時にこのブログに作品をアップしますので、各自時間を計って解き、解図後は解答(及び解図時間)をメールかtwitterのDMで私に送って下さい。短評、総評大歓迎! 私のメールアドレスは k-kosaka@rj8.so-net.ne.jp です。  尚、くれぐれもコメント欄等に作意順やヒントになるような事柄を

        温故知新(詰パラ438号-01)

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          温故知新(詰パラ436号)

           今日読んでいるのは詰パラ436号(平成4年6月号)。読んでいると、その前の月に百石で開催された全国大会の記事が目に留まる。ああ、もうあれから30年もたつのか…。  以下に引用する2作は、いずれも全国大会にて発表された作品である。            高坂 研・相馬慎一 79香、87玉、77龍、96玉、97歩、同馬、85銀、同玉、76龍、95玉、96歩、同馬、84銀、同玉、75龍、73玉、94歩、同玉、95歩、同馬、83銀、同玉、74龍、82玉、83歩、93玉

          温故知新(詰パラ436号)

          Retros on Weekend (03)

          (2) Thomas R. Dawson (The Chess Amateur 1918)  すぐ分かるように、白Rを追加する候補地はb1,c3の2ヶ所。どちらが正解なのだろうか?まずは白Rをb1に追加して考えてみよう。            (図1)  なくなった駒は白がRBSの3枚、黒はQRBSSPの6枚。白の駒取りはPh7で5枚、白Pg3で1枚の6枚。従って、白の駒取りはPによるもので尽きている。また、このうち黒桝での駒取りはg3のみなので、ここでBf

          Retros on Weekend (03)

          温故知新(詰パラ435号-02)

           引き続き435号から。中学で大家と巨匠による夢の競演が実現しているので、早速紹介しよう。            小林敏樹 84角、55玉、75飛、56玉、65角成、57玉、47馬、66玉、57馬、同玉、 55飛迄11手詰。  舞台装置を構成するところから始めて、11手で収めたところがスゴイ。角筋を止める3手目の意味付けのシンプルさが成功の要因か。            上田吉一 35角、27飛成、同香、26桂、36金、16玉、18飛、同桂成、

          温故知新(詰パラ435号-02)

          温故知新(詰パラ435号-01)

           今日読んでいるのは詰パラ435号(平成4年5月号)。期末だけあって各校とも好作が多数発表されているようだが、その中からいくつかピックアップしてみよう。            呉一郎「変遷の影」 76龍、55玉、45馬、同玉、46龍迄5手詰。  塩見一族の作品としては実に珍しい、盤面配置一桁の作。誤解させることではなく、無駄をそぎ落としてその筋を表現しようと意図している点でも、この作家の超短編作としては異例の作なのではなかろうか。            

          温故知新(詰パラ435号-01)

          Retros on Weekend (02)

          (1) Michel Caillaud (Messigny 05/2012, 2nd Prize)  なくなった駒は白がQBBSSの5枚で、黒はQBBSSRPの7枚。また、盤面を注意深く観察すれば、白Ph7はc2から来たものであることが分かる。従って、白側の駒取りはこのPh7及びPe3,Pf3によるもので尽きており、白Ph6は駒取りをしていない。  一方、黒はPh5が2枚、Pc6も1枚駒取りをしている。更に、a筋の黒Pは成っているので(これが直進途中に取られることは

          Retros on Weekend (02)

          温故知新(詰パラ434号-02)

                     上田吉一  58飛成、88金、同龍、同玉、97角、同玉、99飛、イ98銀、75角、ロ86銀、同角、同玉、96と、同玉、 「98飛、ハ97銀、85銀、同玉、95と、同玉」 「97飛、96銀、84銀、同玉、94と、同玉」 「96飛、95銀、83銀、同玉、93と、同玉」  95飛、94銀、92と、ニ同玉、94飛、ホ93銀、83銀、同玉、74銀、72玉、73銀成、61玉、62成銀、同玉、73香成、同玉、64金、83玉、74銀、92玉、93飛成、同玉、8

          温故知新(詰パラ434号-02)

          温故知新(詰パラ434号-01)

           今日読んでいるのは詰パラ434号(平成4年4月号)。しばらくページを捲っていくと、「輝け!第1回詰将棋大賞」というのが出てきた。懐しいなあ。これは直接には詰パラとは関係のない話で、私の記憶が正しければ、この頃最も精力的に活動していた詰キストの一人だった清水英幸氏が、詰工房を盛り上げる為に出したミニコミ誌「KOBO」の企画の一つだった筈。  各賞の受賞者を挙げていくと、フォトジャーナリズム賞が清水英幸氏、企画賞が将棋世界編集部、文筆賞が湯川夫妻など、割と真面目に考えているよう

          温故知新(詰パラ434号-01)

          Retros on Weekend (01)

          「楽しいレトロプロブレム」の連載は終了したが、もっとレトロについて知りたいという方(何人いらっしゃるか分からないが)の為に、これから毎週末にレトロプロブレムを紹介していこうと思う。第一回は、Caillaudのフェアリーレトロ。例題付きでルールの説明もしておくので、フェアリーというだけで敬遠せずに是非挑戦してみて下さい。 (1) Michel Caillaud (Messigny 05/2012, 2nd Prize)  Checkless Chessというのは20

          Retros on Weekend (01)

          温故知新(詰パラ432号)

           今日読んでいるのは詰パラ432号(平成4年2月号)。この号から、今でも続いている「オールスター順位戦」が始まっているのだが(この頃の柳原編集長の企画力には目を見張るものがある)、早速この記念すべき第1回順位戦から好作をいくつか紹介していこう。尚、参考までに配属されたランクと得点(5点満点)も記しておいた。            添川公司 35角、イ同歩、34と、13玉、43飛成、ロ33角、25桂、14玉、15歩、同角、 13桂成、同銀、23龍迄13手詰。

          温故知新(詰パラ432号)

          温故知新(詰パラ431号)

           今日読んでいるのは詰パラ431号(平成4年1月号)。正月早々素晴らしい作品が高校に出ているので、早速紹介しよう。            富樫昌利 54金、32玉、33香、同玉、A45桂、同歩、44金、32玉、54角成、イ43銀、B同馬、同桂、33金、同玉、22銀、32玉、44桂迄17手詰。 A44金は32玉、54角成、43歩で逃れ。 イ31玉は21と、42玉、53馬以下。 イ43桂打は33金、31玉、32歩以下同手数駒余り。 B同金は31玉で逃れ!  

          温故知新(詰パラ431号)

          温故知新(詰パラ430号-02)

           実はこの号で一番面白いのは「解答者パラダイス」だ。なんでも、編集長が穂上さんと犬田に「とにかく12月号を10ページ埋めてくれないか」というイイカゲンな依頼をしたことが発端となってこの企画が出来上がったらしい。まさしく瓢箪から駒だねえ。  内容はというと、毎月採用された短評数を律儀に数え、総採用数・月間首位・皆勤賞などを調べ上げ、解答番付戦と組み合わせての第1回ベスト解答者の選定。このアイデアがまず素晴らしい(ちなみに、この年のベスト解答者は阪口和男氏だった)。その他にもベス

          温故知新(詰パラ430号-02)

          楽しいレトロプロブレム(最終回)

          (100) Rene J. Millour(Rio 2009 Sake Tourney, Special Prize) 1.Ixg4 Kc1 2.Qa4 cxb8=S#  実に白黒合わせて10枚もの透明駒の正体がたったの2.0手で全て判明するという、信じ難い作品。以下、その論理構成を丹念に追ってみることにしよう。  まず、初形が黒番であることからf2又はg3に少なくとも1枚透明駒があることは明らか。取り敢えずここから1.Ixg4 Kc1 2.Qa4!と進めてみること

          楽しいレトロプロブレム(最終回)