温故知新(詰パラ461号)
今日読んでいるのは詰パラ461号(平成6年8月号)。学校にはめぼしい作がなかったので、フェアリーを3作紹介しよう。
小石広志
22飛、33玉、34銀、44玉、33銀、同桂、24飛成、34金、33龍、同金、37桂、36桂、35角迄13手詰。
取れない捨駒に始まり、34銀-33銀という味の良い手が続き、最後は36歩を消去してもらって35角で仕留める。安南の大家小石氏による、このルールでの手筋ものと言えそうな作。
岩本 修
A52銀、イ同玉、63銀、53玉、B54銀成、43玉、44歩、ロ33玉、45銀、23玉、33歩成、同玉、34歩、23玉、33歩成、ハ同玉、34銀打、22玉、33銀成迄19手詰。
A64銀は53玉以下逃れ。
イ同歩は72銀、同玉、63銀、73玉、74歩以下。
B54銀生は43玉、44歩、同玉、36銀、55玉以下逃れ。
ロ同玉は36銀、33玉、44銀、23玉、24歩以下。
ハ13玉は14銀以下変同。
作者―54銀成~44歩の手順を見つけて、54銀成以前を逆算、44歩以降を正算でまとめてみました。
初形を見ると取り敢えず頭から抑えたくなるところ。しかしそれでは巧くいかない。銀を銀として使うには5段目の歩がむしろ邪魔なのだが、これを消去するには当然取られたときの対策が必要で、それが54成銀という訳だ(→紛れB参照)。この仕掛けにより52銀-63銀という洒落た序が付いてくるのだから、巧く出来ている。小石氏が安南の大家なら、岩本氏はさしずめ安南の巨匠と呼ぶべきだろう。
上田吉一
96歩、44歩、61角成、42玉、43金迄5手詰。
左右シリンダー盤というのは、1筋と9筋をのり付けして円筒形にした将棋盤だと解釈するのが分かり易い。同様に上下シリンダー盤、リングシリンダー盤というものもある。
本作はシリンダー盤を紹介するための啓蒙作。
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