有意差があるとはどういう事か?mRNAワクチンの副反応/副作用に関して

1. まず統計学的有意差とは?

例えば「東京人と関西人で身長が違うか?」を知りたいとして、測定しました。

東京人(3人): 160 cm, 170cm, 180cm
関西人(3人): 170cm, 180cm, 190cm

「平均身長が関西人の方が高いから、関西人の背が高い」
というのは、数学の難しい理由により否定されます

そこで、統計学を用いる事になります。
統計学を用いれば数学にも認められます。
ちなみに、t-testという統計学を用いれば
「このデータでは東京人と関西人の身長に違いはない」
というのが1/20回外さない程度で出てきます。

2. ワクチン副反応と統計学的有意差の関係は?

HPVワクチン接種後に副反応が起きた人が居ます。
これがHPVと相関するか?
どうすれば良いでしょうか?

反対派はHPVのせいだ!と言うでしょうし
狂信派は絶対に認めない!と言うでしょう。平行線です。

そこで、統計学的有意差の出番です
先程の東京人と関西人の時と同じく

「HPV接種した後の副反応の人」と「HPV接種してないけどキツかった人」
を統計学的に比べるのです。
統計学の限界はありますが、気持ちで殴り合うよりかは随分客観的で科学的です。

これにより、HPVの副反応は統計学的に有意差がない
つまり
「このデータでは、副反応とHPVの相関は棄却される」となったのです

3. 副反応を有意差で語ると何が良いのか?

A. 副反応を見捨てる訳ではないと言える事
  有意差で語るの対極に「頻度で語る」と言う最悪の反科学的言動があります
  例えば「HPVで副反応になるのは1/10万人のごく稀だから、見捨てよう」
  こんな事は許されませんよね
  頻度が高かろうが低かろうが本人にとっては100%です
  しっかり、統計学的有意差を持って、科学的に語る事が大切です
  ところが、驚くべき事に
  「mRNAワクチンによる心筋炎は稀」と主張する医者アカウントが居ます
  これは「HPVの副反応頻度が%だ!」と主張されていた方と同じです
  稀だから見捨てろ!と言う主張でしょうか?
  一部、HPVに取り組んでいた方もこのような言動をされ、非常に残念です

B. 誤った副反応を拾わない
  例えば、頭痛は結構な頻度である
  なので頻度で語れば「ワクチン後10%の人が頭痛になった!」とも言える
  なので、接種しなかった人の頭痛と比べて統計学的な有意差を検討して
  頭痛が副反応なのか、自然発生した頭痛なのかを検討する必要がある。
  ところが驚くべき事に
  「小児のmRNAワクチン心筋炎は頻度が低い」と主張する医者アカウントが…(以下略


4. それでは実際にHPVと有意差に関してどれだけの影響があったか?見てみましょう

A. 峰先生x Buzzfeed
  以下引用
「この研究ではHPVワクチン接種者と非接種者の間で、24の症状の発症リスク(オッズ比といいます)に差がなかったことが示されています。

つまり、HPVワクチン接種と症状との間に関連性があるといえる結果ではなかったのです。簡単に言えば、関連性がほぼないであろうと推測される結果でした。」
https://www.buzzfeed.com/jp/soutaromine/hpvv-mine-2

B. 厚労省
  以下引用
「非接種群と比較して、24の症状のいずれの発症率も接種群で有意な上昇は認められなかった。」
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/1-2.pdf

等々
統計学的有意差に立脚した言動である
この活動は世間にも周知され、
ホリエモンなども有意差が無かった事によりHPV賛成したりした
医療者としてもエビデンスを語りやすくなった
統計学的有意差で医療を語る事が周知されてきた
ところが驚くべきことに
「mRNAワクチン心筋炎の頻度はコロナ感染に比べればなどと(以下略

まぁ、統計学的有意差が、葵の御紋な役割を果たしていると言う事を知っておいてください


つまり、
「ワクチンに有意差のある副反応などない。(局所を除く)
したがって、ワクチンは安全である」
と言うワクチン安全神話が医療者の共通認識であった。
それで多くの医療者が強気に出ていたのである
「所詮ワクチン。安全に決まっている。」
なので、あれだけイケイケドンドンであった。
そして有意差を理解しない人々を反ワクチンと呼んだ
ところが驚くべきことに
令和の反ワクチンは「心筋炎の頻度が稀(以下略

5. では、実質核酸医薬だがワクチンと言う皮を被ったmRNAワクチンではどうか?

まず、心筋炎が統計学的有意差となった

詳しくは前のnote等をご覧ください

これだけで十分揺るがすだけの大きな出来事です

なぜなら「既知のリスクのない、医学的に無害なワクチン」
から
「統計学的に有意差のある副反応/副作用のある薬品」
となったからです
これはHPVの再開と同じだけの科学的根拠があり
裏返せばこれだけで中止を検討すべき出来事です

当然、推奨している人々は困ります
どうするか?科学的、医学的信念を貫き通すか?

ところが驚くべきことに
「mRNAワクチンの心筋炎は稀」
とまさかの、統計学的有意差を捨て、頻度で語る作戦

心筋炎に有意差があることに言及しているのは、厚労省と屋代先生くらいだ

Sukuna 先生もいた
いや、数多くの医者は言及している

おどろくべきことに
かつて反HPVと戦っていた方々が有意差に言及しないのは、闇堕ちなのか?
それとも反ワクチンなのか?

とくにこびナビ系が多い気がする


6. 心筋炎以外の有意差のある副反応/副作用
現状9個あります。
私がpubmedで掘ってきました

全て統計学的に有意差があります

つまり
「全て科学的にmRNAワクチンと相関があると立証された副反応/副作用」
となります

詳しくは固定ツイート等を見てください

ここでは簡単に解説しましょう

①心筋炎
 コホート研究でも有意差が確定しており、揺るぎない
 基礎研究もあり、とても大事(前回のnoteもご覧ください)

②運動時の心機能への影響
 mRNAワクチン接種で有意差を持って運動時の心拍数とホルモンに影響があります
 本格的な運動では問題になるかもと論文に書かれています。

③生理周期の遅れ
 mRNAワクチンを接種すると生理が遅れます。勿論有意差あり。
 原因も病的意義も不明なのが怖いところ

④悪性高血圧に至りうる高血圧
 ファイザーのmRNAワクチンは他のコロナワクチンに比べて高血圧が多い(有意差あり)
 悪性高血圧は命に関わるので、高血圧と甘く見ないで

⑤乾癬の増悪
 mRNAワクチンを接種すると、乾癬が増悪する(有意差あり)
 乾癬は皮膚を主体とした自己免疫疾患です

⑥ベル麻痺
 mRNAワクチンは、あの顔半分が麻痺する写真のベル麻痺と相関します(有意差あり)
 特に高齢女性で顕著です。デマではありませんでした

⑦リンパ節腫脹
 ただ腫れているだけなら良いですが、全くもって何者か分かってないのが怖いですね

⑧IgG サブクラスが違う
 自然免疫とはサブクラス自体が違う。

⑨接種前の自己免疫疾患増悪
 接種前に増悪した人は増悪しやすい

以上、9個でした。
詳しくは固定ツイートをご覧ください

これは全て統計学的に有意差があります

つまり、HPVの再開の根拠と同じだけの強さがあります

裏返せば、中止を検討するに十分な事です


7. 最後に

これだけ有意差のある副反応/副作用がありながら
それでも接種を推奨すると言うのは、それはそれで一つの考え方です

しかし、HPVの副反応に有意差がない事と同じく

mRNAワクチンの有意差のある副反応/副作用に関しては周知すべきです

接種者には知る権利があります
科学的に証明されたリスクを知って判断すべきです

医者は有意差のあるリスクを説明すべきだと考えます