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長編連載小説『サンキュー』第509話。

 健作は、カメラで、台湾のハイビスカスを撮ってから、本土に帰ってきた。確かに、一苦労だったろう。俺にも分かる。祖父は命懸けで、あの写真を撮ったのだ。戦地は、大混乱しただろう。俺は、台湾が激戦地だった事も分かる。ある意味、あの場所は地獄だった。麗は、今、都内の特養にいるが、母は90を超えていて、もうボケている。ある意味、終わらない戦地での戦いなど、忘れているだろう。麗は良いのだ。もう、認知症なのだから……。俺は、母に関しては、放っておこうと思った。(以下次号)

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