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長編連載小説『レター』第324話。

「お爺様、ボクは、良い手筋の物を持っていて、持て余しているのですか?」

「そうかもしれんな。お前は、まだ、未熟なところがある。もうちょっと、我慢しないと、良い物は書けない」

 幸作は、教え諭した。潤が、里沙とソファーを共にして、

「里沙、お兄さんの文章と、君の文章は、どっちが秀逸だい?」

 と訊いてみた。里沙が、

「お兄様の方よ。お兄様は、上手いわ。あたしは、iPadで書き綴る程度。まだ、上達はしてないし、お兄様の文章の方が、味わいがあるわ」

 と返した。潤が、

「里沙、iPadを貸してごらん。ボクが書いてみせるから」

 と言って、ソファーから乗り出した。(以下次号)


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