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長編連載小説『サンキュー』第645話。

 雄一の部屋は、荒れ放題だ。映子は、完全に無視した。もう、父は終わりなのである。そして、娘である映子が無視し始めると、奈々も、真里も、紗季も、雄一を白い目で見るようになった。雄一は終わったのだ。映子は、『ルバン』での勤務が終わると、愛用の新古車で帰ってきて、お風呂に入ってから、即寝るようになった。愛花も遠ざかった。雄一は、完全に終わった。もう、誰も相手しない。そして、奈々は、雄一が近付いてくると、

「ひいじいちゃん、あっち行け!」

 と、露骨に敵視した。当然の成り行きだ。(以下次号)

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