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長編連載小説『破線』第142話。

 ガソリン事件を放置しておけば、警察の威信に係わる。沽券というヤツだ。俺も、板敷も、あの事件は、高橋が仕組んだ物と思った。高橋がガソリンをスタンドから盗み出し、引火させた。それが手口だ。俺もそう考えていた。実際、乱歩の昔から、事件のトリックは決まっている。俺はそう思っていた。実際、ガソリン事件は、上手く捜査すれば、解決すると思った。実際、解決しないヤマはない。高橋を締め上げれば、事件は無事、解決だ。(以下次号)

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